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ダメ女神からゴブリンを駆除しろと命令されて異世界に転移させられたアラサーなオレ、がんばって生きていく!  作者: タカハシあん
第11章

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522 呪いの指輪

 しばらくして地下に捕らわれていたニャーダ族の面々がミリエルに連れられて出てきた。


「ご苦労さん。ミリエルに任せて正解だったな」


 オレやラダリオンじゃこうはいかない。ミリエルの人柄だからこそニャーダ族の警戒心を和らげたのだ。


「ありがとうございます」


 満面の笑みを見せるミリエル。いや、そこまで喜ばれるとこちらが気が引けるんだが……。


「ニャーダ族の様子はどうだ?」


「弱めの回復魔法をかけて、重傷者には回復薬を飲ませました」


「そっか。それはよかった。食事をさせたら身綺麗にしてくれ。オレは捕らえた者の尋問をするから。あと、あの子を頼む。襲ってきたら眠らせていいから」


 取り寄せたマットに寝かせた小さい獣人くん。今は穏やかに眠っているよ。


「わかりました。任せてください」


「ありがとな」


 ミリエルの肩を叩き、イチゴが捕らえた者らのところに向かった。


 捕らえた者らは脚の骨を折られていたり気絶させられてたりする。どうやらイチゴに捕縛術はインストールされていないようだ……。


 水を集めて気絶した者らにぶっかけてやった。


 突然のことに戸惑い、辺りを見回し、状況を理解したのが数人いた。こいつらは人攫いチーム側だな。


 そいつらをラットスタットで殴っていった。


「一度だけしか言わない。ミヒャル商会と繋がりがある者を教えろ。言わないのなら全員を殺す」


 予備のグロック17を取り寄せ、殴ったヤツの足を撃つ。さすがに頭は狙えなかったよ……。


 酸っぱいものが込み上げてくるのを無理矢理飲み込み、次々と撃っていった。


「……耳障りな悲鳴だ……」


 逆に夢に出そうだ。


「仕方がない。早い者勝ちだ。獣人を拐った者たちをしゃべるなら十名は殺さないでやる」


 仲間意識は皆無だったようで、我先にと人攫いの仲間を指差していった。


「イチゴ。早い者勝ちを十名選べ」


 オレは聖徳太子ではないので誰が早かったなんてわからねーよ。


「ラー」


 プランデットに十名の情報が送られてきた。


「約束だ。逃してやる。だが、顔は記憶した。変装しようが無駄だ。次、悪さをしたり人攫いに関わったら殺す。それを胸に刻んでおけ」


 イチゴに十名を放り投げさせ、オレは逃げるバカどもの背中に弾丸を撃ち込んでやった。


 ゴブリンも9㎜弾一発で死ぬことはなかったが、人も一発二発当たったくらいでは絶命しないんだな。


「これまで獣人の未来を奪ってきた罰だ。苦しんで死ね」


 なんて、ゴブリンを無慈悲に殺してきたヤツのセリフではないな。まあ、罪悪感がないからこれからもゴブリンは無慈悲に殺すけど。


「こ、子供は助けてください!」


「獣人たちは子供を助けてくれと言わなかったか?」


 意地の悪いことを言っているのは自覚している。だが、押し黙ったことで獣人たちは命乞いしたことは事実のようだ。


「お前らの命は獣人に委ねる」


 汚いことを押しつけるようで心苦しいが、獣人たちの恨みも晴らしてやらないと一生の恨みとなる。悪いが、こいつらの命は獣人に決めさせる。


「イチゴ。子供以外は逃げ出さないよう足を撃っておけ」


 せめてもの情けだ。子供が逃げるチャンスだけは与えてやる。将来、仇討ちにくる未来がくることを切に願うよ。


「ラー」


 アサルトライフルのマガジンを取り寄せ、地面に置いた。


 銃声と悲鳴を背にしてニャーダ族のところに戻った。


 オレが戻ると、ニャーダ族がこちらを見るが、警戒心はなくなっていた。なんで?


「……殺したんですか?」


「半分近くは生かしてある。どうするかはマーダに任せるよ。殺すなり苦しめるなり好きにしたらいいさ」


「マーダは生きているんですか!?」


 と、なんだかメビに似た女性が立ち上がった。


「二人の母親のサニーさんです」


 やはりか。じゃあ、ビシャは父親似だな。


「今からマーダを呼びにいって連れてくる。イチゴ。ミリエルの護衛を頼む」

 

 ニャーダ族の世話で周りに目を向けるのは大変だろうからな。イチゴに護衛させるとしよう。


「ラー」


 自動操作しているブラックリンを呼び寄せる。


「ミリエル。ミサロやシエイラに説明してから館から出て向かう。十時までは戻ってくるようにするが、万が一のときはラダリオンを寄越すよ」


「はい、わかりました。気をつけてくださいね」


「了ー解」


 ミリエルに笑顔を見せてホームに入った。


 玄関に現れたら長いため息を吐き、スキットルを出してウイスキーを飲み干した──が、巨人になれる指輪のせいで飲んだ気もしない。


 酒飲みエルフのために買っていた大容量の焼酎ビッグマンをガレージに置いていたのを思い出し、中央ルームにいく前に飲むことにした。


 一本四リットルなのにグビグビ飲めて、あっと言う間に飲み干してしまった。


「……ちっとも酔えねーな……」


 それでも飲まなきゃやってられないので、次のに手を伸ばして休むことなく飲み干した。


 さすがに六本も飲むと味に飽きてきた。


「……アル中になっていく過程がよくわかるな……」


 巨人になれる指輪がなかったらオレはゴブリンに殺されるより、アルコールで死んでいた可能性が高かったかもな。


「いや、アル中になることも許されないってことか」


 まったく、これじゃ呪いの指輪だよ。


 だがまあ、老衰で死ぬと決めたんだ。呪いの指輪くらいでちょうどいい。生き抜くために利用しろ、だ。


 頬を叩いて気合いを入れ、中央ルームに向かった。

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