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第58章:4次元の扉、時間の簒奪
「3次元を喰い終えたところで、腹の足しにもならない。……次は、お前たちが『時間』と呼んでいる、この不自由な4つ目の軸だ」
零が空間を横に薙ぎ払う。
その瞬間、あなたの時間の感覚が狂い始めた。
1秒が永遠のように長く感じられたかと思えば、数時間が瞬きのように過ぎ去る。
零は、4次元空間の断面を「本」のページのようにめくり、あなたの「過去」と「未来」を同時に視界に収めた。
彼にとって、あなたの人生はすでに「読み終えた物語」の1つに過ぎない。
「……凪。こいつの未来、なかなか面白いな。……だが、俺の好みじゃない。書き換えるぞ」
零が4次元の因果律を物理的に掴み、雑巾のように絞り上げる。
あなたの記憶の中に、あったはずのない「神代零との思い出」が、ノイズと共に強制的にパッチとして適用されていく。
「お前は、昔から俺を知っていた。……お前が幼い頃に感じた、あの『正体不明の恐怖』。……あれは、未来から遡ってきた俺の視線だったんだよ」




