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地方生まれの聖女様  作者: タタラ
11/63

「私」と魔法

ザバァ!


「ガハァ、ゲホゲホ・・ウゲェ・・・」


何すんだよ!溺れるだろ!」


大量の水を掛けられ目が覚める、最悪な起こされ方だよ!


すると目の前にバケツを持った女神が居た、あれ?ここは見渡す限りの草原・・・へ?

女神アリアが握った右拳をプルプルさせ俺を睨んでた、、、怖い

『大橋さ…いえ、ファナさん、あなた今どうして此処に居るかわかってますか?』

「なんでアリアが居るんだ?あれ?」

『女神を呼び捨て…まぁこの際いいでしょう…ハァ…』


溜息を付きつつ杖を振るうとテーブルと椅子が2組現れ、少し話しましょうとお茶を出してきた。

あーココアだ、ズズズと啜りつつアリアの言葉を待った。


『ファナさんあなたここに来る前の事覚えてますか?』

ここに来る前の事?

なんだっけ?あー防壁の外にベリー採りに行って…魔物に追いかけられて…

ん…あー!

なんで俺こんなとこ居るんだ!まさか俺

「もしかして俺…死んだのか?…」


『いえ、死んではいません、まだ死んでいないと言ったところです』

「助かったんじゃ、衛兵さんが魔物倒してたし、あの傷がやっぱり…」


女神はテーブルの上で手を組む

『ちゃんと理解していない様なので説明しときましょう、この後の事もありますし』


すると女神はテーブルの上で四角を描くように指を滑らせる、するとそこに何かが映り出した。

そこに映っていたのは俺だった、創傷で血まみれの俺と魔物、あれ、今俺には傷が無い。

不思議そうにペタペタ体を確認していると、

『今は魂に仮初の体を与えているので傷は有りませんよ、良く見て下さいね』


魔物が俺を踏み抑え両手で剣を持ち上げる、ここは覚えてるここからだ、が、俺は何が起こっているのか解らなかった、何でかって?魔物が火達磨になって仰向けに倒れたのだ。

そして倒れてる俺も酷い火傷を負っていた、切られた上に大火傷とか、酷過ぎないか。


「どうして?どうなってんだ?教えてくれ!」

『まずあなたは酷い火傷で生死を彷徨ってます』

「はぁ?」

『で、魔物が火達磨になったのはファナさんあなたの力です』

何言ってんだ?俺の力ってそんな事出来る訳無いだろ魔法使いでもなきゃ...

この世界に魔法使いが居たのは知ってるけど(本で読んだ)世界中にも数えるほどしか居ないってジェフ爺も言ってた。

「俺が魔法使い?どうやっても使えなかったぞ?」

俺が魔法使いの一人?そんなバカな今まで適当に呪文みたいなの唱えたり色々した事あるけど……思い出すと恥ずかしすぎる忘れよう…


『それは使い方を知らなかった、いえ使えなかったが正しいですか』

『月並みですが生命の危機に目覚めたといったトコロでしょう、魔力の制御も使い方もわからず炎を出したので自分自身も焼いてしまったようですね』

「ちょっとまって、俺今、いや生身の俺はどこにいるんだ?」

『リガールの神殿で治療を受ける為運ばれています、と言っても何も出来ないでしようが』

「なんでだよ!?」

思わず大きな声を出してしまった。


『この世界の治療技術では今のファナさんの傷を治す事はできません、魔法か奇跡でもなければ』

『ファナさんが自分の力で傷を治すしか助かる方法はありません』

「そんな…なぁ・・・俺ってほんとに魔法使いなのか?」

『そうですよあなたの()の体だと最初に言ったはずですが?」

「魔法使いなんて聞いてないし、使い方だって判らないし!教えてくれてても…そうすりゃこんな事には…」


『こうなったのは貴女がお友達にパンツを見せびらかしたからですよ』

顔に血が集まり真っ赤に染まるのが解る、

「なっ!バカなこと言うなぁ~見られたんだよ!被害者だよ!俺は痴女かぁ!」

思わずバンバンとテーブルを叩く


だがどうだ、見られなければベリーの話は無かったか、また有ったとしてもまだ先だったかも知れない。

魔物と会う事も無かったかも、でもこれは”かも知れない”だけど


『まぁパンツの話はこの辺りで止めておきましょう、今の問題は生身のファナさんの体です』

「う、うん、そうだった、どうすればいいんだ?教えてくれ」

『お・し・え・て・く・れ・?さてどうしましょうか』


ふふんと女神の口端が吊り上る

「な・・・ん、お願いします女神様、教えてください・・・」

俺の命がかかっているというのに、この・・・



『今はファナさんの体の怪我を治す事が必要なので魔法より奇跡を起こす方がいいですか』

「はぁ?奇跡?簡単に起こらないから奇跡なんじゃないの?」

『良い事言いますね、そうです起こらないから奇跡なんです、でもファナさんは違うんですよ』

また分からないこと言い始めたよこの女神は・・・・


ジト眼で見てると女神はニコリと笑い俺の嫌な思い出を語り出した、

『ファナさんが6歳の時、私こと女神が直接祝福を授けたでしょお忘れですか?』

「覚えてるよ、忘れたいよ」

『ファナさんはあの時から女神の祝福を扱えるんです、人々の傷を癒し守る力があります』

『奇跡を起こすのに必要なのは女神()への信仰心です、私こそ奇跡の源なのですさぁ私を讃えなさい』

いきなり立ち上がり腰に手を当てふんぞり返る女神ってどうよ…


「やだ!」

『・・・・・・本人を前に言い切りましたね』

溜息を付きながら椅子に腰かけ直すと

『信仰とか関係ないのでいいんですが、少し落ち込みましたよ』

「はぁ・・・意味が解らないよ」

『ファナさんは転生被験者1号さんなので色々融通してるんですよ?』

嘘つけと言わんばかりの眼でじろりと睨むと


『大体あの時使い方を教えようとしたらファナさんが無視したんですよ』

むすっとした顔でソッポを向く女神ちょと可愛い

「思い出すと(せっかく女神の祝福を使えるよ・・・大盤振る舞い・・・奇跡で)って言ってたような…」


『どうして奇跡が簡単に起こらないか解りますか?』

「難しいとか、幸運が重なるとかか?」

『違います、女神の()許可が必要なのです』

えーーーーそんな理由なのか、奇跡って許可制だったのかよ!


『と言う訳でさっさと体の治療をしてしまいましょう、私にお願いしてくだ・・・あーそうだ、良い事思いつきました』

絶対俺にとって悪い事だろ?なぁ?


女神はテーブルを指先で軽く鳴らすと一枚の用紙が出て来た。

『今準備しますので、フフフ』


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