1510 *ミシニー* 19
凄いわね~。
って感想しか出てこない。ここに住んだら外で暮らすなんてできなくなるんじゃないの?
たぶん、わたしがここに住んだらさらに体が丸くなるでしょうね。人を堕落させる場所だわ。
「ミシニーさんもマジン・ガーに乗りますか? 基本、要塞から送られる魔力で動きますが、自身の魔力でも動けます。わたしの魔力なら十分は動かせられました」
魔力か。最近、魔力が尽きるほど出してないし、いいかもしれないわね。
魔力は体力も消費する。このこびりついた肉も落ちるかもしれないわ。
「うん、乗らせてもらうわ」
やり方を教えてもらったらい、魔法陣に立ってマジン・ガーにインした。
「乗った? 憑依した? なんだろう、この感覚は?」
戸惑いはしたが、徐々に慣れていき、マジン・ガーと一体化したような感覚になった。
魔力は満タン状態なので、少し歩いてみた。
「ちょっと体が重くは感じるわね」
巨体なだけにそう機敏な動きができないのかもしれないわね。
一キロほど沖合に進むと、いきなり深さが増した。
「ミリエル。マジン・ガーって、潜っても大丈夫?」
わたしの体は要塞の指令室にあるので会話はできるそうだ。
「はい。問題ありません。ただ、魔力が切れるとマジン・ガーの強度が落ちるので注意してください。さらに魔法陣を通して自身の魔力を送れますが、送りすぎると命に関わるのでご注意ください。昔の駆除員はそれで亡くなったようです」
「命を賭して、か。タカトみたいね」
臆病で慎重なクセに、いざとなれば蛮勇に出る。駆除員はそんな性格なのかね?
「サオリさんによれば、日本人の特性みたいですよ。もちろん、すべての人が、ってわけじゃないみたいですけど」
「タカトみたいなのばっかりなら恐ろしくて堪らないね」
無害な感じを漂わせながらいざとなれば命を賭して向かってくる。そんな者がたくさんいたら恐怖でしかないわ。
「そうですね。タカトさんをなるべく追い詰めないことです」
「それには賛成だ」
タカトは、怒らせてはダメな典型例だろうよ。
「はい。ミシニーさんが側にいてくれると助かります。わたしたちはなかなか一ヶ所に集まることはできませんから」
行動範囲が広がりすぎて一ヶ所ばかりに集中してられない。それだけセフティーブレットは重要ってことなのだ。
「タカトが帰ってくるまで痩せないとね」
「ふふ。ミシニーさんも体型が気になったりするんですね」
「まあ、さすがにここまで丸くなると怖くなるよ」
その前に気づけって話なんだけど、お酒が美味しいのが悪いのよ。仕方がないのよ。
「なら、河川工事と橋の建設をお願いします。巨人は港町の復興で忙しいので」
「マジン・ガーを操りながら魔法が使えるの?」
「はい。問題なく使えます」
なんとも便利だこと。んじゃ、肉を落とすためにがんはまりますか!




