幕間 王都では……2
(やっぱりこういう反応になるよね……)
貴族二人の愚痴をたまたま後ろで聞いていたリリシアは内心ため息をついた。
(リチャード兄を王太子にするのは正直嫌なんだけどフレイ兄が放棄しちゃったんだもん、仕方ないよね)
リリシアはリチャードの事が嫌いであった、たまに見せる妹としてでなく一人の女として見る視線がどうしても受け付けなかった。
それに対しフレイはリリシアをかわいい妹として接していた。
リリシアの能力である『精霊姫』を認めその重要さに気づいたのも王族の中ではフレイだけだった。
『リリシア、君の力はきっとこの国の発展に必要な力だ。今は認められていないけどきっと嫌でも認めさせる日が来るだろう、それまで我慢しているんだ』
フレイに言われた言葉を糧にしてリリシアは頑張ってきた。
精霊について彼女なりに調査して必要な知識を学んできた。
そんなある日、フレイに精霊を貸してほしい、と言われた。
「貸すのは構いませんがどうしたんですか?」
「……実は城を出よう、と思っている」
「えぇっ!? ま、まさかお父様に何か言われたのですか?」
「違うよ、……まぁ言われる前にこっちから出ていこうと思ってね」
「ここを出てどうするんですか?」
「田舎に引っ越して畑でも耕して慎ましく暮らすさ、でもその為には精霊の力が必要なんだ」
そこでリリシアは気づいた、フレイが何を考えているかを。
「わかりました、精霊達をよろしくお願いしますね」
こうしてフレイは置き手紙を置いて城を去った。
(フレイ兄にとってお城は窮屈なんでしょうね)
そんな事を思いながらリリシアは自室へと戻ってきた。
自室にはまばゆい光を放つ精霊達がリリシアを待っていた。
精霊達はリリシアが帰ってきたのを待ってました!と言わんぐらいにリリシアの周りを飛び回っていた。
「ん? 何かしらこの手紙? え?メイドが持ってきた?」
リリシアは机の上に置いてある手紙に気づいた。
精霊達はリリシアが留守の間にメイドが置いていった、と言った。
リリシアは手紙の封を破り読んだ。
「まぁ!フレイ兄様からだわっ!」
リリシアにとっては念願の手紙だった。
手紙を読み進めるリリシアの顔には笑みが溢れる。
「やっぱりフレイ兄様の考えは正しかったんだわ。これはそろそろ私も考えないといけないわね」
リチャードが王太子となった今が好都合だろう。
リリシアは密かに準備を始めた。




