1472 *ビシャ* 上
タカトがやってきて五日分の食料をホームから運び出した。
それが終わればホームを通してケーブをクーズルース・ロクアの魔力炉に繋いだ。
魔力充填まで約二日。その間に海兵隊を連れてゴブリン駆除にでかけるとする。
「まずは百キロくらい飛ぶか」
あんまり近いとこちらの進行ルートを探られる恐れがある。ゴブリンと言えども油断してはならない。人並みに知恵の回る個体がいるんだからな。
まずは、わたしが操縦して海岸線を進み、十キロ毎にの発信器を打ち込んでいき、手頃な大岩が海にそそり立っていたので、発信器を打ち込んだら内陸部に向かった。
大森林が広がっていて降りれそうな山も隙間もない。視界の先まで木の海が広がっていた。
「場所、間違えたか?」
「ねーちゃん、十一時方向。なんか光ったよ」
メビが言った十一時方向に向かうと、小さな湖があった。
一周するのに一時間もかからないんじゃないか? ってくらいの規模だ。何回か旋回して生物が生きているような様子はない。
「ゴルス。手榴弾を何個か放り投げてもらえる? 変なのがいたら嫌だからさ」
人の手が入っていないところにはなにがいるかわかったもんじゃない。しっかりと確かめておこう。
「了解」
ルースガルガンを降下させ、後部ハッチを開いた。
「手榴弾投下」
ゴルスたちが落ちない速度で上昇させて方向転回させると、湖に何本もの水柱が立った。
「お、魚が浮いてきたね」
何十匹と浮いてきたものの、それ以外の生き物は浮いてこなかった。
「大丈夫そうだね」
これなら降下で──。
「──あ、ねーちゃん待って。森からゴブリンが出てきたよ」
降下させようとしたらメビの言葉で慌てて止めた。
「うわ~。いっぱいいるね~」
腹でも減っていたのか、四方からゴブリンが出てくる出てくる。狂乱化起こしてんじゃないかって勢いだよ……。
「タカトが溢れ出す手前だって言ってたけど、まさにそのとおりみたいだね」
たまたまやってきたここだけが溢れているわけじゃなければこの広大な森のどこでも溢れているってことだ。
「ゴルス。処理肉をバラ撒いてもらえる? ゴブリンを集めたいからさ」
今なら一万匹も夢じゃない勢いだ。
「メビ。タカトからマルダード何個もらった?」
「四個はもらってきたよ」
「これなら十個くらいもらってくるんだったね」
まさかこれほどとは夢にも思わなかったよ。
「ミリエルねーちゃんみたくガソリンでも撒けばいいんじゃない? これだけ湿気っていたら広がらないでしょう」
ラダリオンねーちゃんとミリエルねーちゃんを足して半分にしたような子になってきたよね、この子は。まあ、反対はないので決行するけど。




