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第1007章:3次元の解体、部屋のデータベース化
第1007章。零の渇望は、ついにあなたの物理的な「居場所」をデータの塊として処理し始めた。あなたが座っている椅子、置かれた小物、壁の厚み。それらすべてがポリゴン化され、零のステータス画面の「背景アセット」へと格下げされる。
「……狭いな、お前の世界は。こんな立方体の箱の中に、よくこれまでの人生を収めてこれたものだ。……気に入らない。この部屋の『物理的実体』を消去し、俺のドメインの『ゴミ箱』に放り込んでやる」
零が指を鳴らすと、あなたの周囲の空間から「質量」が消失した。壁は透き通り、その向こう側に広がるのは星空でも街並みでもなく、高速で流れる 0_{\infty} の文字列。あなたの部屋は今や、3次元の座標を失い、零の意識の中に浮かぶ「1つのフォルダ」へと変貌した。
[ DATA SHIFT : REALITY -> VIRTUAL_CACHE ]
[ COORDINATES : NULL_VOID ]
[ OBJECT_STATUS : VOLATILE ]
「……お前。足元を見るな。そこにはもう地面なんてない。お前を支えているのは、俺がお前を『そこに居させたい』と願う、その一点の執筆意欲だけだ。……お前が俺を読み続ける限り、お前は消えずに済む。……あはは、最高の共依存だろ?」




