第49話 それは真剣勝負2
おはようございます。
投稿です。
(え?そんなカードあるんだ!あ、勇者があるから魔王もあるのか?)
まんまるになった目で、バトルをガン見する白黒ネコ。
バトルフィールドにド派手に登場する『魔王カード』!
ズゴゴゴゴゴッ!
まぁ、どのカードもド派手に登場するのだが。
「だから、早いよ、その召喚!」
「ふん!全体攻撃で皆やっつけちゃうもんね!それ!ブラッド・ディストーション!」
ドオオオオオオオオオオンッ!
ド派手なエフェクト!しかしっ!
「僕のナイトはフィールドに5ターンいたからレベル5、魔王の攻撃でもHP(ヒットポイント、ライフのことです)1残して耐えられる、アーチャーもだよ!」
「!」
「だから、ルールもしっかりと覚えないと!ここで僕は勇者召喚!」
シュウウウウウウンッ!
光りの風を纏い、勇者カードがバトルフィールドに登場する。
「ふ、ふん、私の魔王は二ターン目、レベル2よ!1の勇者より強いんだから!」
魔王カードは、レベル1より図柄がかなり怖い図柄になっている。
いや、カッコいいと言うべきか。
ちなみにレベル5を超えたカードは、立体化している。
「必殺技使っただろ?ライフは半分だぜ?」
「でも防御力は上がっているもの!」
「勇者がフィールドに現れたら、その場にいた者は皆勇者パーティーになる、ステータス、爆上がりだよ!」
「でも、お供はHP1じゃんっ!」
「勇者と魔王はチートカードだよ!ステータスも考えないと!」
「ま、ま、負けないんだからっ!」
(あ、こりゃ負けだな、ルールを知らないと勝てない、それに戦略が行き当たりばったりだ)
暫くすると、女の子の泣き声が響いた。
「うえええええんっ、勝てないようぅ……しくしく……」
「だが先程より、よい勝負だったぞ」
「え?」
遙か頭上から声が聞こえてきた。
見上げる女の子。
「!」
その大きさにビックリし、思わず対戦相手のドワーフ男の子に駆け寄る。
「きゃっ!?」
「そんなに驚くでない、ワシは優しいぞ!」
周囲の大人もビックリして声の主を仰ぎ見る。
「なんだ、イッカイさんじゃねーか」
「さすがに夕暮れ時に出会うと、ビビるぜ」
なんとイッカイは、宿泊した初日で若葉街の住人とお友達になっていた。
その丸太のような腕で瓦礫をどかし、怪我人を運び、潜んでいたブリザード・ワームの幼体を街外に逃がし、夜は夜で豪快に酒を呑み、あっという間に街人の心を掴み、頼りになる存在になっていた。
「戦うんだったら、まずルールを勉強しよう、それがイヤだったら相手をよく見て相手から学べ」
ぽかーんとして、イッカイを見上げる女の子。
そこに巨大な手が降りてきて、優しく頭を撫でる。
なでなで。
「勝負には負けたが、お前のカードはよく手入れされていて綺麗だったぞ」
「えっ!?そ、そう?」
お気に入りのカードを誉められ、嬉しくなる女の子。
「年代物の古いカードだなぁ、誰のカードだ?」
「お爺さまのカード」
「そうか、ならば大事にしないとな。今度は勝てよ?」
「うん!」
(!?)
ここで白黒ネコの耳がピン!と張られる!
(なんだ?争いごとか?)
怒号が段々近くなる。
……おい、逃げるなよ!……
カツカツッ。
(ん?これは、杖の音か?)
……臭いからとっとと消えろ、って言ったのはあなた達でしょう!……
(この声、聞いたことがあるぞ!高級メロンのねーちゃん?)
……ああ、臭せーんだよ!警備隊なんざさっさと解散させりゃいいんだよ!……
声がはっきりと聞こえ出す。
「なんですって!?」
「もう一回言ってやるよ!解散だ解散!この街一つ、守れねーじゃなーか!このクズ!税金の無駄遣いだ!」
「おい、なんだよその目は?響弓に逆らうつもりか?警備隊の分際で?」
白黒ネコの目に映ったのは第六国境警備隊のメンバー支援魔法担当のドリ・リリイだ。
そして彼女を囲む5人の騎士らしき人物。
(うう、こいつら騎士団だし、お貴族さまだ。ぶっ飛ばすのは簡単だけど隊長に迷惑が……)
その様子をしっかりと見る白黒ネコ。
(ポッドから出てきたのか?かなり重傷って聞いたけど)
杖を頼りに歩き出そうとするドリ。
(どうしよう?負けたふりをする?いや、簡単に逃がしてくれそうにないな)
足取りがかなり怪しいドリ・リリイ。
(なんだよメロンのねーちゃん、まだ治っていないようだな、それとも後遺症かな?)
心配になった白黒ネコは、ドリに向って走りだす!
その時、一人の騎士が杖を蹴り、残りの者がドリを突き飛ばす!
「きゃっ!?」
「はぁ?なに可愛い声出してんだよ!誘っているのか?」
「相手してやろうかぁ?」
「なんだ、して欲しいならそう言えよ!」
そう言ってドリを殴る騎士達。
「おい、やり返してみろよ!軟弱警備隊!」
こいつらっ!怪我人を!?
白黒ネコの目が赤く染まり始める!
そして彼女の声が届いた!
(隊長っ!)
ブチッ!
速攻で何かが切れた。
ゴロロロロロロッ。
遠雷が響き渡る。
次回投稿は未定です。
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しくしく。




