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五本目
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私と明樹は血を分けた兄妹。
たった一歳違いの仲良し兄妹。
みんながそう言うのをどこか遠くで聞いていた。
むくりと起き上ればいつもの自分の部屋。
女の子らしく飾ってはあるものの、和室だ。
可愛いとは言い難い。
「・・・・・・」
眠気と、いらだち。
今日も何も変わらず始まった。
私はまた戻ってきた。
次こそ失敗してはいけない。
絶対外へ逃げなくては。
早い段階で、彼と共に。
お気に入りの服に着替え、髪を整える。
「おはよう、咲希」
「おはよう、お兄ちゃん」
彼─兄と共にこの村の外へ逃げなくてはいけない。
それ以外に私と彼が一緒になれる未来はないのだから。