第59話 意外と気の合う二人
おはようございます。
投稿です。
寝坊して、ちょっと遅れました。
「悪意は感じません」
「そうか?ワシの魔力には、なにも反応しないが?」
(それ程こいつの感度が、いいということか?)
駐屯地のゴツい門を目指す二つの影。
一つは細く、もう一つは途轍もなくでかい。
そのデカさ、深夜には絶対に出会いたくない大きさだ。
こんなデカブツが、暗闇から現れただけで息が止まりそうになる。
デカイ方はこの国の国王、雷神王と細いのは第六国境警備隊の副長である。
「しかし、何らかのトラップを感じます、急ぐのは危険かと」
「周囲を警戒しながら進めと?」
「……御意」
駐屯地に近づくにつれ、より慎重に歩き出す二人。
「門番が見えないなぁ?巡回もなしか?サボりか?」
ギロリと睨む国王陛下。
その目は『副長として、どうよ?』と聞いているようである。
「第六国境警備隊は機能していません、壊滅状態です。生き残った者は駐屯地より、若葉街の警備を優先しています」
「……ほう、誰の判断だ?」
「もちろん、隊長です。陛下なら街を優先されるから、第六国境警備隊もそうすると」
「ほう」
「一の君は皇帝騎士団がガードしているので、位置だけ把握しておけ、とのことです。まぁ、もう暫くすると医療ポットから出てきた者達が、現場復帰するでしょうし」
「それでも数は足りぬか……」
「はい、下部組織からの補充が必要です、それに」
「それに?」
「ここには、人を排除する結界が張られています、お気づきですか?」
「いや」
「……かなり上位の結界です」
副長は、駐屯地を包む上位の魔力を解析し始める。
(これは……女神級か!?このままこの王を同行させていいのであろうか?女神がこの地に何用だ?)
「ふん、上位か?ワシの魔力は無反応だ。気にいらねーなぁ……」
「そう睨まないでくださいよ」
「おう、一つ聞きたいがある!」
「なんなりと」
進みながら話しを続ける二人。
意外と気が合いそうである。
「ワシらの王家に仕える者達は、カッコつけが多い」
「?」
何が言いたいのだ?というお顔の副長。
「やれ先祖はどこぞの英雄だったとか、三代前は剣聖を輩出したとか、聖獣の守護とか精霊の加護があるとか」
「ふふっ、権力者にとっては必要なことでは?この国の王も獣人族の血を引き、不老長寿、怪力の持ち主で満月期は不死身になるとか?」
「怪力は否定しないが、不死ではないぞ。それに先祖の獣人族は事実だ。カッコつけでもハッタリでもない」
「……そうですね」
「そこでだ、ナリ家の言伝えによると、異界より堕とされた者をナリ家の先祖が介抱し、その恩に報いるため、代々ナリ家に使えている者がいるそうだ」
「単なる言い伝えですよ」
「その割には、おめぇさん、歳を取らねぇなぁ」
「エルフの血でも混ざっているのでしょう」
「けっ、まぁ副長が何者であろうと、オレの国に貢献してくれればそれでいい。ただ、そいつの話しが面白い。そいつは天使族だったそうだ」
「……ほう、それで?」
「それが……昔、ナリ家の当主から、話しを聞いたんだが、忘れちまってよぉ」
「はい!?大事な話だったのでは?」
「ホラ話と思ってちゃんと聞かなかったんだ、わはははっ!なんでも喧嘩して追放された?だったかなぁ」
(軽く話しておくか?)
「天使は、暴走した月世界を粛正する力を持っています。その粛正の方法が気に入らなかったのでしょう」
「粛正?天使の無差別攻撃か?」
「悪人を抹殺するのではなく、悪人こそ助けるべきでは?」
「きれいごとだなぁ」
「確かにきれい事ですが元天使は、人の可能性を信じたかったのでしょう」
「甘いなぁ、悪人は簡単に反省しないぜ?なんせ反省した時点で悪人ではなくなるからなぁ。で、元天使の副長」
「違いますよ」
「そう警戒するな、オレはお前と勝負がしたいだけだ」
(そっち?私の政治的利用ではなく?)
今回はここまでです。
次回をお楽しみに。
次回投稿は本日の夜23時20分を予定しています。
サブタイトルは 第60話 女神の要求 です。
あ、予定ですからね。




