第17話 第六国境警備隊の要
おはようございます。
投稿です。
(ええっ!?だ、だって可哀想だったし……逃がしたくなるじゃん!)
「ふ、副長が魔王さまでしょうかねぇ?あははっ!」
ぴったりじゃん、とか内心思うドリ。
実はラスボスでした、って感じが滲み出ていないか?
そう言う目で見ると、見えなくもないのがこの副長である。
隊長に次ぐ実力の持ち主なのだが、どうも自分を抑えているように見えるのだ。
「ほう、副長が魔王?私ではないのか?では私は?」
さて困ったと、シュウミンとドリ。
魔王の上?
「「大魔王さま、とか?」」
ここで副長が助けに入る。
怖いお顔を装っているが、明らかに眼が笑っている。
ちょっとほっ、とするシュウミとドリ。
ああ、もう大丈夫だと安堵する二人。
「そこらでお許しを、シュウミン泣きそうですよ?」
「……わかった。すまない、シュウミン、ドリ、もう一度ネコに会いたかったのでね」
もともとこの警備隊は一角パンサーを駆る部隊。動物の世話が出来なければ、基本入隊出来ないのだ。
そんな中、珍種のネコ。それも日頃世話をし、伴に国境を駆け巡る一角パンサーの似て非なる生き物。
ちっこいのに威嚇してみせる姿は、隊員達の心を鷲掴みにしているのだ。
(もう、来ないかも知れないな……)
少し寂しげな隊長。
そこで、今度は隊長をフォローする副長。
「大丈夫ですよ、隊長。また来ます」
疑いの目を向ける隊長。
「……そうか?一角は一度嫌な目に会うと、それを覚えて近づかなくなるが?」
「いえいえ、あのネコ、結構言い思いしてませんでしたか?」
三人をそれぞれチラ見する副長。
「提案ですが隊長、今度は何かエサを与えましょう、餌付けです、どうでしょう?」
「「「!」」」
女性3人の眼が輝く。
「「「そうね」」」
その目の輝きに、ちょっと気持ちが後退する副長。
「罠ではありませんからね?あくまでもエサですからね?」
今度はネコの心配をし、ネコまでフォローする始末。
そう、この副長こそこの第六国境警備隊の要である。
「明日の巡回の班分けができています、資料も人数分用意しています。どうです?今からでも検討できまが?」
「眼が覚めたな、ドリ、シュウミン、付き合え」
「はい」(えええええっ!?時間外よ!時間外っ!)←ドリ。
「はい」(はぁ?もうパジャマ着替えて寝る寸前だったじゃん!)←シュウミン。
余計なことを、と睨二人に睨まれる副長。
第六国境警備隊の要、副長・都志 明。
だがその心の真ん中には隊長エリ・ナリが鎮座しており、すべてにおいて隊長が優先事項一番であった。
(班分けは重要だ。明日の朝まで憂いなく隊長には睡眠を取ってほしいからな、今日中に終らせたい)
遠い東の国から修行のため訪れたスノーホワイト国。
彼はこの国がとても気に入り、ここで暮らすようになった。
と、自ら語っているが、真相は誰も知らない。
彼は自ら多くを語らないのだ。
それでも信頼厚く、不思議な魅力のある人物、それが第六国境警備隊の副長なのだ。
(ネコ、無事に雑貨屋まで辿り着いたか?寄り道などしていないだろうな?隊長やドリの悲しむ姿は見たくないからなぁ)
寄り道。
そう、副長のカンは当たっていた。
白黒ネコは希少種エルフ、ニャオ先生の窓をカリカリしていた。
日曜日はお休みするかも知れません。
ではまた後日。




