33.『手紙魔法』改め
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ブクマ、評価、リアクション、感謝ですm(_ _)m
安定の四千字超え……orz
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昼食の後、子供部屋に移動した私と『蒼焔の魔術師』さんは、部屋の真ん中に用意してもらったテーブルで、私が出した手紙について話をはじめた。
①手紙魔法、または伝書魔法はあるのか。この場合、魔法で手紙のやり取りをすることがあるのか?
「まず、手紙に書いてあった“手紙魔法”と“伝書魔法”だけど――私も知らないわねぇ」
「やっぱりかー」
『魔法書』に載ってないんだから、そうだよね……。
分かっていたことだけど、そう言われると、やっぱり残念な気持ちになる。
「魔法で“手紙のやり取りをしよう”なんて、考えたことないしねぇ……。だから、手紙を蝶や鳥に変えてみようとか、考えたこともないわ……」
「……だよね〜」
アンサー:知らない。考えたこともない。
②手紙を蝶々や鳥に変化させる魔法はあるのか。①のことを踏まえて。
「――【変化】があるから、手紙を別の物に変えることは出来るけど……。その後は【変化】させた手紙を、目的地へ飛ばす“別の魔法”を付与しないといけないと思うのよねぇ……」
「……ちょっと“てま”がかかるね……」
「そうねぇ……」
手紙に【変化】をかける→【変化】した手紙に『目的地』『受取人』を“認識させる魔法”をかける→手紙を“目的地に飛ばす魔法”をかける
――“届いたか判る魔法”もあるといいかも? 地球で云う追跡番号的な。
これに『手紙を書く』も入って――――思った以上に工程が多いぞぉ……?
面倒じゃなかったら、そりゃ皆、やってるよねー。うむむ……。
「……ミッチーが、てがみをはこぶ、ってことは……?」
「出来なくはないでしょうけど……やったことは無いわねぇ……物を持ってもらうとか、採ってきてもらったことはあるけど」
「……そっかー……」
持ってもらう、採ってもらうことって出来るんだ……。あの細長い手で……? ……手?
――そういえば虫って、細かい毛が生えてるんだっけ? ……それがスベリ止めになって、持てるのかな?
アンサー:一応、【変化】で手紙を別の物に変えることは出来る。
目的地へ飛ばす別の魔法を付与しないといけない(多分)
『使い魔』の巨大ミツバチ『ミッチー』に手紙を運ばせることはない。しようと思ったこともない。
物は持てる。採ってこれる。
③魔法書の有無。
「魔法書だけど――面白い魔法が載ってるマニアックな物はあるわよ!」
「ほんと?!」
「ただ……それに手紙魔法とか伝書魔法が載っているかは分からないわね……」
「あ〜……。けど、それはそれで、みたい!」
「じゃあ、手配するわね~」
「うん!」
ホントにあった! 『奇想天外! オモシロ魔法!』――そんなタイトルじゃないと思うけど!
読めるの、楽しみ〜♪
アンサー:分からない。だけど、面白い魔法が載った魔法書は――――ある!
魔術師さんに出した手紙の下書きを書いたノートを開き、✕や◯をつける。
う~む、芳しくない……。
テーブルに肘をついてゲ◯ドウポーズをとり、足を前後にプラプラする。
「でも、よく思いついたわね?」
「……ここからおーとまで、がんばっても“はんつき”は、かかっちゃうから……」
未確認大型魔獣(複数体)討伐のため、『魔の森』に行っていた辺境伯と手紙のやり取りを“パパッとやりたい”と思ったことは内緒だ。
……また揶揄われちゃう……。
「……ギルドを使っても、早くて一週間だものねぇ……――常に『運び屋』が居るわけじゃないし……」
『運び屋』とは、【瞬間移動】が使えて、配達を請け負っている人の名称だ。
まず、【瞬間移動】が使える人の数が少ない。その上、配達を専業にしている冒険者は居ないから、常に『冒険者ギルド』に居るわけじゃない。
時間がある時に『運び屋』をしてもらっているのだ。
因みに。私も何度か『運び屋』をしたことがある。
ドドンと中々の数の手紙を渡され、「これは何処其処の某さん、こっちは何処此処の某さん、これは〜」って。
(目を白黒させるとは、このことか……)って、遠い目しちゃったね……。
どこもかしこも人手不足で、王宮の『運び屋』さんは、真面目仕事人間も裸足で逃げ出す忙しさ――だとか、なんだとか……って噂を聞いた。……こわいね。
……報酬は良いらしいよ?
「手紙なんて、何日もかかって届くものだって思ってたけど……たしかに、緊急な物は直ぐに届けたいし届いてほしいものねぇ……」
「……パパも、いつも“じごほーこく”だって、いってた」
テーブルに片肘をつき、頬杖をついた魔術師さんが「そうなるわよねぇ……」と遠い目をした。
わかる。私も、(あー……ね)って遠い目になったもん。……今も言ってて、そうなってると思う。
「けど、もし手紙魔法があったら、ギルドも『運び屋』として何日も人手を割かなくていいし、パッ! と送れるわけでしょ? ――冒険者の方も、あっちこっち目まぐるしく飛び回らなくていいわけだし……便利だわ〜!
付き合いたてのカップルなんて、毎日やり取りしそうよね〜、ふふ」
……飛び回らなくていいってことは、魔術師さんも『運び屋』経験者……?
毎日やり取り――地球で云うところの、“メッセージのやり取り”みたいなものになりそう……。
最初はいいけど、時間が経ったら……いや、なんでもない。
「――さて。レックスちゃんが思い描く“手紙魔法”って、どういうモノかしら?」
「うーんとねぇ……」
最初は、手紙を蝶々や小鳥にして届けたかったんだけど、難しいかな? って。
近場ならまだしも、遠くとなると、蝶々や小鳥を餌にする生き物に襲われる可能性があることに気づいた――――遅い……!
だから手紙をそのまま目的地に飛ばせたらなぁ……って――と、話す。
最初に思いついたやつは、工程が多すぎる!
私は! 異世界モノで見たようなのが! やりたいの!
『これを、ローゼにとどけてね!』『ぴぴっ!(小鳥)』(パタパタ〜)って!
……異世界モノでは、パパッとやってたんだけどなぁ……。無情だ。ガクッ。
「……ふむ。【目印】した場所に跳ぶ【瞬間移動】みたいね。けど【瞬間移動】は使用者が実際に跳ぶから【目印】した場所に行けるわけで――手紙単体には使えない……う〜ん……【ワープ】の方、かしら?」
「【ワープ】……“まほーじん”か“まどーぐ”つかうやつ、だっけ?」
「そうよ! ただ……魔導具を使う【ワープ】は大掛りなのよねぇ……」
【ワープ】は『時空間魔法』の一つで、【瞬間移動】の上位魔法になる。
【瞬間移動】以上に使い手がいない。
そして【ワープ】は、魔法陣や魔導具に魔力を流して発動する。
詠唱すると発動、展開する他の魔法とは、ちょっと仕組みが違うのが【ワープ】だ。
…………改めて、自分の異様さを感じた。無詠唱……。
転移出来る人数は、【瞬間移動】は精々三人程度だが、【ワープ】は数万単位。その代わり、使用魔力が多くて一〜二回が限界らしい。
それで出来たのが『ワープ装置』。
ただ、設置には、お金も時間も場所もかかる大規模事業――どちらも大変である。
「う〜ん……まほーじんかいて……いや、ませきにほるほー、かな?」
ノートに“魔法陣を描く”、“魔石に魔法陣を彫る”と書いていく。
あとは……“魔導具”かな? 魔道具化できれば……
「『ワープ装置』の小型版! そうね! 手紙はペラいし……ちょっとした贈り物が送れるぐらいなら、わざわざあんな大掛りなモノは用意しなくていいし、魔力の補充量も少なくて済む……!」
「おう?」
「対にして……対になってる方に届くように……」
私の発言で、魔術師さんの頭の中が魔導具師仕様になっちゃった模様……。
筆記用具を【収納】から取り出して、ブツブツ言いながらガリガリ書き出した。
……中身が変わっちゃったみたい……。
お行儀が悪いけど、靴をポポイ! と脱いで、椅子に上がってテーブルに膝と手をつく。前のめりになって、そ〜っと魔術師さんのノートを覗き込む。
……何を書いてるのか、さっぱり分からん。辛うじて分かるのは絵――設計図っぽいやつだけだ。
それも大雑把で、辛うじて『ワープ装置』かな? って思える絵――――『ワープ装置』見たこと無いから判らないけど。
諦めて靴を回収しに下り、靴を履いて椅子に座り直す。
魔術師さんが思いついたことを書き終わるまで、付与無しのただの魔石を作ることにしよっと。
【ワープ】の魔法陣を描いて、その上に手紙を置くから……いつもの丸っぽかったり、ゴツゴツした魔石じゃなくて、長方形の板状にした方がいいよね。
厚さも、そこそこあった方がいいかな?
う〜ん……三センチ? 厚すぎるか。
二センチ……? ……一センチは薄そう……。
封筒ぐらいの長さがあった方がいいかな? ――これは魔術師さんと相談かな。
まあ、今日だけで作るつもりはないから、いっかー。ゆっくり作ろっと!
◆
その後、術式構築に着手しそうになった魔術師さんを止めた。老執事が。
私も魔石の方に集中しちゃってたから、老執事が来たことに気づかなかった。てへへ……。
三時のおやつで〜す!
「ごめんなさいね〜。集中しちゃうと、つい……」
「しゅーちゅーしちゃうと、じかん、わすれちゃうよねー」
「「あははー」」と、クッキーを食べながら二人で笑う。
老執事やメイドさんが呆れた顔しちゃってるけど――――すまん……。
◆
夕方、仕事を終えた辺境伯に回収され、夕食――魔術師さんも一緒だ。
そして、魔術師さんが暫く辺境伯邸に滞在することになった。
『手紙魔法』改め『小型ワープ装置』が完成するまで滞在すると知り、辺境伯が「うげ……」って嫌そうな顔をして、声にも出してた。プププ。
魔術師さん曰く「レックスちゃんの魔石が無いと始まらないし、いちいち行ったり来たりするのもねぇ……」とのこと。
ホント、辺境伯、嫌そうな顔するなぁ……。
長方形の板状にした魔石は透明度を高く、ゆっくりじっくり作りたいから、ちょっと時間がかかると思うんだよね。二枚で一個だし。
魔術師さんが帰った後に魔石の完成を記した手紙を出しても、魔術師さんが術式構築に集中してたら手紙に気づかないし……――【瞬間移動】だから、来るのは一瞬だけどね。
なので、滞在だ。
私が魔石に心血注いでる間、魔術師さんは魔法陣と術式をどういう風に組み合わせるか、を考えるようだ。
昼の、ちょっとの時間で、すでに何パターンか書いてたっぽいのに――――まだあるの……?
どうなってるんだ? 魔術師さんの頭の中……。
夕食の後、直ぐに客室へ向かおうとする魔術師さんは、案内するメイドさんに「朝食は要らないわ。あと、起こしに来なくてもいいから――多分、徹夜してるから」って言っていた。
寝よ……? ちゃんと、寝よ? そして、ゴハン、ちゃんと食べよ?? 作業効率の低下につながっちゃうよ?
やっと終わ…………らなかったーΣ(゜∀゜ノ)ノキャー
会話も地の文も……なんか詰ってますねぇ……(遠い目&白目)
グダクダ&ダラダラで申し訳ない……
『遠乗り編』も長かったのに『手紙魔法編』も長く……orz
多分、次話で『手紙魔法(?)編』終わ……るかなぁ……
﹏φ(ŏ﹏ŏ;)うぐぐ…




