第61話 白黒ネコの父と母
おはようございます。
投稿です。
「ワシと雷帝は接点がない、あれは異界に捨てられた者、もはやこの世界の者ではない」
「声が、震えているわよ?」
「認められぬ存在なのじゃ!」
一の君の眼に、狂気が宿り始める。
「酷いわね?最初から、いなかったことにする気?」
「最早それしか選択肢がない、あの子はレッド・ブーツ帝国が送り込んだ聖女と雷神王……孫との間に産まれた子じゃ」
「ハニトラよねぇ、帝国は戦略が凄いわ」
「あの女好きのバカ者が!……教えてくれ……あの時、子供を助けようと異界ゲートに飛び込んだメイドはどうなった?ワシがこの二人を……子供とメイドを助けようと、送り込んだゴーレムはどうなった?」
「ひ孫よりもそっち?残念ながらそれは話せないわ、自分で調べなさい。まぁ雷帝クン、貸してくれたら少しは話してもいいかしら?」
そう言って一の君をチラ見する女神グネ。
「雷帝殿は物ではない、ましてワシらは捨てた者、話し合い?恨まれて当然のことをしている!それに……」
「それに?」
「あの者は、ワシのことを知らぬであろう、なんと声を掛ければいい?異界を渡ると命が削られる、なぜ戻ってきた?」
悲しさと後悔で、俯いてしまう一の君。
「ワシが異界ゲートなど作ったばかりに……」
静かに、女神の怒りが辺りに満ち始める。
そして、一気に気温が下がる!
「メソメソするなぁクソジジイイッ!」
「!?」
ドオオオオオンッ!
轟音と共に大地が揺れ、壁に亀裂が走る!
柱が折れ、建物が大きく傾く!
「生きて会いに来た者を!なぜ喜ばないっ!」
「そ、それは……」
「捨てたのは王妃達でしょう!子を異界に捨てるなど!あの者共は人か?王位の継承?子供の順番?欲望塗れの者ども!己が子を王位につけたいか?呪われた聖女は気に入らぬか!」
獣人族の血を引くスノーホワイト王家は子供が出来にくい、そこに目をつけたレッド・ブーツ帝国。
そしてその聖女を敵視する者達。
「帝国の呪いと!子を捨てられた聖女の叫び!それを止められなかった一の君、あなたの慟哭!それを聞いたから私は契約したのよ!荒れ狂う聖女を封印し、あなたに手を貸したの!」
鏡が割れんばかりに怒りを漲らせ、四月世界を圧倒する女神!
「あの王も気に入らぬ!聖女の妊娠も!出産も気づかぬ!」
「それは、ワシらが伏せたからじゃ!」
「なぜ伏せた!あのバカ者になぜ話さない!」
「話せば妃達は皆殺しだ!あの者の気性は荒い!当時の国王が決めたことじゃ!……」
バチバチと鏡から魔力が放たれる!
その様子をじっと見つめる一の君。
「……その気性、まさにあの時の女神グネ……」
ここで、女神との邂逅現場に参加者が一人増える。
「怒りは、階級を下げますよ、女神グネ」
「「!?」」
思わぬかけ声に、沈黙する一の君。
そして静かに動き出す。
「……何者だ?ここはワシの結界と女神グネの結界内、そうそう入れる者はいないはずじゃが?」
現れたのは第六国境警備隊の副長。
「……おぬし、第六の副長か?」
「一の君、一の君!」
鏡がつんつん、と一の君を突く。
「動かして!今私、激おこで上手く鏡を動かせないの!割りそうなの!」
はいはい、と言って鏡を動かし、副長に向ける。
鏡に映る第六国境警備隊の副長。
「!?」
鏡に映ったその姿に驚く一の君。
「お主……ナリ家の噂は本当だったのか!」
そこには片翼の天使が映っていた。
今回はここまでです。
次回投稿は未定です。
バイトが忙しく、遅れると思います。




