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R18しか書けない私の持ち駒がBLコンテストで全滅したので、全年齢BLに挑戦する話。  作者: 美絢


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4話 イくか、逝くか。

【問】成人指定のBLが大好きな人間が、エロとダジャレと生贄を混ぜると、どんな作品ができるでしょう?


【答え】生贄がドエロで、泣ける小説が出来上がる。



 ◇



「やばい、どうしよう……」


 BLコンテストまで、一ヶ月を切っている。


 とりあえず、既存の作品で戦えるものはないか。

 フォルダのタイトル名を眺めていた。


「……やべぇの見つけちゃったな」



 ――『閨の男贄』。



 執筆活動を始めて、約一年半。

 それなりの数を書き上げ、それなりの作品を掲載してきた。


 そんな私でさえ、世に出すのを躊躇った作品。


 約一年ぶりに、フォルダを開く。


 一話目を開いた瞬間、私はそっとスマホを伏せた。


「……エロ同人誌かよ」


 ハート喘ぎ。

 濁点混じり。


 記憶より、だいぶ暴れていた。


 たぶん、アナウンサーでも正しく発音できないレベル。


 しかもこれ、ただのモロ感でも、えっちなシーンでもない。


 ――儀式の最中なのである。


 ◇


 はじまりは、スマホの文字変換。


「いく、逝く、行く……」


 やっとイケた。


「……せいし、セイシ、生死、精子」


 やっと、静止した。




 イク、精子?


 ――ハッ!


「やば、天才じゃね??」


 インスピレーションは、突然に。


 ◇


 不幸にも誕生した、この作品。


 “イく”か“逝く”か。

 ――生死をかけた、最低最悪の言葉遊びだった。


 男贄たちは生き残るため、狂ったように身体を作り込む。

 来る、儀式の日に向けて。



 えっちな話に、ならないわけがない。



「……」


 この時、何考えてたんだろ。

 病んでたのかな。



 本命同士以外のえっちが苦手なのに、

「神様は、あくまで審判役だから」という謎の言い訳をして、

 ひたすらえっちな話を書いた。


 本当に、狂ったように。



「……あ、ここ」


 指が、そこで止まる。


 ――思い出した。


 鼻の奥が、ツン、とする。



 嘘みたいな話だが、この作品。

 ――執筆中に泣いた、初めての作品なのである。


いや、泣きました。ガチで。

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