冒険者ギルド
魔物の召喚は死体を消費(光の粒になって消える)
することで、新たに別の個体を生み出します。
死体がそのままゾンビになっているわけでは無いのでご注意を。
シャドウは冒険者ギルドに入ると、
早速受付の人に話しかけた。
「えっと...冒険者になりたいんですけど...」
「はい。ではこちらにお名前をお書き下さい」
(能力の事は言った方がいいのかな?アイに死霊術師の能力は人には知らせない方がいいのか聞くのを忘れてた...やっぱり詳しい人がいないと
不便だな。)
「分かりました。」
とりあえず.... 【シャドウ】っと。
「はい。シャドウ様...。では、こちらのカードをどうぞ。クエストを受ける際にカウンターでお渡し下さい。」
「あっ、はい。ありがとうございます.
それと、弱いモンスターが沢山出るクエストとかありませんかね?討伐系の....」
アイ曰く、動物の死体などでも魔力を得られるそうなので、丁度いいクエストがあれば
お金稼ぎにもなるし、やっておこうと言うわけだ。転生してからご飯も食べてないしな、、
「それでしたら、森で最近ゴブリンが巣を作って近くの畑や道を通る人を襲うらしいので、
ゴブリン討伐のクエストなどどうでしょうか?
ですが、ある程度戦闘に慣れた方が
1人や2人ほどいた方がいいと思われます。
月とは言え、道具などを扱う個体もいますので。どうされますか?」
(森...まぁ、大丈夫か。こっちにはゾンビがいるし)
「あ、じゃあそれお願いします。」
「かしこまりました。では、カードをー」
早速ゴブリンのクエストを受けて、村の外れの森の奥に、ぽつんとある部屋に戻るとアイとゾンビ達がいた。
「とりあえずクエスト受けてきけど、、
ゴブリン討伐って言うやつを。」
(報酬とかってそういえば聞いてなかったな...
しかもお金を見る限り金貨とかじゃなくてこれは...)
(円だ。そう、円。)
この世界では千円札などは無く、全部硬貨で出来ているが、単位は円のようだ。
(地球人に随分優しい世界なんだな。
強さも月火水木って...曜日だしな。)
「かしこまりました。では、ゴブリンの巣までご案内します。」
「ん?」
(なんで場所を知っている様な口ぶりなのだろう...)
「ほら、行きますよ、ご主人様。」
アイについて行き、森を歩く事数分。
ゴブリンの巣の前まで来た。
(うわぁ...めっちゃいる、)
大きい山の横に空いた洞窟を家にしている様で、
洞窟の前では大勢のゴブリン達が火の回りを囲って踊っていたり、ご飯を食べたり、洞窟に食べ物を運んだりしていた。
ゴブリンは耳が少し長く、先が尖っており、
目は黄色で横長、ギラギラと光っている。
背は70cm程で、少し大きいサッカーボールくらいだ。
体は緑色で、茶色いボロボロの布の腰巻を巻いている。
所々、石で出来た石器のようなナイフや斧を
持っているやつもいる。
「け、結構多いけど、、?」
ぶっちゃけ5匹ほどかと思っていた。
見る限り、、
「30匹ほどいますね。」
「ゴブリンって強いのか?頭は...悪そうだけど」
ほとんどのゴブリンが踊っていたり、ケンカしていたり、寝っ転がったまま肉を食っていたり、、
賢いとは言えない動きをしている。
「喧嘩が強い一般人なら5匹ほどなら
同時に倒せますね。拳で。そう、拳で!」
「大声出すから気付かれたぞ!?」
何が原因分からないが、アイが興奮して大声を
出してしまった。
そんな中、近くを通りかかった
1匹のゴブリンがこちらに向かってくる。
「と、取りあえずこっちに来たらゾンビに
襲わせよう...」
頭を掻きながら、ゴブリンがよろよろ歩いてくる。
他のゴブリンから見えにくくなるくらいの
距離に来た所で、茂みや木の後ろに隠れていた
ゾンビ30体が襲いかかる。
「だ、大丈夫だよな、、さすがに。」
近くの茂みにいたゾンビ一体がゴブリンの頭を
蹴り飛ばし、衝撃でゴブリンの頭が破裂した。
(結構ゾンビ強いんだな...ゴブリンが弱いのか?)
とりあえずゾンビ1匹だとゴブリンなど相手ではないらしい。
ゴブリンの死体を使い、新たにゾンビを作ろうと...
「スケルトンも出してみるか。」
前にゾンビ以外のアンデッドは生み出せないか
聞いたところ、ゾンビよりも弱いが、その分
少ない魔力量でスケルトンを作れるそうだ。
なんとなく気になったのでゾンビではなく
スケルトンを召喚してみる。
すると、ゾンビと同じ位の背丈の骸骨が地面から出てくる。
(スケルトンはやっぱりゾンビより弱そうだな。)
ゾンビよりも肉がなく、骨だけなので、俺が殴っただけでもバラバラになりそうだ。
「頭蓋骨がツヤツヤしてて、可愛いですね。」
「そ、そうか...?」
(言われてみれば....いや、どうだろ。)
「取りあえず、ゾンビの方が強くて、いまは
数もこっちの方が多いし、襲わせてみようか。
「そうですね。(無関心)」
「ヴォォアァァァ!!!」
俺の意思に従い、ゾンビ達とスケルトン一体が
ゴブリンに襲いかかる!
「何だ!?何ごとだ!」
(ゴブリンは日本語を喋るのか...なんか気味が悪いな。)
人間以外が日本語を話すのは少し変な感覚だ。
いきなり現れたゾンビ達に遊んでいたゴブリン達は次々にゾンビに蹴散らされる。
「やめて下さい!この子は生まれたばかりなんです!」
女性っぽい体付きのゴブリンが小さいゴブリンの前に庇うように立つ。
流石に可哀想だと思い、ゾンビに止めるように...
ドスッ.... プシャー ドクドクドク
遅かった。母ゴブリンに気づいたゾンビは
何の躊躇いもなくゴブリンの首を拳で吹き飛ばした
「お母さん.....うわぁぁぁ!!」
目の前でお母さんを殺されたゴブリンは叫びながら横の洞窟に逃げていった。他にも何匹かは
洞窟に逃げた様だ。
一方的にゴブリンを痛めつけ、殺していく様子を見ていると、なんだか心が痛む...
「いや、このゴブリンも人を襲うみたいだし、、
しょうがないな。食物連鎖だ。」
「弱肉強食では?」
「....」
「....」
「とりあえず全部片ずいたな。い、行くか。」
茂みから見ていた俺とアイは(アイは隠れもせず
棒立ちだ。)ゴブリンの死体が転がる場所へ移動する。
さっきまでは賑やかだった広場も
血肉が飛び散る殺戮場だ。
「おおー大漁だな。」
ゾンビ達にお願いし、集めてきてくれた死体を見てワクワクする。
ゴブリン達が目の前で殺されていたが、
何も感じない。むしろあの死体でまた
味方を作れると思うととてもわくわくする。
違う世界に来ておかしくなってしまったのだろうか。
「能力で死体を魔力にして、魔力から
ゾンビを作って...」
「ヴァァァーー」
そして、40匹ほどのゾンビに奥の洞窟の物を取ってくるように命令し、俺はゴブリン達が持っていた武器(石の槍やナイフ)を
スケルトンとアイと一緒に集める。
「何だお前らは!?」
「誰か助けてくれぇぇ!!」
「どうか子供だけはお助けを....」
武器を集める間に洞窟から助けを求める声や
悲鳴が聞こえたが、気にしないでおこう。
そして、ゾンビ達が持ってきたゴブリンの死体をまたゾンビにしつつ、
洞窟からゾンビが持ってきた物をアイと眺める。
「結構色々出てきたな...お!これとかレア鉱石だったり!?」
薄い茶色い光った鉱石の塊を見つけた。
「銅ですね。まぁ、今日の夜ご飯代くらいには
なるのでは?」
「....そうですか。」
お金になりそうな金属の道具や鉱石をゾンビに持たせて、村に戻った。
「慈悲も容赦もないんですね。ご主人様。」
「一応ゴブリンに困ってる人も居るんだし、
しょうがないだろ。」
「でもご主人様ゴブリンの死体を見て
ニヤニヤして....「気のせいです。」
そうして俺達は初めてのクエストをクリアした。




