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ダメ女神からゴブリンを駆除しろと命令されて異世界に転移させられたアラサーなオレ、がんばって生きていく!  作者: タカハシあん
第13章

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586 メー&ルー

 二人の名前はメーとルーだそうだ。


 孤児だからってもうちょっと名前を考えてあげようよ。あだ名じゃないんだからさ~。


「この体だからね、孤児としてお恵みをもらうしかできないのよ」


「たまに大金くれる奇特なヤツがいるから止められないよ」


 なるほど。十五歳でなければここまで悪辣になれないな。


「……タカトさんをバカにするなら許さないわよ……」


 ミリエルから凄まじいまでの小宇宙的な殺気が放たれた。


 二人に向けられているのにオレまで股間がキュッとする。ミ、ミリエルさん、落ち着いて……。


「バ、バカにはしてないよ。奇特な人がいるからあたしらは生きていられるんだからね。感謝はしているさ」


「そうだよ。気を悪くさせたら謝るよ」


 ミリエルの殺気で謝ったとかではなく、元々そんなに悪い性格じゃないみたいだな。


「次はないわよ」


 ここで落ち着けと言えないオレ。チキンである。


「話を戻すわ。あなたたち、ゴブリン駆除ギルド、セフティーブレットのことは耳にしているかしら?」


「あ、ああ。ウワサだけなら」


「タカトさんはセフティーブレットのギルドマスターよ。わたしは補佐のミリエルよ」


 オレ的にはサブマスターと思っているがな。


「先ほども言ったけど、あなたたち、セフティーブレットに入らない? 入るなら衣食住はこちらで用意するし、仕事も与える。もちろん、報酬は払うわ」


「こんなあたしらをかい?」


「見た目は関係ないわ。セフティーブレットは能力を大事にするギルドだからね。わたしもタカトさんに誘われたとき、両脚はなかった。回復魔法を買われて仲間にしてもらったわ」


「両脚がないって、どういうことさ?」


「文字通り、両脚がなかったのよ。戦争で両脚を奪われ、石を投げられ、泥水を啜りながら生きてきたわ。そんなとき、タカトさんがわたしの前に現れてくれ、温かい家を与えてくれたばかりか両脚を回復してくれ、居場所を与えてくれたわ。返し切れない恩がある。けど、タカトさんはなにも受け取ってくれない。毎日与えてくれるばかりだわ」


 オレとしてはたくさん受け取っているんだけどな~。


「わたしは、タカトさんを支える。些細な問題はわたしが受け持つ。セフティーブレットの人材不足を解消するために動くわ。あなたたちにやる気があるならセフティーブレットで受け入れるわ。どう? セフティーブレットにこない?」


 ミリエルに圧倒されて口を挟むことができない。


「いくらくれるの?」


「一日大銅貨一枚。だけど、セフティーブレットの一員になれば別の報酬を得られるわ。わたしたちの格好を見ればわかるでしょう? 金貨を何枚出してもわたしたちが着ているものは買えないわ」


 二人が目で語り合い、うんと頷いた。


「「入るよ」」


「では、メーとルー。今からあなたたちはセフティーブレットの一員よ。これに名前を告げて」


 ミリエルが請負員カードを発行して二人に渡した。


 そういや、駆除員なら請負員カードが発行できるんだったな。これって、シエイラもできるのかな? あとで確かめてみよう。

 

 二人が名前を告げて請負員となった。


「タカトさん。二人を身受けしてきます。今日はリハルの町でゆっくりしててください。外に出るときは必ずイチゴを連れてってくださいね」


 子供じゃないんだから、と言えないオレ。何度も生死に関わるトラブルに遭遇してますもんね。ハイと素直に返事しておきました。


 三人が去っていき、オレだけが残されました。


「……ホームに入るか……」


 ミリエルの言葉に従いイチゴを出そうとしたらイチゴがホームにいなかった。ミサロかラダリオンが出したのか?


「──あ、タカト。ちょうどよかった。巨人になれる指輪を貸して。街の巨人がきたのよ」


 ガレージで考えていたらミサロが入ってきてそんなことを言った。


「オレもいこうか?」


「大丈夫よ。ラダリオンもいるしね。ほとんどが女性だからわたしたちでやるわ」


 ハイと巨人になれる指輪を渡した。確かにオレじゃどうしようもないんでね。


「そっちは大丈夫なの?」


「ああ。新たに請負員を引き入れてミリエルに任せた。オレはリハルの町で待機しているよ」


「そう。また変なことに巻き込まれないでね」


「……それは約束できないな。もう、変なことに巻き込まれたもんだしな……」


 八歳の姿をした十五歳の双子を請負員にするとか、変なことに巻き込まれたようなもんだろう。これが日常ならオレの人生、波乱万丈すぎるわ。いや、波乱万丈な人生でしたよ!


「そ、そう。まあ、命に関わるようなことじゃなければ大丈夫でしょう」


 なに一つ大丈夫じゃなかったけどな。回復薬でストレスは解消されないんだよ。


「……今日は酒でも飲んでいるよ……」


 酒だけがストレスを緩和してくれる。今日は久しぶりに麦焼酎でも飲もおうっと。


「飲みすぎないでよ」


「誠意努力します」


 いつか飲もうと買っていた吉四六きっちょむを持って外に出た。


「さて。どこで飲むかな?」


 まだ午前中だから酒場もやってないだろうし、宿でも借りようかな?


 なんて考えていたら周辺が騒がしくなった。


 なんだ? と通りに出てみると、昨日の狩人の巨人がいた。


「……また変なことに巻き込まれるのかな……?」


 そうじゃないことを願うばかりである。

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