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赤い目の少年冒険譚 (2025.05)  作者: MAYAKO
第一章 四月世界

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第57話 こっちの制御は難しい!     

おはようございます。

投稿です。


「た、隊長!」

 ドリは、その姿を見ただけで、なぜか泣き出しそうになる。


「部下だけではない、私や他の者達も癒やされた。礼を言う、ありがとう、感謝する」


「……そうなのか?まぁいいってことよ!オレも魔力制御覚えたし!」


 と言いながらエリ・ナリを見つめる雷帝。

 周囲の目が二人に集まる。


 話題の二人だ。


 もちろん、周囲の者達は知っている。

 エリ・ナリ隊長の報告書は、スノーホワイト国全土に広まっているし、国外にも流出しているのだ。


 それも、面白おかしく。


 一国の報告書が国内外に漏れる、普通は有り得ないことだ。

 それが漏れている、それどころか故意に広まっているように見える。

 なぜか?それは誰かが意図的に情報を流したからだ。


 雷帝と炎帝に目を向けさせ、一の賢者や王族に少しでも意識を向けさせないためだ。

 特に一の賢者は色々と開発生産をしている、あまり目立つと困るのだ。


(この第六のエリ・ナリはメグの先輩だったな。ゴシップネタは許せ、そのうちいいヤローを紹介してやっから!)


 犯人であり、仕掛け人のイッカイこと、雷神王がニンマリした目でエリ・ナリ隊長を見る。

 とんでもない王である。


 一方こちらは、そんなことを気にしているようで実は、あまり気にしていない雷帝。


 まぁ、しゃーないか、に答えが行き着いているのだ。

 気にしてもどうしようもねーや、雷帝は、それよりもすることがあるのだ。


 まぁ、このエリ・ナリ隊長は気になる人物ではあるが。

 周囲の好奇の目が集まる。


 薙刀を手に、姿勢良く立つエリ・ナリ隊長。


(そういやぁこいつの、頬とか舐めたりしたなぁ。あ、事故だけど唇も舐めたっけ?)


 エリ・ナリ隊長、その鋭い眼は三月世界のボルナガーを思い出させる。


 ボルナガ-、それは死の女神と呼ばれる女性の戦闘集団。

 子供の若を保護し、育てた者達。

 矛を得意とし、ゴンザの妻がリーダーであった。


(似ているけど、違うな、そりゃそうだ)


「どうした雷帝?」


 不信に思うエリ・ナリ。


(こいつの目、どこかで見たことあるぞ?赤い眼?ん?)


 なぜか白黒ネコを思い出すエリ・ナリ。

 その時、風が吹き軽く髪を抑えた。


(いい動きしているなぁ、こいつは薙刀も相当な腕だろう、ああ、ネコにも優しかったな)


 そこで思い出した。

 ぬりぬりされて、治療されたことを。


(真剣に癒やそうと……オレに、薬を……ん?)


 みみみ。


「ん?なんだ?」


 身体の変化に戸惑いを隠せない雷帝。

 変化が起きた!


 エリ・ナリは綺麗だな、そう思った瞬間!


 みょん。


 雷帝の雷帝が雷帝状態になったのだ!


「!!!!!!!!!!!!!!!」


 絶句するエリ・ナリ隊長。


(こ、こいつ私を見て?!)


「だわはははははははっ!なんだぁ雷帝殿!?第六の隊長殿が欲しいかぁ?」


 そう言ったのはイッカイである。


「う、う、うるせぃー!き、今日はここまでだっ!じゃなぁイッカイ師匠!勝負は今度だっ!」


 猛ダッシュで消えていく雷帝。


 何が起きたのか周囲はよく分からない。

 シルエットを見たのは近くの数名のみ。


「ふ、ふ、ふ、ふく、副長おおおおおぅ!」


「はい、なんでしょう?」


「……これも報告書に書かないといけないのかっ!」


「どうでしょう?(陛下立ち会いですし、報告しなくていいのでは?)」


 小声で伝える副長。


「そ、そうか?」


 半ばパニック状態のエリ・ナリ隊長。

 耳まで真っ赤である。

 そこにトドメの念話が届く。


(オレだ、今度はどんな報告書で楽しませてくれるのだ?)


「!……陛下……」


 今度は真っ青になるエリ・ナリ隊長。


「ご、ご勘弁を……」


 もう泣きそうである。

 副長も声を上げる。


「陛下、ご勘弁を」


(……おお、副長が言うなら勘弁するか、思い出したぞ、お前、都志 明だったな?)


「……はい」


(ナリ家の守護者、まさか本当にいたとはな。ベルセルクの名に隠れているが、実際会ってみると言伝え通りだ。お前と争うつもりはない。よきに計らえ!)


「はい!」


(ただし!)


「なんでしょう?」


(エリ・ナリが雷帝を認めた場合は、邪魔するなよ?)


(私はナリ家の守護者、ナリの者が選んだ人ならそれを祝福しますよ)


(ふふっ、よい返事じゃ、その内城に来い!話しが聞きたい)


 謎の人物、副長。

 近々その正体、公開予定。

次回投稿は未定です。

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