LIIth
尾を向けて戦闘態勢に入ると
<まっ、待って下さい。もう、やめにしませんか?>
何をですか?
<復讐です。殺したり殺されたりもう十分じゃないですか>
殺されるのはともかく殺すぶんにはそうでもないですよ?
<そんなこと言わないで下さい。殺したら相手には恨まれるんですよ?>
別にいいじゃないですか?
ヴェスパ以外のものがどう考えてるかなんて私には何の価値もありません。
<復讐は復讐を生むんです。
いつかあなたも復讐される日が来るかもしれないんですよ?>
私は強いから大丈夫です、お気遣いなく。
<貴方だけじゃなくて復讐の矛先があなたの家族にも向かうかもしれないのがわからないんですか?>
私は皆殺しにしたこともされたこともあります。
復讐は復讐を生む? …何も問題はありません。完膚なきまでに全滅させればいいんです。
今後の憂いの無いように。
<さっきから言わせておけば抜けぬけと>
なぜだかオスの方が突っ込んできたので
「だから│オス(おまえ)は黙っていろって言ったじゃないですか。」
会話の間に濃縮した毒針で思いっきり風穴開けてあげました。
メスの方はあんなに慈愛とかなんだとかそれっぽいこと言っておきながら
逃げていきました。宣言通り今後の憂いを断つためここで殺すつもりだったのですが、
想像できるわけないじゃないですか。あれだけ偉そうに言っておきながら尻尾を曲げすらせずに
逃げ出すだなんて。でも、やつにもたっぷり毒を仕込んでやりましたからね。致命的なやつを。
『ヴェスパの毒』じゃありません、『心の毒』ってやつです。
まぁ今回逃がしてしまいましたが、次に会ったら狩りますよ。
今回オスを狩って手に入れたスキル『念話』を早速試してみましょうか。
さて魚人たちどうします?あなたたちの守護者は逃げ出してしまいましたよ?




