表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/17

17、想い続ける~華清

いい加減、こんなことじゃ麻実にケリでも入れられんじゃねーか、って、麻実が死んで1回目の3月のカレンダーを破った時に思った。



俺は、この1年かなりダセーことになっていたんだと、親父の顔を見て思った。



多分、仕事は上っ面でこなしていたと思う。


だけど。


麻実の一周忌法要の案内が、俺と親父に届いた時の親父の顔を見て、胸がズキンとした。


気づけば、親父は一回り小さくなったようで。


その松んとこからの案内を手に取り、俺を見た目は、悲しそうで。


親父にとっても、麻実は特別だったみたいだが、俺が心底アイツに惚れてんのを知っているから、アイツと別れてからの俺を・・・いや、アイツが死んでからの俺の姿を見て、たまんないんだと思った。


本当に、麻実がこの世を去ってから、俺は抜け殻だったからな。





麻実と初めて会った時。


多分その時から、俺はアイツに惹かれたんだと思う。


見た目の美しさもそうだが、表面的なアイツは上品で知的で、いかにもお嬢様然としていて。


だけど、瞳の奥にはもっと深いものがあるような気がして。


つまり、ミステリアスだった。


スゲー、麻実のこと知りたくて。


まずは、下の名前が知りたくて訊いたんだけど、名字しか言わねえ。


まあ、他の女に訊けばわかんだけど、それじゃあ意味がない。


アイツの口から教えてほしかった。


でも、しつこく聞いたら黙り込みやがった。



結局名前を知ったのは、ムカつく男の口から。



浜田ジョー。


絶対に浜田は麻実に惚れている、そう思った。


おまけに麻実と一緒に住んでると知って、嫉妬なんてもんじゃおさまらない黒い感情が噴き上がった。


あと、アイツ・・・麻実のダチっていう神崎命に対しても、嫉妬なんて可愛く思えるほどの感情が湧いた。


俺よりずっと付き合いが長いアイツら。


俺の知らない、麻実を知ってやがる。


麻実を俺の女にしてからもその感情と戦うのに苦労した。


ああ、松に対しても、そうだったな。


女なんていつも余裕で、適当に遊んで捨てていたやつが。


麻実に対しては、素で向き合っていた。


てゆうか、俺、アイツのあんな素の顔なんて、知らねーし。


ああ、ぜってー松も麻実に惚れているって、思った。


まぁ、戸田も麻実に惚れてんのはわかってたけど(笑)


だけど、松に対しては、笑えなかった。



まさか。


松に麻実を盗られるなんて、思ってもいなかった。


病弱な麻実を残しNYへ留学することに、バカな俺は不安のかけらもなかった。


麻実が俺に惚れてんのもわかっていたし。


一応プロポーズを帰ってきたらするぞ、と予告らしきものをして、指輪まで渡したんだから、麻実も安心して俺の帰りを待っているに違いないなんて、確信もあって。


とにかく、NYでのこれからの生活ばかりに気持ちがいっていて。


麻実を思いやる気持ちなんてなかった。


いや、あん時の俺は、思いやっているつもりだった。


考えたら、麻実の瞳の奥を見ようともしなかった。


麻実を手に入れるまでは、瞳の奥をのぞきたくてしかたがなかったのにな・・・。






とにかく、NYでの勉強は刺激的で、楽しかった。


今まで学んできた華道とは違い、自由な発想ができた。


華道の・・・いや、親父や先祖が引き継いできたストイックな華道とは違って、何でもアリ、自由だった。


日本同様、寄ってくる女がウザかったが、そんなのに構っちゃいられないほど、アレンジメントの世界に没頭した。


気がついたら、3ヶ月が過ぎていた。


麻実に連絡をしていないままだ。


麻実のことだ、寂しがっているだろうと少し申し訳ない気持ちになったが、こんな俺も理解してくれていて、連絡はしなくていいからって言ってくれたことを思いだした。


もう少し落ち着いたら連絡しよう、そう自分に言い訳をした。


そうこうするうちに、急にハワイ研修の話が持ち上がった。


自費なので自由参加だったが、南国の花というものにも興味が凄くあった。


というより、なんでも経験しておきたかった。


半分、観光的な感じもあったが、俺はこの研修中にハワイの花を一つでも多く学びたい一心だった。


幸い、グループを組んだ連中も志の高いやつが多く、色々なアイデアが浮かび、研修は実のあるものになっていた。


明らかに他のグループとは完成度も違い、内容の濃い実習となった。


ハワイ研修も半分を過ぎた頃、地元の花農家にグループで出向き、花を自ら選び、修了式用のグループ作品のための下準備をすることになった。


その日は朝から花農家に出かけて、戻ってきたのは午後3時を回っていた。


ハードなスケジュールだったが、出かけた先で旨いランチを食いながら、同年代のヤツらと意見しあうのは滅茶苦茶楽しくて。


皆同じ気持ちで、ランチの盛り上がったテンションのまま、宿泊しているホテルのロビーに入った。


ホテルを決めるときに、親友の松んとこのホテルに電話したら、松の親父さんが出て、割引してくれるって言うからグランドヒロセハワイに決めたんだけど。



突然、同じグループのボビーが、さっきのランチをとった店のオーナーの口まねをした。


かなり個性的なオヤジだったから、スゲー似ていて、皆爆笑した。


アレンジメントをやっている時は真剣なくせに、こういう時はコイツはひょうきんでムードメーカーだ。


俺もゲラゲラと笑っていた。




ふと。


視線を感じた。


今まで耳に入ってきていた雑音が、一気に聞こえなくなった。


え?


何でだ?




俺はアイツの名前を叫んで、慌てて走りだした。



「こんなところで、何をしてるんだっ!?」


あまりに驚いて、口調がきつくなっていた。


麻実の顔が少し、ビクついてそれに気づいた。


しまった、もっと優しく言えばよかった。


涙目になってるじゃねーか。


「あ、あのな・・・実は、パパが・・・。」


話し始めた麻実の言葉を聞いてやろうと、慌てて笑顔を作りかけたんだけど。


「KASHIN!!」


げ、バーバラだ。


アイツ、ウルセーんだよな。


ああ、これから部屋に集まって、ミーティングだもんな。


「あ・・・悪い。仲間が呼んでる。これ、課題でさ、今日中に案グループでまとめなきゃなんねーんだ。」


そういいながら、麻実の顔を見る。


だけど、その時の俺は頭の中がその案のことでいっぱいで・・・。


勝手に都合よく、麻実が親父さんと一緒にハワイに遊びに来たんだと、勘違いをした。



麻実のげっそりしてクマのできた顔にも気がつかないで・・・。




だから、帰る前に会おうと約束したのに、メッセージで『急に帰国しなくちゃいけなくなったから、会わずに帰る』というのを鵜呑みにした。




俺は、自分のことばかりで・・・思いやりのかけらもなかった・・・。







初めに変だ、と思ったのは。


帰国が決まって、一番に伝えたくて、麻実の部屋の電話にかけた国際電話。


何度かけても、現在使われていない・・・のアナウンスが繰り返される。


驚いて、戸田にかけると。


最近引っ越したという。


学校へは元気に通っているから、今度番号をきいておく、と戸田が言った。


まあ、1年も連絡をとっていないんだから、少しくらいの変化はあるだろう。


その時は、安易にそんなことを考えていた。






結局、帰国まで麻実と連絡がとれなかった。


いや、戸田ともとれなかった。


あれからいつ電話しても、留守だ。


まあ、アイツんとこはデッカイからな。


家業をマジになってやっているんだな、と思った。


麻実には帰国の事を伝えておいてくれと、頼んであるから伝わっているはずだ。






空港から、直接横須賀へ向かうつもりだった。


NYで勉強している時は、麻実のことが気になりながらも気合を入れて集中できたのに。


日本に着いた途端、もう我慢できなくなった。



麻実に会いてぇ。


麻実にキスしてぇ。


麻実を・・・抱きてぇ。



NYに行く前は、俺の留守中にガキでもできたら可哀相だと思って、抱くのを我慢したが、もうプロポーズするつもりだし、速攻、抱こうと思っていた。



だけど。


空港には、親父が待っていて。


正直驚いた。


多忙を極める親父が、まさか迎えに出ているなんて。


しかも、一旦家に帰れという。


このまま横須賀に行くといっても、ダメだの一点張り。


終いには、スゲーゴツイ男4人がかりで、無理やり車に押し込められた。



「帰宅したら、話がある。」


そう言ったきり、親父は黙り込んで目をつぶった。








親父に地下の研修室に閉じ込められた。


親父の話が、信じられなくて。


俺が暴れたからだ。



麻実が、松と結婚?


しかも、半年も前に・・・。


信じられなかった。


それよりも、ハワイで会った時、麻実の親父さんが殺されて、辛くて俺に会いに来ていたなんて。


しかも、体の弱い麻実がロビーで6時間も待っていて。


帰国しようとしていたハワイの空港で倒れて、入院・・・。


俺は、何も知らなかった。


その上、ずっと浜田が行方不明で、現れたと思ったら、麻実の親父さんを殺れと命令した男を襲って逮捕され・・・一緒に行動を共にした神崎は・・・・・・・射殺された。


この一年の出来事は、麻実にとってどんなに過酷だったか・・・想像ができないほどだ。


それを全部支えたのが、松だという。


だけど、何で俺に連絡しなかったんだ!!


その思いが、頭の中を駆け巡る。


あんなに愛し合ったのに、俺たちはそんなもんだったのか?


いくら俺がNYにいるからって、1年連絡はしないといったからって、こういうことは別だろ?


何で、松に頼る前に、俺に頼らなかったんだ?


松だって・・・。


俺の女と知っていて、横取りしやがって!!!



そんな、恨みのような、怒りが、俺の心の中を、その時は駈け廻っていた。






3日たって。


親父がやってきた。


松が会いに来た、と言いだした。



俺は、頭に血が上って・・・研修室を飛び出していた。


客間の戸を乱暴に開け、松に飛びかかった。


松は、無抵抗だった・・・。



気がつくと、親父や内弟子、6人がかりで俺は取り押さえられていた。



「何でっ、麻実は俺に親父さんが死んだことを言わなかったんだ!?だったら、俺は留学なんて止めて、飛んで帰ってきた!!松!お前が俺をハメたのかっ!?ひきょう者っ!!!」


散々な事を、罵った。


松は、何も弁解しなかった。


それにまた腹がたった。


でも。


頬に、衝撃を受けた。


見ると、親父。


泣いていた・・・・。




「俺は、お前に連絡をした。だけど、ハワイに行っていて・・・。麻実ちゃんが会いにいっただろう?」


「だけどっ!麻実は何も言わなかった!!」


声を荒げる俺に、悲しそうな目を向ける親父。


そして、静かな声で。


「俺でさえ、麻実ちゃんの様子がおかしいって、わかったんだぞ?言わなきゃわかんないのか?親を殺された後だぞ?お前に泣きつきたくて、1人でわざわざ出かけたんだぞ?しかも6時間もロビーで待って・・・あの体の弱い子が、そんな無理をしていたのに、わからなかったお前に、麻実ちゃんと松を責める資格はないっ!!お前は、結局、自分のことしか考えていなかったんだ!!麻実ちゃんは、お前の事ばかりを優先して、わがままもいわなかっただろっ!!」



親父の言葉に、目から鱗が剥がれ落ちた気持ちになった・・・・。


まったく、その通りで。


何も、何も。


反論できなかった・・・・。










それから俺は。


麻実と出会う前の俺に、戻った。


醒めた心で、淡々と毎日をこなしていく。


まるで生きていないような日々。


群がる女も、適当に喰って。


最低の男に、戻った。



半分、あてつけだったのかもしれない。


週刊誌で取り上げられる、悪い噂の俺を知って。


麻実が少しでも、罪悪感を持てばいいと。


麻実が少しでも、俺を思い出せばいいと。


そんな卑劣な事を考えていた。



俺は、どこまでも自分勝手で。


どこまでも、麻実を苦しめた・・・。







それから数ヵ月後、衝撃的な事がおきた。


いや、それは俺にとってということだが。




その日は。


行きつけの六本木のクラブのNO.1ホステスと、同伴で飯を食う約束で。


待ち合わせは大通りに面したガラス張りの、高級な喫茶店。


テレビ局の打ち合わせが早く終わった俺は、早めに待ち合わせ場所に来ていた。



それは。


同じ感覚だった。


グランドヒロセハワイのロビーで、今まで聞こえていた雑音が一切聞こえなくなった、あの時と。


ただ、そこだけがまるでスポットライトを浴びているかの様に目にとまって。


一年半ぶりに見た麻実は、とても美しくなっていた。


前から美しかったが、洗練されて、離れていてもわかる・・・麻実の周りには、柔らかな空気がただよっていた。


高級ブディックから、出てきた麻実に。


道を歩く男どもが、目を奪われている。


麻実の後ろから慌てて追いかけて出てきたのは、松のお袋さん。


真夏だが、夕方に近いせいか、少し肌寒く感じたのかもしれない。


手にしていた薄手のストールを、麻実の肩にかけてやってる。


その表情たるや・・・麻実が可愛くて仕方がない、というような感じた。


ストールをかけると、麻実の手を取った。


麻実も素直に甘えている。


その後ろから出てきたのは、一瞬目を疑ったが、松の親父さん・・・。


相当シビアで、やり手と言われているが。


多分松のお袋さんが買い物をしたんだろう・・・大量の荷物を持たされていた。


麻実が振り返って、気を遣うそぶりを見せ、荷物を持つのを手伝おうとした。


その途端。


松の親父さんも、お袋さんも首を横にふった。


スゲー笑顔で。


お袋さんは、麻実の頭まで撫でている。



そこへ、松が車で到着した。


トランクを開け、親父さんを手伝うかと思いきや、麻実の所へ駆けつけ、笑顔で麻実の頬を撫でた。


親父さんは1人で、トランクに荷物を詰めている。


詰め終わると、笑顔で何かを話し、助手席に乗り込んだ。


松は麻実の腰に手をまわし、壊れものを扱うように車へエスコートした。


後部座席には、麻実と続いてお袋さん。


麻実に寄り添うように車へ乗り込んだ。



麻実たちを見たのはほんの3分程度のことだったが。


何故、麻実が俺じゃなくて、松を選んだのか、わかった気がした。


俺では、麻実を幸せにできなかったんだ。



ようやく、麻実がどう思っていたか理解できた俺は、ふと麻実のあの日の会話に出てきた場所を見てみたくなった。


俺は、約束なんか忘れ、席をたった。





着いたのは、7時少し前だった。



横須賀駅前のパーキングに車を止め、駅前からタクシーに乗り込んだ。


「平柵公園へ行ってください。」






タクシーを降りた瞬間、圧倒された。


「スゲー。やっぱ、麻実が点滴我慢しただけあんな・・・見ごたえがある・・・。」



ポプラ並木は圧巻だった。


そのまま、近くのベンチに腰を下ろした。



色々な事が頭の中を駆け巡った。



だけど、結局は。


憎い気持ちも。


怒りも。


悔しさも。


悲しさも。



麻実への愛には、かなわなくて。



ただ、麻実を・・・俺は。


まだ、愛していると思った。




ざわざわと、風にポプラが揺れる。



つぅー、と涙が頬をつたう。



昔・・・麻実は、ここで、どんなことを考えたんだろうか。






「あら、今日は先客がいるわねー。」


後ろから、間の伸びたような、女性の声がした。


驚いて、振り返ると。


ビール500ml缶2本を手に、白衣を着た30歳半ばくらいの、ショートカットの女性が立っていた。


「・・・・・。」


「あら、イイ男。アタシね、仕事が終わるといつも此処で晩酌するのよ。」


そう言ってその人は俺の横に座ると、ビールを1缶差出し、つきあってよと言った。


「・・・お医者さんですか?」


「ええ。そこの、病院よ。父が亡くなって、去年からアタシがやっているの。」


そう言いながら、その人は白衣のポケットからするめいかを取り出し、半分俺に渡した。


俺は、何気なく、そこ、とさされた病院を振り返った。



『大畑医院』



古ぼけた看板が見えた―――







あまりにも、自分が情けなくて。


嫌になった。


何よりも。


後悔が胸を覆った。


麻実を俺は一体、何度傷つけたんだろう・・・。



それでも。


麻実は――


俺の事を一番に考えてくれて・・・。




「うおおおおぉぉぉぉ・・・・・・。」



腹の底から、悔しくて、情けなくて、苦しい叫び声が、湧きあがった。





1ダースの鉛筆は、麻実の命の残りの年数・・・。


そのうちの1本は1年・・・俺の留学の時間。


転がり落ちた鉛筆を拾いに行くか、見捨てるか。


それは、麻実自身のこと。


俺は自分の未来をとった。


鉛筆はどこでも買えると――



実際に俺の鉛筆は、世界にたった1本だったのに。


麻実はあの時、どんな気持ちで俺の背中を押したんだろうか。


最後の最後も、俺の事を考えて、体の弱い自分じゃダメだって・・・。


俺は何もわかっちゃいなかった。




ビールを手に現れた白衣の女性は、麻実が子供の頃点滴を嫌がった時に、ポプラの話をしてくれた先生だった。


去年、麻実が此処へ来て、俺の事を話したそうだ。



俺はこんなにも・・・麻実に愛されていた――



「麻実ちゃん言っていた。あなたの夢、いつかきっと叶えて欲しいって。」



俺の夢・・・東京じゃない、どっか地方の、ちっせー街の、ちっせー花屋のオヤジ。



「麻実ちゃんの幸せは、好きな人が幸せになることだって・・・あの子は、昔から変わらないわー。」



そうか。


じゃあ、お前のためにも、俺は幸せにならねーといけねーんだな。


俺の幸せは何だろう。



そんなこと、わかってんだろーがよっ。


お前が隣にいることが、俺の幸せだ。



だけど、今となっては叶わぬ夢。


せめて、俺に出来ることは・・・。


花の道で精一杯頑張ることか。


今の、俺じゃダメだな。


早くガキつくって、後継がせて俺の夢叶えろって言っていたよな・・・。


了解。



麻実・・・・。








「親父。麻実の一周忌、親父だけで行ってくれ。」


俺がそう言うと、親父が驚いて、俺を見た。


「行かないのか?」


「ああ。俺は俺で、麻実を想うから、いいんだ。」


親父が俺の肩をたたく。


「そうか。少し、気持ちの整理がついたんだな?」


「どうかな?だけど、いつまでもこんなダセー俺じゃ、麻実のケリが飛んできそうだしな?」


ニヤリと笑う。


すると親父がブルリと震えた。


「麻実ちゃんの頭突きも、凄かったぞー。」


「そりゃ、ケツ触った親父が悪ィ。」


親父がゲラゲラ笑った。


麻実が死んで初めてだな・・・。


麻実を想って、笑えたのは。




お前の1周忌は、横須賀に行こう。


お前の好きな、深紅の薔薇の花を持って。


ビールを土産に、ポプラを見に行って。



そして。


お前に会いに。


あの。


「TOP OF YOKOSUKA」に。




そして、誓う。


お前をいつまでも。


俺は、想い続ける―――





【完】





以上で、このお話は終了です。ここまで読んで下さりありがとうございました。感謝申し上げます。2016.2.23瀬野まこと

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ