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第21章:100%の嘘
東京を心臓へと作り変えた零は、己の中に流れる「情報の質」が変化したことに気づいていた。
システムが提示するステータス画面。そこには、全生命が到達しうる限界値としての「100%」という数字が刻まれている。
「……凪。システムっていうのは、つくづくケチだな」
「零……? 何を言っているの。100%は『完璧』という意味よ。それ以上なんて、論理的に存在し得ないわ」
凪の解析スキルは、依然として「世界のルール」に従っていた。
だが、零は笑う。
彼は、画面の向こう側の**あなた(観測者)**が、もっと先を、もっと大きな破滅を、もっと深い渇望を「期待」していることを知っている。
「論理だと? そんなものは、この世界を管理しやすくするための『檻』だ」
零が指をパチンと鳴らす。
その瞬間、彼のステータス画面の右端、パーセンテージの末尾に、強引に「0」が一つ書き加えられた。
::: STATUS OVERFLOW :::
[ CURRENT POWER LEVEL : 100.0% ]
[ OVERRIDE DETECTED... ]
[ NEW STATUS : 1000.0% ]
::::::::::::::::::::::::
「……足りない。もっとだ。この世界にある全てのデータ、全ての歴史、全ての『もしも』を俺に寄越せ」




