第53話 癒やし、発動!
おはようございます。
投稿です。
……いま、イッカイさんの目、赤く光らなかったか!?……
……まさか……
目聡い住人が、どうも目撃したようだ。
(視線は雷帝殿やエリ・ナリに向っていると思っていたが、結構魔力の高い者がこの街にはいるのだな)
目の色は魔力で隠しているが、まぁバレたらバレタまで。
この国の王はこんな人物である。
そう、あまり気にしないのだ。
(隊長、本物の陛下ですよ)
副長が焦りながら詰め寄る。
(わ、分かっている!)
沢山の部下が死んだ、傷ついた。
その中で生き残った者達。
その部下を!
(ここは渡り鳥イッカイとして接するのが正解かと)
(くっ……)
(皇帝陛下、御自ら手を下されたのです、怒りをお鎮めください、隊長!)
(わかった)
「手数をかけたな、イッカイ殿……えっ!?」
驚く隊長の前に出る副長!
「なっ!?」
雷帝が光り出したのだ!
異様な光りと判断した副長は、自然とエリ・ナリ隊長の前に出る。
(ただの発光ではない、今度は何をするつもりだ?)
住人の目は全て雷帝に集まる。
その光りの渦は、どんどんと大きくなり、周囲を呑み込み始めた。
一番ビックリしたのはドリである。
(え?ら、雷帝クン発光している!?いや軽く発光はしていたけど、これ眩しすぎるよぉ!)
「ドリは子ネコ……ドリは子ネコ……涙を……」
耳元で囁く雷帝クン。
なんだか自分が子ネコのような感じがしてきたドリ。
(なに?洗脳されているのかしら?)
ふと、思い出す先日の白黒のヌッコ。
(元気になったら、会いに行きたい……)
「え!?」
雷帝クンの顔が近づいてくる。
ネコのように、ぺろっ、と頬の涙を舐める雷帝。
「きゃ!?」
「……涙はダメだ、涙は……見たくない……」
「……あっ」
何かが身体の中を走った。
それは未知の感覚だ。
心地よい感覚ではなく、痛みにも似た鋭い快感だった。
(やだ!こわいよう!気持ちいいけど、全身がピリピリして……あん!)
銀色に輝く雷精が無数に現れ始めた。
大きさは1㎝くらいだろうか、それは空間を斬り裂くように飛び交う。
「これは?癒やしの光りか?」
副長が驚きの目で雷帝を見る。
雷帝の光りは更に強く、大きくなり、ドリだけではなく周囲まで癒やし始めた!
驚いたのは雷神王である。
(この力、知っているぞ!これは聖女の癒やしだ!なぜこいつが使えるのだ!?)
若は無意識にステータス数値移動を使っていた。
回復に全振りしているのだ。
この世界で桁違いの魔力を有する炎帝と雷帝。
その雷帝が全力で癒やしを行なっている。
結果、凄いことが起きた。
無数にあるポッドが次々に開き始めたのだ!
愕然とする雷神王。
こやつ、全部癒やしたのか!?
あのジジイのポッドは完全品に近い、その完成度の高いポッドさえ凌駕したと!?
「陛下!どうされました!?」
異変に気がつき、思わず駆け寄るエリ・ナリ隊長。
「先の大戦で受けたオレの古傷……癒えたぞ!」
「え?……あ!」
エリ・ナリも魔力で固めていた傷や骨折が、癒やされていく。
「こ、これは!?」
周囲の住人もそうだ。
怪我や、精神的不調が改善されていくのだ。
これからこの若葉街はどうなっていくのだろう、破壊され、首都ホワイトパレスからの多すぎる支援、怪我人に街の復興。
この四月世界、先は見えないのだ。
小さな街など、すぐに消えてしまう。
その不安が希釈されていく!
大丈夫だ、頑張ろう!街中に気力が湧き始める!
今回は、ここまでです。
次回投稿は未定です。
かなり先になるかも知れません。




