第37話 祠へ
おはようございます。
投稿です。
「こちらです、お姉さ……ご主人さま」
「ご、ご主人さま!?」
ユウバは、お姉さまからご主人さまに進化した。
いや、あくまでコジリンの目線、コジリンの中で、である。
「……お嫌ですかぁ?」
ユウバが聞き返しただけで、泣きそうになるコジリン。
嫌われた!と一瞬で思ったのだ。
「わ、私は今からご主人さまの槍持ち、従者です。認めて下さったのでしょう?」
《ち、ちょっと!コジリン、涙が溢れそうよ!》
「すきに呼べ」
「あ、ありがとうございます!好きにします!」
「呼べと言ったのだが?」
「私のご主人さまは、優しくも寛大です!」
《ねぇ、聞いてる?私のお話ぃ、ちゃんと聞いている!?》
「なーお」
そんな様子を、耳を動かしながら聞いている白黒ネコ。
(かあちゃん、面白いお姉さんだね)
(そうか?なにか勘違いが酷くないか?)
(そう?でもさぁ)
(なんだいベビィ?)
(このお姉さん、優しい匂いがするよ)
「《〔!〕》」
「そうか、どんな匂いなのかは知らないが、ベビィは気に入ったのだな?」
「ナーオ」
(これから何処に行くんだい?女神グネしゃんのところ?)
(ああ、その前に女神チャウさまの祠に挨拶に行く)
(挨拶?)
(ベビィ、暖かい毛布と美味しい食べ物、お世話になっただろ?)
「ナーオ」
(そう、だからお礼に行くんだよ)
「ナーオゥ」
行き先は女神の祠。
これが結構ドワーフの村から離れている。
空は、青空。
いい天気である。コジリンは緊張しているのか、何も喋らなくなった。
さて、この世界の住人、大事な情報源だ。
何から聞こうか、とか考えている魔女回路。
すると、遠方に大きな木が見えてきた。
大地はドワーフ達が幾度となく通っているのだろうか、草が踏みならされ、道のようになっている。
(大きな木だね、道が続いているよ!)
楠だろうか?おそらくあそこであろう、と思いながらコジリンに着いていくバトルモード・ユウバ。
《女神にお礼かぁ。先を急ごうよ!あいつ、絶対何か企んでいるって!》
(この世界の女神だ、繋がりを太くしていた方が良い)
《四月世界の影響は?女神グネが降格してマズいことになっていない?》
(一の賢者達がなんとかしているだろう、こちらでは知りようがない。それに……)
《それに?》
(私の行動を、じっとベビィが見ている)
《え!?》
(ベビィの前身は雷帝だ、誰が育てたのかは知らないが、ベビィには雷帝以上の存在になってほしい。そして雷神王を超える存在に!)
《目標でかくねぇ?》
(雷神王は乱暴者だが、礼には礼を返すと聞いた。ベビィには恩義を知る格好いい戦士になってほしい。だから私は出来る範囲で誠実に振舞う、そう決めたのだ)
《もう一回言うね、目標でかくねぇ?普通でいいよぉ!》
(ベビィは色々なモノを見ている、そして聞いて動いている。私はいい手本になりたいのだ)
《ふーん、ベビィが見ているのはオッパイばかりじゃないの?雷神王は女好きと聞いたし。今だって歩く度に揺れてるコジリンのパイパイを見ていない?》
(え!?そ、そうなのか!?)
その時、コジリンが緊張を解き、静かに槍を構えた。
〔ほう、動き、構え、悪くない。槍の経験があるな。それにコヤツ、緊張を解いて槍を構えた〕
魔女回路がコジリンの動きを記録し始める。
横の轍から現われたのは、数名のドワーフ。
このドワーフ達は、気配を消して行動していた。
ユウバは気がついていたが、コジリンの反応を見たかったのだ。
「お?こじらせコジリンじゃん!」
「あ、コジリンとユウバさまだ!」
子供のドワーフと両親だろうか。
皆、背中に何やら作物を背負っている。
今回はここまでです。
次回をお楽しみに!
次回投稿は明日の朝を予定しています。
毎回ご愛読ありがとうございます。




