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赤い目の少年冒険譚  作者: MAYAKO
第一章 四月世界

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第59話 意外と気の合う二人     

おはようございます。

投稿です。

寝坊して、ちょっと遅れました。


「悪意は感じません」


「そうか?ワシの魔力には、なにも反応しないが?」


(それ程こいつの感度が、いいということか?)


 駐屯地のゴツい門を目指す二つの影。

 一つは細く、もう一つは途轍もなくでかい。

 そのデカさ、深夜には絶対に出会いたくない大きさだ。

 こんなデカブツが、暗闇から現れただけで息が止まりそうになる。


 デカイ方はこの国の国王、雷神王と細いのは第六国境警備隊の副長である。


「しかし、何らかのトラップを感じます、急ぐのは危険かと」


「周囲を警戒しながら進めと?」


「……御意」


 駐屯地に近づくにつれ、より慎重に歩き出す二人。


「門番が見えないなぁ?巡回もなしか?サボりか?」


 ギロリと睨む国王陛下。

 その目は『副長として、どうよ?』と聞いているようである。


「第六国境警備隊は機能していません、壊滅状態です。生き残った者は駐屯地より、若葉街の警備を優先しています」


「……ほう、誰の判断だ?」


「もちろん、隊長です。陛下なら街を優先されるから、第六国境警備隊もそうすると」


「ほう」


「一の君は皇帝騎士団がガードしているので、位置だけ把握しておけ、とのことです。まぁ、もう暫くすると医療ポットから出てきた者達が、現場復帰するでしょうし」


「それでも数は足りぬか……」


「はい、下部組織からの補充が必要です、それに」


「それに?」


「ここには、人を排除する結界が張られています、お気づきですか?」


「いや」


「……かなり上位の結界です」


 副長は、駐屯地を包む上位の魔力を解析し始める。


(これは……女神級か!?このままこの王を同行させていいのであろうか?女神がこの地に何用だ?)


「ふん、上位か?ワシの魔力は無反応だ。気にいらねーなぁ……」


「そう睨まないでくださいよ」


「おう、一つ聞きたいがある!」


「なんなりと」


 進みながら話しを続ける二人。

 意外と気が合いそうである。


「ワシらの王家に仕える者達は、カッコつけが多い」


「?」


 何が言いたいのだ?というお顔の副長。


「やれ先祖はどこぞの英雄だったとか、三代前は剣聖を輩出したとか、聖獣の守護とか精霊の加護があるとか」


「ふふっ、権力者にとっては必要なことでは?この国の王も獣人族の血を引き、不老長寿、怪力の持ち主で満月期は不死身になるとか?」


「怪力は否定しないが、不死ではないぞ。それに先祖の獣人族は事実だ。カッコつけでもハッタリでもない」


「……そうですね」


「そこでだ、ナリ家の言伝えによると、異界より堕とされた者をナリ家の先祖が介抱し、その恩に報いるため、代々ナリ家に使えている者がいるそうだ」


「単なる言い伝えですよ」


「その割には、おめぇさん、歳を取らねぇなぁ」


「エルフの血でも混ざっているのでしょう」


「けっ、まぁ副長が何者であろうと、オレの国に貢献してくれればそれでいい。ただ、そいつの話しが面白い。そいつは天使族だったそうだ」


「……ほう、それで?」


「それが……昔、ナリ家の当主から、話しを聞いたんだが、忘れちまってよぉ」


「はい!?大事な話だったのでは?」


「ホラ話と思ってちゃんと聞かなかったんだ、わはははっ!なんでも喧嘩して追放された?だったかなぁ」


(軽く話しておくか?)


「天使は、暴走した月世界を粛正する力を持っています。その粛正の方法が気に入らなかったのでしょう」


「粛正?天使の無差別攻撃か?」


「悪人を抹殺するのではなく、悪人こそ助けるべきでは?」


「きれいごとだなぁ」


「確かにきれい事ですが元天使は、人の可能性を信じたかったのでしょう」


「甘いなぁ、悪人は簡単に反省しないぜ?なんせ反省した時点で悪人ではなくなるからなぁ。で、元天使の副長」


「違いますよ」


「そう警戒するな、オレはお前と勝負がしたいだけだ」


(そっち?私の政治的利用ではなく?)


 今回はここまでです。

 次回をお楽しみに。


次回投稿は本日の夜23時20分を予定しています。

サブタイトルは 第60話 女神の要求 です。

あ、予定ですからね。

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