XLVth
正義を信じて 的な何か
今日は初めて狩りに出る新虫たちの様子をみることにしました。
無事に成虫になったばかりの姫バチを指揮官にして
働き蜂数匹とチームを組ませて仮にいかせるようです。
この狩りなどで姫バチはポイントを稼ぎ優秀なものが本家を継ぐ仕組みになっているようです。
大体長女が勝つらしいですが。
狩りの観戦のついでに、ウミスミレとやらの場所がないか探しに行きます。
えぇ、あくまで『ついでに』です。
成虫になったばかりといえど流石昆虫というべきでしょうか、
最初から知っていたかのように海を自在に泳ぎ、いえ飛び回ります。
海中を飛ぶ。番組のペンギン特集のサブタイトルにでも出てきそうな言葉ですが、
今まさにそれを実感しています。
そういえば、ホワイトデビルにとどめをさしたとき、
今迄に無いほど体が軽かったのを覚えています。
きっとシーヴェスパの成虫という種族の圧倒的な無敵感と
海を飛び回る快感に酔っていることとは思います。
多少油断してもヴェスパの群体に勝てるものなんていないので
問題はないのですが、狩りをしている姫バチのうちひとりが
「体が軽い…こんな幸せ気持ちで戦うのなんて初めて」
とか言い始めましたので直感的に
「もう、何もこわk
言わせる前に口を閉ざせました、物理的に。
弾き飛ばされた姫はどうして叩かれたかわからずに呆然としていました。言わないけれどごめんなさい。
なにやら、頭をがっぷり喰われるような胸騒ぎがしましたので。
ちなみに、この子が長女らしいです。
先程彼女がいた領域にデスイールというモンスターが歯を広げて突っ込んできていました。
偶然、私が突っ込み(物理)を行っていなければ先程受信した電波のとおりになっていたかもしれません。
これって『電流感知』のスキルの効果でしょうか?
まぁ、これ幸い?と最初から気づいていたので突き飛ばした感をさりげなく大胆にアピール。
さて、獲物を食い損ねて場にとどまったデスイールですが、
『姫』を殺害しようとした獲物をやすやすと逃がすヴェスパではありません。
今回の『試験』においては皆ライバルですが、普段は仲良しな姉妹たちです。
抜けてるけどオシャレでスタイリッシュで優しい姉を食い殺そうとしたデスイールに対し
殺意の濃度が濃くなっていくのがわかります。もちろん私も、横にいる一見冷静なクティーラも
怒ってないわけではありません。しかし、クティーラ曰く割と抜けているところもあるけど、
優秀な娘なら、油断がなくなれば負けることはないと判断し処刑は娘自身に任せることにするということなので、
母であるクティーラが手を出さない以上、私も手を出さないことにします。
っていうか、クティーラ結婚してたんですね、かなり若いのに。
長女は実践は初めてであるが、訓練では射撃や全体戦に才能を発揮する子とのこと。
特に毒針の乱射には定評があるそうです。
…私しか見ていないようで案外周りも見てたんですね、クティーラ。
長女が尾を敵に向けると、妹の姫バチ、働き蜂たちも一斉に尾をデスイールに指向する。
そして指揮者は茶目っ気のあるポーズをとって高らかに告げる
「みんな準備は良い? いくわよ 無限の魔槍っっ!!!」
あー必殺技叫んじゃうような子なんだ。ちょっと恥ずかしいかなぁ。
横を見ると長女の母もなんか下を向いてプルプルしてるし。
自分がやってたことは棚上げにしてそんなことを考えるデュカリス。
厨二ってやる分には燃えるものだけど、見る分には恥ずかしいものなのだ。
デスイールを包囲し全方向から乱射される飛針は圧巻だが、その中でも長女の針生成能力は頭一つとびぬけている。
指揮能力、射撃能力、オシャレ。次代の女王たるには素質は十分にある、らしい。ただ、うっかりさんでなければ。
それよりも先の厨二ネームに他のハチたちの反応が知りたかったので見回してみると、
妹たちは慣れたものか特に反応していないが、働き蜂の中には聞こえなかったフリをしていそうな個体もいくつかいる。
恐らくそれが原因であろうが、ときおりプルプルして斉射が止まっている。そのせいでそこだけ穴ができている。
もちろんデスイールに対しては現状でもオーバーキルなので何も問題はない、が一つだけ言わせてほしい。
弾幕薄いよなにやってんの。 ……気持ちはわからなくもないけれども。
長女の名前?西洋貴族風に変えずらかったので、未定にしておきます。




