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辺境でのんびり契約親子ライフ  作者: ユキノリク


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39/39

39.『辺境伯』と『今年最後の日』②

お読みいただき、有難うございます。

ブクマ、評価、リアクション、感謝ですm(_ _)m


今回の『文字数(空白・改行含まない)』は約三千九百



*下ネタ、入りますw

*最後、パパ(アレクセイ)視点(三人称?)あります。



 夕食を終え、まったりしてからお風呂だ。


 辺境伯に抱えられて寝室へ行くと、お風呂の準備をする。

 クローゼット内にある引き出しからパジャマと下着を。おもちゃ箱(お風呂セット)からアヒルさん一家と浮かぶボールを数個洗面器に入れて、その上に着替えを置いてクローゼットから出る。


 シャツのボタンを袖から外し――ている時に、はたと気づく。


 あれ? 私、お風呂、辺境伯と入るの……?



 子供である私一人でお風呂には入らないように言われている。危ないからだ。

 だからいつもはメイドさんに手伝ってもらって入っているが、そのメイドさんは年末年始のお休みで今は実家。他の使用人も年末年始の休暇で居ない。


 今、辺境伯邸(ここ)に居る大人は――辺境伯だけだ。


 ……辺境伯に洗ってもらうの……? え? まじ??


「なんだ。まだ脱いでないのか?」

「……ぉぅ、まじか」

「は?」

「……ぬぐよー」


 まじかぁ……。




 「風呂のお湯、止めといてくれ」と辺境伯に言われ、お風呂セットを抱えた私は「はーい」と元気よく返事をして、下着姿でお風呂場へ向かう。


 脱衣所でポイポイ下着を脱ぎ、洗濯カゴにシュー!

 お風呂場に入り、浴槽に付いている魔道具の『お湯』ボタンを押すと、出ていたお湯が止まる。

 浴槽の淵にアヒルさん一家と浮かぶボールを並べ……


「風邪引くぞ?」

「……ぉぅ」


 声の方に顔を向けると、辺境伯がこっちにくるところだ――当たり前だが裸である。


 宇宙猫がこんにちは。


 思わず自分の股に視線がいく。



 …………ちんまい。



 ……いや、当たり前なんだけど! 当たり前なんだけど、さぁ! 大人と子供だから、違うのは、分かるけどさぁ!



 辺境伯の辺境伯が大きすぎな件。



 思わず比べちゃうじゃん!! ――だって……男の子だもん!


「…………」


 『雷帝』の雷帝より大きい。やはり身長と体格……?


「レック……? どうした」

「……おーきくなるかなぁ……」

「……は?」




 かけ湯をして浴槽へ――持ち上げられ……一緒にイーン!


 おやや? お湯の量が半身浴並み――私には丁度良いけど……。

 疑問に思っていると辺境伯が、持っていた白い瓶の中身を浴槽にジャっと入れた。


「なぁに? それー」

「見てろ」


 言うと、辺境伯がお風呂にシャワーのお湯を出した。すると、浴槽のお湯が段々モコモコ泡立ちだし――


「わっ! あわ! もこもこ!」

「泡風呂用の入浴剤だ」

「わぁ〜。アワアワだ〜!」


 まさか異世界で泡風呂体験をすることになろうとは……。


 年甲斐もなく、はしゃいでしまった……! ――いや、肉体年齢五歳ですけど……!

 う~む……。引っ張られるなぁ……。



 泡風呂とアヒルさんに夢中になっている間に、頭と体を洗われました。


 い、いつのまに?!



 お風呂から上がり、再び暖炉のある部屋へ。


 暖炉の前を陣取るのはサーベルタイガーの幼獣だ。

 どうやら暖炉の温かさが気に入ったようで、暖炉を使うようになってから、朝と夜は、ずっとここでゴロゴロしている。


 野生よ……どこにいった……。



 パジャマに着替えた私は、ソファーに座る辺境伯の膝の上で絵本を読んでもらっている。


 読んでもらっているのは、“小さなネズミ『タント』”のシリーズ物だ。

 色んな国に行って、そこで起きた大小様々な出来事を面白おかしく描いている。


 今日の絵本は“小さなネズミ『タント』と氷のお城”――雪国のお話かな?



◊ ◊ ◊


白い冷たいモノがちらちら。

あたらしい国にやってきたタント。

白い冷たいモノは雪です。

あたたかな国で生まれたタントは、雪をはじめてみました。


 『わっ! つめたい!』

 『これが“雪”なのか〜。はじめてみた!』


◊ ◊ ◊



 足元の雪を触るタントの絵を見て思い出した。


「そーいえばタントって、おはながいっぱいのくにの、うまれなんだっけ」

「あぁ、『はじまりの春の国』な」


 一番最初に読んでもらったやつが“小さなネズミ『タント』と、はじまりの春の国”ってやつで、そこから物語がはじまる。

 今読んでもらっているのが四冊目だ。



◊ ◊ ◊


タントはうしろをふりかえります。

自分のうしろに、ちょこちょこっと小さな“あしあと”がたくさん!


 『わぁ〜 スタンプみたいだ。おもしろ〜い!』


タントはおもしろくなって、走りまわります。


大きなたてもののカゲからカゲへ。

大きな“人”に見つからないよう、気をつけながら、ちょこちょこ、ちょこちょこ、進みます。


しだいに風がつよくなり……とばされそう!

大きなたてもののカゲにかくれて、一休み。


木の実の国で見つけた“クルミ”をカリカリ。

かたいカラをカリカリカリ。

中からでてきた、やわらかい実をモグモグ。


 『ふう…。ココは風がつよいから、たいへんだなぁ…』

 『どこか、ゆっくりできるトコロはないのかなぁ?』


カゲからこっそり、そっと見ます。

ここは大きな“人”がたくさん。


バタバタ、ドタドタ、カラカラカラ〜。


ゆっくりできません。


カゲにもどり、白いきれいな雪をなめて、すいぶんほきゅう。

立ち上がったタントは、次のたてもののカゲへむかいます。


ちょこちょこ、ちょこちょこ。


 『わわっ!』


フブキにとばされそうになりながらも、タントは前へ進みます。


◊ ◊ ◊



「――『ドン!』『“うわっ!”』『フブキで前が見えなかったタントが何かにぶつかってしまいました。』」

「わ! タント、だいじょーぶ?」


 黒い壁にぶつかって星が出たタントの絵に、思わず声が出た。

 そんな私の反応に、ククッと辺境伯が笑う。


 ムッとした私は絵本から顔を上げ、辺境伯を見て、ふと思い出した。


「そーいえば……なんで、はなび、あげるの?」

「花火?」

「きょー、はなび、あがるって」

「あぁ――新年になる祝いだな」

「おゆわい……」


 う〜ん、これは……除夜の鐘、的な? そしてカウントダウン的な?


「どこから、あげるの?」

「教会が――塀の外だな」

「……そと……」


 教会かぁ……――除夜の鐘的な要素があるな、これ。


 それにしても、“塀の外”とは……


「おひるから、ゆき、ふってるよね……? ――“ゆきかき”……したのかなぁ……」

「……だろーな」


 花火が上がる(・・・・・・)って言うんだから、打ち上げ花火だよね。


 塀の外とは、街の外のことだ。

 除雪……大変だろうなぁ……。どのぐらいの規模なんだろ……。遠い目しちゃうね。


 見知らぬ教会関係者に合掌。

 お疲れ様です。雪の中、頑張ってください。遠くから楽しみにしてます……!



 ふわぁ……ふぅ。

 絵本に向いていた集中力が切れたからか、急に眠くなってきた。


「少し寝ろ」

「う〜……そーするぅ……ふわぁ……」


 花火の時間まで仮眠に入りま〜す。おやすみ〜。



◇◇



 自身の膝の上ですーすー寝出したアレックスを横抱きにし、頭から頬にかけ一撫ですると、アレクセイは読み聞かせていた絵本を閉じ、サイドテーブルへ置いた。


 膝掛け代わりにしていたタオルケットをアレックスにかけ直すと、そのまま抱きしめる。



 新年の花火を知らない――その事実にアレクセイは衝撃を受けた。


 この日ばかりは、子供でも夜更かしが許される。

 教会は世界共通だから、隣国(彼の国)でも新年のお祝いに花火を上げているはず――なのに、アレックスはその存在を知らないようだった。


 今までも、知っているはずのことを知らない様子だから、新年の花火を知らないのも当然といえば当然なのかもしれないが……。



幼いから、起こさずに寝かせていただけか……?



 アレックスの話に出てくる乳母は、少々(少々?)規格外なところが見受けられるが、アレックスのことを考えている節もある――と、アレクセイは思っている。

 気を利かせて起こさなかった、のかもしれない――まだ五歳だし。



それでも――



 腕を緩めたアレクセイは、アレックスの顔を見る。


 穏やかな寝顔に胸が締めつけられ、堪らなくなる。



 本来なら、両親と共に見る花火。

 新しい年はあーしよう、こーしようと花火を見ながら語らうのだ――父母で。


 生活環境に恵まれていなかったアレクセイでも、幼い頃には両親と花火を見たことがある。


 それをアレックスは過去四年――年齢的に三歳までは無理だとしても、出来ていない。



――『神の愛し子』なのに。



 隣国(彼の国)でなければ、両親はおろか、臣民にも愛され、敬られるのに。


 隣国(彼の国)に生まれたせいで、敬られず、蔑まれ、寂しい思い、貧しい思いをしていた――第一王子(王族)なのに、だ。



どうして、あの国は……!



 怒りがわく。


 やっと大人を頼るようになった。

 子供らしく笑い、子供らしいワガママを言い、突拍子のない行動をする。


 普通の子供よりも、自分の置かれている状況を理解している分、迷惑をかけないようにしている。

 それでも辺境伯領に来た当初に比べれば、アレックスはワガママを言うようになったし、大人を頼るし、甘えるようにもなった。


 抱っこも、当たり前のように大人しく、受け入れるようになった。



 本来なら親にすること、してもらうこと、与えられる愛情を。

 赤の他人であるアレクセイやハルバード辺境伯家の使用人たちから与えられ、アレックスは成長している。


 その現実に、やるせない気持ちになるアレクセイだが、隣国(彼の国)だったからこそ、アレックスに早く出会えたのだと。ポジティブに考えることにした。


 腹立たしいこと、この上ないが。




「おいおい、幼獣」


 アレックスの『従魔』であるサーベルタイガーの幼獣『大河』が暖炉前から移動し、アレクセイの膝にヒョイと上がると、寝ているアレックスとアレクセイの間に割り込もうとする。


「アレックスを起こすな」


 ふみふみ、もぞもぞする大河にアレクセイが声をかけると『……分かってる』と言うかのように不機嫌な声で「……ウニャ」と鳴いた。


「デカいんだよ、お前……」


 はぁ……と溜息を吐いたアレクセイは、寝る位置が決まり大人しくなった大河にも掛かるよう、タオルケットを再びかけ直した。



◇◇



区切ったはいいけど、短くなったから『お風呂』と『絵本』のシーンを加筆――したら、長くなったのだが……σ(Ο∀Ο;)アリェ〜?

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