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第52章:虚数銀河の略奪

第52章。零は「存在する宇宙」だけでは飽き足らず、「存在し得なかった可能性の宇宙(虚数宇宙)」にまで手を伸ばした。

そこには、重力が光よりも速い世界や、時間が円環を描く世界など、10の8000乗種類におよぶ異形の法則が渦巻いている。

「……面白い。この『矛盾』、全部俺のコレクションに加えよう」

零が虚空を薙ぎ払うと、数多の虚数銀河がドミノ倒しのように崩壊し、彼の掌の中にある「1つの点」へと圧縮されていく。

それは、かつて彼が奪った「黒い立方体」の究極進化形。

[ ITEM ACQUIRED : NULL-DIMENSION CORE ]

[ MASS : UNMEASURABLE (INF/INF) ]

[ DEFINITION : EVERYTHING & NOTHING ]

「これで、俺は『無いこと』さえも『所有』した。……凪、次の段階へ移るぞ。この宇宙の全原子を、俺の名前を刻んだ『記憶素子』に書き換えろ」

「……了解よ。全宇宙の 10の80乗 個の原子へのアクセスを開始。……完了まで、0.00000000000000001秒」

一瞬。

全宇宙の星々が、神代零の「零」という文字の形に整列し直される。

夜空を見上げれば、そこにあるのは星座ではなく、彼の圧倒的な独占欲が描き出した「署名」だった。

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