第28話 雷神王
こんばんは。
今回はこの時間になりました。
「見事だ、我が拳を蹴るとは!なかなかヤルじゃねーか!」
無視するメイグ姫。
それよりも第六国境警備隊!若葉街だ!
「右近、私が受け取ったビジョン、皆に回覧!左近は定数揃ったら来なさい!」
佇む雷神王。
(おーい、お父さんに返事して?)
グリフォンに鞍を急いで着けているメイグ姫。
(おーい、無視しないで?最近お前、冷たくない?お父さん、悲しいよ?)
絶対に公表されない雷神王の隠された一面。
(この前まで、ワシとガロと三人で、一緒にお風呂入ってたよね?髪、洗ってやったよね?)
だんだんと鬱陶しくなり、ビジョンを王に送るメイグ姫。
王にとっては、ガロやメグはいつまで経っても2、3歳の子供なのだ。
その記憶に引かれるのだ。
王はまず、綺麗な赤い花をイメージで認識する。
明らかに自分の意思とは違う他者のイメージ。メグから送られてきたメッセージだ。
王は返事に、雪原を走る狼のイメージを送る。
これで二人の意識が一部接続される。
(お父さん、これ!)
言葉よりも早く伝わる瞬間である。
メールに添付されている画像、もしくは動画を見せるという感じか。
四月世界の住人がよく使う手段である。
ただし、画像が基本で、魔力が高い者でなければ、動画は添付できない。
これは四月世界の神話、大地の女神が星の男神に綺麗な蝶のイメージを送った話しに由来している。
「!……これは!?」
「王、若葉街が襲撃されています」
「メグ!あの犬どもを守れ!これ以上一匹も死なせるな!」
「え?犬?」
「勇敢である!」
この雷神王は勇敢な者を特に好むのだ。
「勇む者は我の好みじゃ!人、犬の区別は無い!」
「わかりました!行ってきます!」
獣舎の屋根が大きく開き出す!
「響弓!ファー・メイグ!出る!」
大きく羽ばたくグリフォン!
その翼は早く、一瞬で大空の点になる!
ちらり、と雷神王を見る左近。
「なんだぁ左近?ワシは行かんぞぉ、そこまで過保護ではない!見たであろうあの蹴り!ワシを止めたのだぞ、このワシを!」
「見事でした」
「ワシは行かんが、お前らはぁ早くいけっ!ぐずぐずするなっ!」
はよ、はよ、と王が急き立てる。
「「はっ!」」
次々に獣舎に集まる響弓のメンバー。
……え?王さま?……
……なんで獣舎に?……
……隊長じゃね?……
「騎士団響弓!」
王の怒号が響く!
……はっ!……
そこにいるメンバーがそれぞれ返事をする。
「期待しているぞ!」
そう言い残し、王はその場を去った。
……おい、急いで隊長を追うぞっ!……
……き、期待!?……
……ハズレたらどうなんだよ!オレ達!……
……隊長が怪我でもしていたら、俺ら撲殺されねーか?……
慌てて飛び出していく響弓のメンバー。
隊列を成し、大空を舞うグリフォン。
スノーホワイト国の響弓は、グリフォンを駆る騎士団。
国民の信頼も厚く、その隊長は雷神王の一撃を止めるほどの実力の持ち主。
それを眺める王と参謀。
「で、用意はできていますが?ブリザード・ワームが相手なら、速さ重視の装備でよろしいかと」
「……我は行かぬぞ、メグに任せたのだ」
「王のシュネーもいつでも行けます」
シュネーは近衛隊である。
メンバーは8名で構成されており、ガロファノ・スノーホワイトも属している。
ガロはベーグル竜騎士団の団長と兼任である。
「シュネー?オーバーキルだろ。あいつらが動いたならレッド・ブーツ帝国首都まで攻めかねん!出すな!」
「でも、王は行かれるのでしょう?」
「何度も言わすな!行かぬ!参戦はせぬ!」
「……(いや行くでしょう)」
参謀は確信の眼で王を見る。
「……参戦はせぬ、ちょっと見に行くだけだ」
ほらやっぱり!あんたが姫を、このままにしとくわけないっしょ!
参謀はポーカーフェイスだが、口角がちょっとだけ上がった。
「おい、参謀、今、ニヤけただろう?」
「いえ、そのようなことはありません」
今回はここまでです。
次回をお楽しみに!
明日の朝はお休みします。




