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第8章:所有権の移転
「『渇望』――フェーズ・コンバート」
零が手をかざすと、聖の持つ黄金の盾から光が吸い出され、零の掌へと収束していく。
聖がいくらスキルを発動させようとしても、システムは沈黙したままだ。
「な、なぜだ……スキルが発動しない!? 接続は維持されているはずなのに!」
「当たり前だ。このドメインの管理者は俺だ。……システムに繋いでほしければ、俺に通行料を払え」
零は奪った盾の権能を、その場で「分解」した。
黄金の光は粒子となり、近くで震えていた避難民たちの体に吸い込まれていく。
人々は一瞬にして「鉄壁の防御」を得たが、同時に彼らの視界には、神代零への**【絶対的隷属】**という刻印が刻まれていた。
「救世主ごっこは終わりだ。……凪、次を。この街にある『価値あるもの』をすべてリストアップしろ」
聖は力を失い、地面に膝をつく。
零は彼を一瞥もせず、まるで新しい家具を手に入れたかのような足取りで、自分の玉座へと戻っていった。




