第23話 隣国とスノーホワイト国
こんばんは。
今回はこの時間になりました。
この世界は四月世界といわれている。
皆、四月世界の住人だ。
なぜ四月なのか誰も知らない。
ただ、遙か昔からここは四月世界だ、と言われ続けていた。
多分、これからも言われ続けるだろう。
四月世界の北、スノーホワイト国は雪と氷の国で、周辺国から貧困国と言われていた。
何も無いのだ。
しかし住んでいる住人達はそうは思っていない。
それが日常だったからだ。
膨大な大地を所有していたが、氷と雪に覆われ作物は限られたものしか収穫できなかった。
彼らは狩りをし、感謝のお祭りをし、日々の生活を送っていた。
侵略する者さえいない国だったのだ。
ただ、塵、廃品の投棄はかなりあった。
隣国からゴミを捨てに来るのだ。
どんなに抗議しても止まらない。
抗議はするが、広すぎる土地。住人達はその内、雪と氷に埋もれてしまうだろうと諦めた。
彼らは基本、争い事が嫌いだったのだ。
そんな歴史の中で、異端とも言える王が誕生する。
その王は環境魔法を開発し、地下資源を発掘(この地下資源は遙か昔の遺跡も含まれる)、スノーホワイト国をまとめ上げた。
それは列強の一国に数えられるほどだ。
この王は自国に捨てられた多くのゴミを解析する。
ゴミの山は宝の山だった。
兵器の試作品、不良品、そこには何でもあった。
王は、その創意工夫で環境魔法を編出し、他国に追いつき、追い越したのだ。
しかし、軍事面に関しては一歩遅れていた。もともと争いを好まない民。
そこで次の王が現れる。
雷神とも言われる王、マグナルナル・ファー・ガブ・スノーホワイト。
『皆殺しの雷神』。
好戦的で非常に好色。
戦いに出れば、必ず勝つと言われ、王自ら先頭に立ち侵略者どもを皆殺しにした。
そして襲いかかるハニートラップの数々。
隣国から次々に送り込まれるハニーさん達。
結果は、この雷神王が大喜びするだけだった。
ハニーさん達は一人も帰ってこない。それどころかハニーさん達の国の重要機密が次々に漏れ始めた。
ハニーさん達の裏切りに大激怒した隣国、今度は刺客を大量に送り込む!
しかし、これまた誰一人帰ってこない。それどころかセキュリティーのレベルがドンドン上がっていった。
ここで隣国は考えた。オレ達が彼奴らを強くしてんじゃね?
ならばどうする?
広大な領地。少しずつ切り取っていけばいい。
揺さぶりだ!雷神王は一人、領地は広大、あらゆる面から攻めれば弱体化していくはず。
この作戦は功をなした。
騎士団響弓、ベーグル竜騎士団等は他国騎士団と対等以上に戦えるが、その他の騎士団、戦士たちは練度が足りない。
魔法使い、ヒーラーは定数が揃わないほど不足していた。
隣国はじわりじわりと威力を高め、切り崩しを図った。
飛龍一匹でガタつくほどになるスノーホワイト国。
もう一押し!
が、ここでその策が次々に破れ始めた。
たった二人の戦士が全てを台無しにしているのだ!
どこからか現れた雷帝と炎帝。
雷神王に優るとも劣らない強さ。
飛龍を一撃。
ブリザード・ワームを一撃。
これだけの戦士、どこにいた?各国を調べるが該当者はいない。
遠い異国の戦士か?何処かに名前が残っていないか?四月世界の住人ではないのか?
ぜそのような戦士が、スノーホワイト国のために戦うのだ?
そこで今回の作戦が構築された。
スノーホワイト国の力を削ぎ、雷帝と炎帝の力を探る、出来れば抹殺する。
そして、隣国である神聖レッド・ブーツ帝国の宣戦布告として、若葉街一つを消す。
これに伴い、残り二つの国もスノーホワイト国に傾れ込む予定であった。
スノーホワイト国はこの四月世界で、最も戦をしていない国。
魔力による通信網や結界が出来ていないのだ。
飛龍やブリザード・ワーム、敵意や害意の位置特定が遅すぎるのだ。
どうにかすると、冒険者ギルドの方が先に見つけたりする。
これこそが弱点。
強力な呪符と隠密の術で軍を侵攻させれば、気がつかないはず。
そして神聖レッド・ブーツ帝国には、魔王に匹敵する術者が存在する。
この者の呪符と術で侵攻し、環境魔法を奪う、今回の作戦の全貌である。
ビュウウウッと雪原に風が吹き荒れる。
粉雪が舞い、辺りが白く濁り始める。
その中に3つの影があった。
影は微動だにせず、遙か遠方の炎帝を見ていた。
「聞きしに勝る豪剣だね」
「誉めるな、敵だぞ」
「……評価は正しくしなければ、死に直結する」
次回投稿は未定です。
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次回サブタイトルは 第23話 敵将 の予定です。




