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ダメ女神からゴブリンを駆除しろと命令されて異世界に転移させられたアラサーなオレ、がんばって生きていく!  作者: タカハシあん
第12章

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564 マイスター

 ラダリオンとアルズライズがミランド砦から戻ってきたので、配置転換をすることにした。


 ミリエルをライダンド伯爵領に寄越して、ラダリオンにミランド砦をお願いすることにした。


 アルズライズは館で休むそうだ。と言うか、完全にセフティーブレットの一員として身を置くことにしたそうだ。グロゴールを倒して人生の目標を果たして、次の人生をゴブリン駆除に費やすそうだ。


 まったく、なにも自ら人生を捨てることもないだろうに。死んだ嫁や子供のことを忘れろとは言わんが、新しい家庭を築くのもいいと思う。まだ三十五歳。その倍は生きそうなんだから新たな家庭を作れるはずだ。


 まあ、アルズライズの人生だ。好きにしたらいい。オレとしてもセフティーブレットに入ってくれたら助かるからな。


 ダストシュート移動でラダリオンをミランド砦に。オレはミリエルを宿の部屋に移動させ、オレも出た。


 部屋には誰もおらず、外から気配を感じた。顔を洗いにいっているのかな?


 ミリエルには商業区広場に向かってもらい、パイオニア五号を出してもらうようお願いした。


 気配を探って向かうと、皆が水浴びをしていた。


「寒くないのか?」


 もう春とは言え、まだ十五度あるかないかの気温だ。水を被るのは辛いだろうよ。


「いや~。いろいろ落とさないといけませんから」


 なにを? と訊くのは野暮だろう。この世界のムフフな施設に興味もないしな。


「じゃあ、十時に商業区広場で落ち合うとしよう」


 この辺では時間の概念がざっくりで感覚で行動している。午前中にいけば問題あるまいて。


「わかりました。すみません」


「構わないよ」


 そう言って宿を出た。


 城壁の中は人の往来はそんなになく、なんだか露店も少ないような気がする。前は結構出てたのに、時期的な問題なんだろうか?


 オートマップを持ちながら歩いていると、小箱を抱えた徴税人らしき子供たちが駆け抜けていった。


「どこにでもいるもんだ」


 ゴブリンと比べるのはなんだが、徴税人もどこの町にもいて強かに生きているよな。社会福祉って偉大な制度だったんだな~って思うよ。


 どこかにカモでもいるのか、オレの前に立ちはだかることはなかった。


 求められたら断れないが、通りすぎるくらいなら気にもならない。転ばないようにしろよ~と見送った。


 が、カモになっていたのはミリエルだった。


 八人くらいの徴税人たちに囲まれ、お恵みをお恵みをと叫ばれていた。もはや恐喝の域だな。


「ほら、恵みをやるぞ」


 そう言うと、徴税人たちが光の速さで振り返り、お恵みをお恵みをと叫んで集まってきた。


「ほら、大事に使えよ」


 一人一人の箱に銅貨一枚を入れてやると、任務完了とばかりに去っていった。


 フッ。オレは徴税人マイスター。扱いなんてお手の物よ。


「す、すみません。わたし、子供が苦手で……」


「そうなのか? マルグと仲良くしてなかったっけ?」


 そういや、他の子供と接している姿を見たことないが。


「マルグは大きいから子供とは見えなかったので」


「まあ、マルグの場合幼さよりサイズのほうが勝るか」


 オレですら年齢よりそのサイズに引っ張られるときがある。巨人と馴染みがなければ仕方がないだろうよ。


「雷牙はどうなんだ?」


 あまり絡んでいる記憶はないな。


「雷牙は子供と言うより小さな獣って感じですね。触ると気持ちいいですけど」


 完全にペット扱いだな。


「苦手なら苦手で構わないさ。集まってきたら金なり飴なり渡して引き離せばいいさ」


 それはそれでさらに寄ってきそうだが、ダメなら逃げたらいいだけだ。


「タカトさんは子供好きなんですか?」


「別にどっちでもないな。ずっと相手しろって言われたら遠慮するけど」


 少し構うくらいならおもしろいが、一時間も二時間も相手しろって言われたら戦略的撤退をさせてもらいます。


「よかったです」


「なにが?」


「嫌われるかと思ったから……」


「苦手なものは苦手なんだから仕方がないさ。無理なら無理に克服することもないよ」


 館には結婚して子供を産んだヤツもいる。必要になったらお願いすればいいだけだ。


「──タカトさん!」


 と、ライダンドで請負員にした少年三人組がやってきた。


「久しぶりだな。見違えたよ」


 去年はまだ少年の面影があったのに、もう青年の域に入っている。まだ十六歳だってのによ。


「稼ぎがいいんで育ちました」


「ゴブリンを二百匹は倒しました!」


 口調もすっかり落ち着いちゃって。若いヤツの成長が羨ましいよ。


「タ、タカトさん、そっちの子は?」


 ミリエルに気づいたようで三人の目がそちらにいった。


「オレと同じ駆除員でミリエルだ。オレの補佐をしてもらうために連れてきたんだよ」


「ミリエルです。よろしくお願いしますね」


 挨拶すると惚けた感じになる三人組。なんだ? ミリエルにでも惚れたか? 別にライダンドにだって同年代の少女はいるだろうに。ウブなだけか?


「よ、よろしくお願いします! おれ、ライマー・ロッダーです!」


「オレはサイルスです!」


「バイス・ミレットです!」


 積極的に自己紹介をする三人組。別にウブってわけじゃなさそうだ。


 まあ、ミリエルは美少女と言っていいだろう。ホームで暮らしていて、元の世界のシャンプーやらボディーソープを使い清潔感があり、雑誌なんかを読んで美容にも心がけている。


 ちなみに、日本語を一番マスターしているのはラダリオンだ。グルメ帳なるものを毎日コツコツつけていて、檸檬って漢字をスラスラ書いていたっけ。オレは見ながらじゃないと書けんわ。


 子供は苦手だが、同年代は大丈夫なのか、笑顔を見せながら相手しているよ。


 将来、男を手玉に取る女になりそうでちょっと心配だ……。

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