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ご無沙汰しております。

意地でもエタりません。

まぁ、もう数話でおわりますがw

 数日かけてダンジョン第一層へと到達した。

 斥候に送った子蜂たちによると出入口には門番らしき者が見張りをしているとのことだった。

 階層を登ってくる間、他の冒険者とは遭遇していないので、もしかしたら侵攻前に規制をかけてるのかもしれない。や、知らんけど。

 しかし、勢いに流されここまで来たは良いが、この後どうすべきか。

 ダンジョンに住むモノからすれば、地上の国など不要。焼け野原にして、二度と手を出されない様に力を誇示すれば問題ないのだろうが、恐らくそんな単純な話では済まない。

 突然一国が滅べば周辺国は当然調べに動く。それがマモノの仕業だと分かれば警戒するし、場合によっては連合を組んで討伐にくるだろう。

 それは望む事では無い。多くの血が流れるし、恐らく勝てない。

 理想は共存共栄だが、無理ならば相互不可侵を約束させねばならない。

 問題は、誰に約束させるか、だが……クシフィアの話ではザーデルテ王国は文字通り王政を敷いている。筋で言えば王と話し合いすべきなのだろうが、人間社会はそんな単純ではない。世界は利害で動く。力とは武力と金に他ならない。権力など、そのおまけに過ぎない。

 つまり、王が実権を持っているとは限らないという事だ。

 実権を持つものを引っ張り出し、話し合いを持つ必要がある。


「会議をします。種族代表は集まってください」


 オレの言葉に一同は首をかしげる。

 

「勢いでここまで来ましたが、今後どうするかを話し合いたいと思います」


「話すも何も……地上に出て、人間を一掃すれば良いであろう?」


 相変わらずがっちりホールドしたまま、メリアス代表のイオニクリサが口にする。


「ダメです。ゾーイさんの力でザーデルテ王国を壊滅させるのは可能かもしれませんが、国はザーデルテ王国だけではありません。突然一国滅ぼぜる様な脅威が生まれれば周辺国は警戒するでしょう。討伐と称して侵攻してくるかもしれません。そうなれば、例えゾーイさんの力が圧倒的でも勝ち目はありません」


 オレの言葉に一同がシーンとなる。

 だが、なんか期待してたのとは違う空気感。

 どちらかと言うと、オレの言ってる事が間違ってる的な……


「当分さんが居れば、余裕で勝てますよ?」


「はい?」


「私は当分さんがいれば、無敵です。今でも他のドラケリアを圧倒してますし。と言いますか、私ほど魔力の充実したドラケリアは存在しません。全て当分さんのおかげですね」

 

 とにっこり微笑むゾーイさん。


「あ、いや、しかし、一国が来るだけじゃないと思いますよ? ずっと戦争とかめんどくさくありません?」

 

 いかん、このままだと脳筋路線一直線になりかねん。


「人間の軍隊なんか、私のブレスで一発です。魔力切れの心配もありませんし」

 

「まぁ、仮にゾーイ一人で手こずるようなら、他所からドラケリアを連れてくれば良いじゃろう。当分殿がおれば、今の場所よりよほど快適じゃろうて」


 とアラフネのクラティア。

 しかし、その言葉にゾーイさんがムッとする。


「私一人で問題ありません。クラティアさんはこれ以上当分さんの負担を増やしたいのですか?」


 オレの負担?


「むぅ……確かに、お主の様に魔力だけなら問題無いが、番いたいと言い出したら厄介か」


 あ、そういうこと。夜のお供は嫌では無いが、確かに、イオニクリサとクラティアだけで結構大変だ。これ以上増えたら腎虚になりかねん。

 しかし、そういう話では無いのだが……いや、そういう話なのか?

 オレにとって見知らぬ人間よりイオニクリサやクラティアの方が大事なのは間違いない。そもそもオレにこの世界の人間を気遣う理由が無い。力で圧倒した方が話が早いのでは?

 いやいや待て待て、短絡はいかん。やるなら人間種が絶滅するまでとことんやる必要がある。中途半端は禍根を残す。それはいずれ帰って来てめんどくさい事態を引き起こす。だが、種族の族滅は容易いことでは無い。オレの人生、一生人間狩りと言うのは御免被る。字面も悪いし。


「あ~~~……人間は滅ぼしません。極力敵対も避けます。要はダンジョンに攻め込ませなければ良いだけです」


「どうやって?」

 

 とトリトネリアのビザリニルト。


「地上に出たらゾーイさんに元の姿に戻って貰いましょう。そしてダンジョンの出入り口を塞ぎます」


「攻撃されるのでは?」


「攻撃されて問題ありますか?」

 

 ゾーイさんに聞いてみる。


「私は別に……人間の攻撃が私に通るとも思えませんし、仮に怪我したとしても当分さんが居れば問題無いでしょう? まぁ、それ以前に今の魔力量なら障壁も貼れますし、人間は私たちに指一本触れることは叶わないでしょう」


「なるほど。して、ダンジョンを塞いだその後は?」


「そこで待機して、話の出来る人間が来るのを待ちます」


 オレの返答にビザリニルトがけげんな表情をする。


「待つだけ、ですか?」


「はい、待つだけです。そもそも、ザーデルテ王国がダンジョン侵攻したのは資源が目的のはずです。そこを塞がれては資源が手に入りません。恐らく人を送って来るでしょう」


「そんなに上手く行くかのう?」


「最初は討伐隊を送って来るでしょう。そいつらを蹴散らしてから伝令にすれば良いかと思います」


「クシフィアと同じようにするのだな?」


「はい、クシフィアさんが無事に戻れていれば、メリアスの様な上級種がコミュニケーション可能なことは伝わっているはずです。何らかの対話を求めて来るでしょう。そしたら不可侵条約を結べば良いだけです」


「それでダメな時は?」


「そしたら物理的にダンジョン出入口を封鎖すれば良いのでは?」


「それは難しいですね。生物の往来の無いダンジョンは瘦せ衰えます。私は当分さんが居れば問題ありませんが、メリアスやアラフネ、トリトネリアの生活圏が崩壊しますよ?」


 あ~~……以前話したダンジョンが魔法生物とか言う話か。


「それなら、別の場所に出入口を作るのはどうかの?」


「だとしても、そこから人間が入ってきます。いたちごっこですよ?」


「では第一層に我らが住めば問題無いな。我らが蹴散らせば良い。ゾーイも当分殿がおれば、最下層に拘る必要もあるまい?」


「それなら確かに……なら出入口は封鎖しないでも同じですね。入ってきたものには容赦無いことを示せば、いずれ人間も適応するでしょう」


「では、計画を纏めます。まずは地上でゾーイさんの人化を解き存在をアピール。攻撃されたらとっ捕まえて伝令にし、話し合い出来る相手が来るまで待機。この方向で行きましょう」


 と言うことになった。

 上手く行くかは神の味噌汁。

 出来れば取引できるような関係になれたら良いと思います。


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