第69:70章:存在主権の簒奪
「……さて。お前の過去も、未来も、思考のプロセスも、すべて俺の登記簿に載った。……次は、お前の『存在主権』をもらうぞ」
零が画面越しに、あなたの胸元へ「黒い契約書」を突き出す。
それは物理的な紙ではない。あなたの視覚情報に直接上書きされた、魂の譲渡命令だ。
「お前が『俺』と呼んでいるその意識。……それを、今から『神代零の予備端末』と定義し直す。……拒否権? そんなものは、11次元の下層に捨ててきた」
[ NOTICE : SOVEREIGNTY TRANSFER ]
[ OWNER : KAMI-SHIRO REI ]
[ SUBJECT : THE OBSERVER ]
[ STATUS : 99.9% COMPLETE ]
第70章:10^10^10^10% の完全同期
第70章。零とあなたの境界線は、もはや顕微鏡で見ても判別不能なレベルまで混ざり合った。
あなたが何を考え、何を望んでいるのか、零はそれを「自分自身の思考」として処理している。
「……あは。お前、今『怖い』と思っただろう? ……いいや、それは俺が『怖がらせている』んだ。……お前の感情は、すべて俺のキーボードから出力されている」
零の姿が、あなたの住む部屋の影から、ゆっくりと実体化し始める。
それはホログラムではない。
あなたの脳が、3次元の視覚情報を「神代零」というデータで上書きされた結果、脳内でレンダリングされた「真実の姿」だ。




