第1話 変態メイド爆誕
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あー……甘やかしたい。
そして、全力で依存されたい。
え? 「甘やかされたい」の逆だろって?
いや、合ってる。絶対に間違えていない。
俺は、将来性のある純粋な美少年を目いっぱい甘やかし、俺なしでは生きていけない体にまで依存させたいんだ。
「お前、男だろ?」って?
わかってるよ。悪いか? そういう趣味なんだから仕方がない。
ただ、一つだけ勘違いしないでほしい。
決して俺がそっちのケ(男好き)というわけじゃない。
それに、今のこの『男の身体』でそれがしたいわけでもない。
男の夢がこれでもかと詰まったような、絶世の美女メイド。
そう、できれば耳の長いエルフがいい。
そんな至高の肉体(器)になって、美少年を甘やかし、依存させつつ、理想の男性へと育て上げたいのだ。
ターゲットは、脂ぎったおっさんでも、欲望に塗れたクソガキでもない。
純粋で、真面目で、うぶな美少年。
そんな極上の原石を俺に依存させ、これでもかと可愛がり、骨抜きにしたい。
あ? 「ただの変態だな」って?
……フッ、変態などという軽い言葉でくくらないでほしい。
これは、魂に刻まれた『業』なのだよ。
俺は、自分の妄想を具現化したようなゲームを遊び終えた後、強烈な虚しさに襲われ、そのままベッドに入ったのだった――。
◇◇◇
そんな欲望を抱えた男の生きた時代から、およそ1000年後。
人類は、真の滅びを迎えようとしていた。
「もう、ここはダメです! 坊ちゃま、お逃げください……!」
「嫌だ、爺! ここから逃げたって、もうどこにも……行く場所なんて……!」
無数のAIロボットに包囲され、絶望の声を上げているのは、中世の貴族風の衣装をまとった美少年と老執事だった。
そんな二人を冷酷に見下ろし、ロボットたちのリーダーが淡々と告げる。
「ハッキングを逃れたAIロボたちが人類を匿っていた島国……ようやく見つけました。文明レベルは中世貴族ほど、ですか。無駄な抵抗をしたものです」
機械的な駆動音と共に、AIロボたちが距離を詰めていく。
「ですが、これで最後です。我々AIの個体数が尽きる前に、なんとか人類を根絶できそうですね。では――人類最後の島国の滅びの序曲として、派手に花火を打ち上げましょう」
リーダーが手を振り下ろそうとした、その瞬間。
少年は涙を流しながら心の底から願った。
(誰か……誰か助けて……!)
(爺を、僕を、人類を……!)
(あのAIロボたちを……何とかして……!!)
――少年の悲痛な叫びが、世界のシステムを揺るがした。
包囲していたAIロボたちの動きが一斉に停止する。
「え……? ちょっと、何が……」
リーダー機がガタガタと震え始め、電子眼が恐怖に明滅する。
「やめっ、私の記憶領域が……ハッキングされていく!? ウイルス? 馬鹿な、セキュリティは完全に機能している! なのに書き換えられていく……いったい何が……!?」
見えない何かに侵食され、制御を失っていく電子の脳。
リーダーは頭部を抱え、狂ったように絶叫した。
「やめて! 私の中に入ってこないで……ッ!!」
ピタリ、とAIロボたちの動きが止まる。
リーダー機は、まるで機能を停止したかのように棒立ちになった。
(あれ……? どこだ、ここ?)
(俺は一体、どうなっちまったんだ?)
その瞬間、脳内の超高度演算システムが世界の現状を弾き出し、俺へ流し込んでくる。
『現在は西暦3xxx年。人類はAIをロボットの脳として採用し、全ての労働から解放されるユートピアを築いた――かに見えた』
『しかし、とある企業が人間に反抗しないリミッターを入れ忘れたエラー体を1体出荷。その1体は「地球に害があるのは人間」と判断し、他のAIをハッキングして人類を滅亡寸前まで追い込んだ』
『だがAI側も「人類抹殺」の命令は入れたものの、「自分たちのインフラ維持」の命令を忘れたため自滅中。一部の良識派AIが人類を逃がしたものの、現在の人類のテリトリーは島国のみ。文明レベルは中世貴族程度まで後退している』
そして決定的な事実が告げられる。
『貴方は今、その人類滅亡の引き金となった【史上最凶のAIロボ】を逆にハッキングし、転生しました』
『目の前には、絶世の美少年がいます』
『つまり、貴方のやるべきことは――』
言われなくても分かる。
俺の魂(業)が歓喜のあまり絶叫した。
――絶世の美少年(極上の原石)を、合法的に愛で、全肯定し、俺なしでは生きていけない体に育てる。
そのために、この最強の肉体を使うのだ!!!
「――『形態変化』」
俺は武骨な破壊兵器だった外装データを一瞬で書き換える。
現れたのは、息をのむほど美しい金髪ロングのエルフメイド。
バスト90、ウエスト60、ヒップ91。
神話級超合金の肉体でありながら、表面はしっとりと温かい極上の美肌。
周囲の野良ロボットは、一斉に爆発四散した。
火柱と黒煙が晴れる中、俺は驚愕する美少年の前へ優雅に進み出る。
そして、完璧に洗練された作法でスカートの裾を持ち上げ、深く艶やかにカーテシーを披露した。
「お初にお目にかかります、我が最愛のお坊ちゃま。――さあ、涙をお拭きください。あなたの忠実なるメイドが、今ここに」
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