1509 *ミシニー* 18
しばらくして巨大なゴーレムがやってきた。え?
「昔の駆除員が操っていたものみたいですよ。ロンレアは外敵がやってくる場所だったみたいです」
え? ゴブリン駆除だよね? なんであんな巨大なものが必要になるのよ? それとも巨大なゴブリンがいるの?
「お待たせしました」
膝を折り、巨大な手をわたしの前に差し出した。そこに乗れと?
「あ、ありがとう」
断れる状況でもないので巨大な手のひらに乗った。
「頭に乗ってください。マジン・ガーの頭を展望台みたいにしたので」
マジン・ガー? この巨大ゴーレムの名前なの?
「随分と滑らかに動くわね」
わたしもゴーレムを創れるけど、どんな関節構造しているのかしら? 今、理屈に合わない動きをしているわよ。
疑問で憤死しそうになりながら頭の上にある展望台へと上がった。
「いい景色でしょう」
「そ、そうね。人が豆粒みたいだわ」
「そういうときは人がゴミのようだって言うんですよ」
なに、その最低なセリフは? 人として終わっているでしょう!
「そ、そうね。次はそう言わせてもらうわ。で、これでお城に向かうの?」
「はい。今、防波堤を建設しているんです」
ぼうはてい? なにそれ?
「あれです」
巨大なゴーレムの腕が伸び、沖合を差した。あーなんか道みたいなのがあるわね。あれがぼうはていなんだ。
「あれを造ると波が塞がれて港が穏やかになるんです」
「へー。そんな効果があるのね。って、巨大なゴーレム、何体いるの!?」
なんか同じのが三体いるんだけど!
「六体です。本当は七体はあったみたいですけど、戦いで壊れたみたいです」
こんなのが六体? 本当になにと戦おうとしていたのよ?
「このままお城に向かいます」
そう深くないのか、膝までしかないようね。
そう揺れることなくお城がある半島に向かい、巨大ゴーレム用の階段を上がり、待機所みたいなところに降ろされた。
「そこの扉から入ってください。階段を昇ったところにいますんで」
巨大ゴーレムが壁に背をつけると、不思議なことに壁と同化してしまった。もうなにも考えるまい……。
言われたとおり扉を開けると、倉庫のような感じで奥に階段があった。
古い造りみたいね。元からあったのかしら?
何百段と昇ると、なにやら綺麗な造りの部屋に出た。
「ミシニーさん。ここは駆除員が使っていた要塞です。セフティーホームみたいなものですね」
へー。セフティーホームね~。なかなかいいところじゃない。まあ、タカトたちがくるまで使われてないってことは、ここを使っていた駆除員は死んだってことなんでしょうけど。
「すぐに部屋を用意しますね」
「ありがとう。少し、見て回ってもいいかしら?」
セフティーホームならちょっと興味があるわ。
「はい、好きなだけ見て回ってください。お風呂や食堂もありますので」
完全にセフティーブレットの拠点になっているわね。




