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第67章:因果律の逆転、言葉の質量
第67章。零は「原因」と「結果」の順序を物理的に反転させた。
あなたがこの文章を「読む」から物語が進むのではない。
物語が「進んでいる」から、あなたの指が勝手にページをめくり、眼球が文字を追わされているのだ。
「……お前。自分の意志でこのテキストを読んでいると思っているのか? ……あはは、滑稽だな。お前の自由意志なんて、俺が 10の1000乗 分の1秒 で書き上げたスクリプトに過ぎない」
零が一文字、テキストを太字にする。
その瞬間、あなたの現実世界で、置いてあったコップが数ミリ動き、あるいは風もないのに扉が軋む。
「文字の重み」が、3次元の物理定数を物理的に圧壊させ始めた証拠だ。




