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プロローグ

【NC旋盤】と言うものをご存知であろうか。

そもそも旋盤とは?


分からない人が大多数だし、むしろそれが普通だ。もしかしたら金属を加工するための機械…という漠然としたイメージを持っている人も居るかもしれない。


しかし機械加工の仕事をする僕らにとっては常識だし、むしろ知らないと馬鹿にされる。無いと仕事にならない。

そんな【工作機械】だ。





「幌札工業高校機械科出身の”泉海廻(センカイ マワル)”と言います!

これからよろしくお願いします!」





こんな挨拶でこの会社に入社して早半年。


僕は初めて担当のNC旋盤を自分1人で動かそうとしていた。

今まではNC旋盤を動かす準備作業…よく”段取り”と呼ばれることをずっとしてきた。

機械に工具を取り付けて、材料(ワーク)を掴むための生爪を用意する。


この会社は量産工場では無いがそれでも毎週、毎月、毎年…色んな頻度で同じ仕事が来る…いわゆるリピートの仕事があって、どんな工具を使うのか、プログラムはどこに保存してあるのか、専用の道具、注意事項などがまとめられた”手順書”通りに機械をセッティングする。今まではそれが主な仕事だった。


今までは…


「っ…」


大丈夫だ…今まで通りに…


横からチラチラと視線を感じる。今まで面倒見てくれた上司だ。いかにも心配そうな顔をしてる…


僕の後ろには誰もいない。誰も見てくれない。今日からは僕1人。


NC旋盤の操作盤の前でバクバクと心臓を高鳴らせながら送りダイヤルを0に。シングルブロック、オプショナルストップ、ドライランのボタンを押す。ボタンが点灯し有効になってることを確認した僕はプログラムが先頭になってることを確認し起動ボタンを押した。


プログラムが1行ごとに実行されていく。



タレットが回転しガチャンと工具が呼び出される。出てきたのは荒取り用の外径バイト。同時に材料を固定した主軸が回転を始める。


そして工具補正を読み込んで、ついに工具が動く。


【GOO X40.0 Z2.0】


このプログラムを実行し、送りのダイヤルを0から10%に上げた瞬間、X軸とZ軸を動かすサーボモーターの駆動音と共に工具の刃先が回転する材料にゆっくりと近づいた。


実際はまだ削る材料は掴んではいない。プログラムが正常か、誤りはないか、爪や他の部分に工具が干渉しないか

それを確認するために最初は材料を掴まず空運転するのだ。


頭ではこれが正常な動きと分かってはいても、回転する金属の塊に刃物を近づける(想定)というだけで心臓が痛くなる。



何せこのNC旋盤、一目見ただけでサビが目立って、塗装もハゲハゲ、機械自体が古臭い。見た目通りのオンボロ機械だとしても…

【G01】と【G00】

【プラス】と【マイナス】

プログラムのたった一つの打ち間違いで、ドカンッ!!っと機械が壊れてしまう。そしてこんなオンボロでも僕の軽自動車よりは高い。

初めて自分1人の運転で公道に出た時みたいな緊張感だ。


【G00 Z1.0】


削り出す1歩手前まで来た。もう1回起動ボタンを押せば本番であれば超硬チップっていう工具の先端に取り付けられた刃物が鉄の塊にめり込んで削っていく(想定)。

息を飲んで高鳴る鼓動を感じながら起動ボタンを押した。


プログラムが進む。


【G01 X-2.0 F0.3】


送りダイヤルを少しずつ回す。

操作盤の画面のX座標値が【X40.0】から【X-2.0】に向かって0.001単位で目まぐるしく変わっていく。

刃物が一気に近ずいたさっきの早送りとは違って、切削送りは基本的にゆっくりだ。早送りみたいな高速では削れないし少なくともこの古い機械にそんな力はないから故障待った無しだ。


刃物が終点に近づくにつれて、主軸の回転速度がどんどんと増していく。音が変わる。

空気をかき乱すブァァっという風の音。今実際に材料を掴んで回転させる三つ爪チャックは2500rpm。毎分2500回転という速さで回転している。

車のタイヤの直径を78㎝と仮定すると、2500rpmは時速360㎞で走る車のタイヤに相当する。


もちろん巻き込まれでもしたら一瞬で肉塊だ。


切削液が混ざったミストがそんな風と共に流れてくる。


(くせぇ…そろそろ交換かな…)


それから十数分、確認のためのドライランは時間はかかってしまったが無事に終えることができた。

間違っていない。


そりゃそうだ。


このプログラムはずっと使ってきてるわけだし、変更もしてない。


落ち着かせるようにさりげなく息を吐くと、視線を落とし傍らに置いてあった鉄の円柱をもった。

こげ茶…黒に近い状態の鉄。これが最初の姿。黒皮付き丸棒と呼ばれるものだ。


持つとわかる。全然なめらかじゃないし、むしろ手が黒くなるほど汚れてる。丸棒と言ってもいびつな丸だ。

断面というか、切り口はギザギザで鋸目と呼ばれる状態。



本当にこんなのが製品になるのか?



そんな鉄くずに見える。きっと世の中の人はそう見るんだろうな。


そんな丸材を軽くウエスで拭ってさっき回っていた三つ爪の真ん中へ押し込む。コツンと手ごたえを感じた。

足元のペダルを踏む。


チャックからウィィィンと油圧がかかる音がすると、三つ爪が狭まりがっちりと丸材を掴み固定する。

人の力ではどうにもできないほど強力に固定されたのを確認。


(いよいよ削るぞぉ…)


ドライランを解除。工具補正をいじって取り代を付けて準備は完了した。

これからあえて大きめに削って寸法を追い込むためのテストカット。


今のセッティングは言うなれば仮の状態。1/100㎜の精度を出すなら1/100㎜の精度で工具がついていなければならない。しかしそれは無理な話なわけだ。

だからテストカットで実際に削ってみて、どれだけずれているのかってのを確認する。


ここまできたら削るしかない。

確認事項は全部終えた。考えるだけ無駄だ。


さっきと同じようにシングルブロックを有効にして一行ずつプログラムを進めていく。

主軸回転。今度は掴んだ丸材ごと高速回転する。


ついに来た。

周速150m/sに回転数が調整される。


【G01 X-2.0 F0.3】

切削送りで X-2.0まで 一回転で0.3㎜のスピード。

間違いない。

材料…以後ワークと刃先の位置関係もおおむねプログラム通り。問題ない。


起動ボタンを押し、送りダイアルを100%に徐々に上げていく。

刃先が回転するワークに近づく。


【カカカカ】


刃先とワークがこすれる音。問題ない。

回転するワークの中心を若干過ぎたところでX軸の動きは停止した。ここが【X-2.0】の場所だ。俺の操作を待っているかのように次のプログラムを強調するおんぼろNC旋盤に催促されるがまま起動ボタンを押し工具をワークから離し、今度はさらに1㎜シフトしたところで【G01 X-2.0 F0.3】を実行した。


さっきは掠れただけだったが、今度はさらに1㎜追い込んだ位置だ。刃先がワークに近づき触れた瞬間、白い煙が発生。削り始めた合図だ。

煙が少量風に乗って漂ってきた。油が焦げる匂いだ。

黒皮を削った匂い、焼けた匂いか…不思議な匂いが鼻につく。


シュルシュルシュルと超硬チップで削られた切りくずが、切削熱ですぐに酸化して青色に変色しながら切子受に落ちていく。切子と呼ばれる切りくずがクルクルと繋がった状態で落下していく。


直径40㎜の端面加工なんて秒で終わる。


端面の荒加工は終わり。今度は外形だ。一番旋盤らしい、旋盤してるイメージがこの外形加工だと思う。


φ40㎜から一気にφ30㎜に削り落とす。NC機械は速さ命。モーター出力最大限使って切削する。

【G00 X30.0】

【G01 Z-60.0 F0.35】

黒皮の層は意外に硬いから、あまり欠けやすい刃先で削りたくないってのもがっつり切り込む理由の一つ…だそうだ。


黒皮に覆われていたワークが削られたことで光沢をもった奇麗な切削面が見えてくる。

俺はこの瞬間が気に入ってる。岩から宝石を取り出すとか…そういう感覚に近い。汚かったものが美しくなって生まれ変わる。製品としての価値が生まれる。

これが削った瞬間に起きる。


切子も切削条件が良いのでバラバラになってパチンコの玉のようにカチカチ切子受に落ちていく。切子の巻き付きの心配がない良い切子だ。


しかしここまでしっかり切り込むと切削熱は尋常ではない。このまま加工を続ければ刃先の寿命が短くなってしまう。


半開きだった機械の扉を閉めて、切削液クーラントをONにした。白い液体が刃先の近くのノズルから噴射されてワークと刃先を冷却する。

水しぶきで窓の中が一切見えなくなる。ここからは“音”を聞いて判断しなきゃいけない。

【ガガガガ】

【ゴリゴリ】

ここら辺の音が出た時はたいていよくないことが起きてる。

刃先が欠けたとか、チャックの把握力が負けて回されてしまっているとかならまだいい。刃先を交換すればいいだけだ。

掴む力を上げてやればいいだけだ。

厄介なのは

【バゴンッ!!!!】

っていういかにもヤバい音。

ワークがぶっ飛んだ時は泣きたくなる。


幸いにも今はモーターの唸る音だけ。えぇっと主軸負荷90%…まぁこの機械だと限界に近い条件かな


大丈夫そうだ…うん。よかった…


そう思った矢先


【ガゴッ】


「ん?」


直後だった。

1番聞きたくなかった音が頭の中いっぱいに響き渡った。


【バゴンッ!!!!】
















「うぁっ!!!!」


僕は1人ベットから飛び起きた。心臓の当たりが握りつぶされるような緊張。心臓もバクバクと荒い動きをしてる。


「悪夢…ってやつか」


にしてもずいぶん前の夢を見たなぁ…旋盤を仕事にした初めての加工だったか


こんな飛び起きるほどの記憶ではあったが…それでもどこか懐かしい様な気もして微妙な気分だった。


「おかげで目覚めはバッチリ。…さて今日の予定は…あぁそっか」


予定を思い出した僕は寝巻きから選択したばかりの綺麗な作業服に着替えて、寝癖が付いた髪を押しつぶすように安全帽を深く被った。

多分帽子取った時には寝癖は矯正されてるだろ。


着替え終え部屋を出た僕は、階段を降りて共有スペース兼休憩所な部屋に向かった。


「あ、おはようございますっ!」


「あぁおはよ、」


数枚の食器を抱えた少女とばったりと会う。綺麗な赤い髪の毛が朝焼けに照らされてメラメラと燃えているようにも見えた。


「いつも朝早いね、眠くないの?」


「私のお勤めですから苦でもありませんよ? それにモタモタしてたらみんなの朝ごはん遅れちゃいますからねっ!」


「…なんか僕が言うのもあれだけど無理はしないでな」


「はーい!」


彼女は早朝の気だるさを感じさせないハキハキとした表情で奥の部屋に入っていった。まぁそこに僕も向かってるわけだけども


扉に手をかけたちょうどその時、上の階から大きな声が響いてきた。


(アーーーサーーーーダーーーーゾーーーーー!!!!!)


(…)


(オーーーーキーーーーローーーー!!!!!)


まぁニワトリが朝コケコッコーと鳴くのと同じ感じだ。

そんな日常を感じながら部屋に入る。周りに比べたら少し広々とした空間だ。


「あ、いい匂いする」


「いつも第一声はそれですね」


さっきの赤毛の女の子が既にテーブルに人数分の食器を並べているところだった。

しかしこの美味しそうな匂いは…奥からか。


朝から何を作ってくれたんだろう…とりあえず美味しそうな匂いなのは確かだ。


僕の席…という訳じゃないんだけど、いつもの定位置に座るとフライパンを持った彼女が近寄ってきた。


「お皿失礼しますね〜」


「あ、ごめんねレミ」


僕のお皿に美味しそうなスクランブルエッグがフライパンから滑るように盛られた。


「いえいえ、今日はお出かけでしたよね? なのでマワルさんだけでもお早めにと思って」


「どうかな、どのみち上の2人の準備が出来ないと出かけられないからね」


「それもそうでした…ぁはは」


「2人ももうそろそろ降りてくると思うから、レミも座りなよ」


「ですね、じゃあみんなのもパパっと盛り付けちゃいますね」


エプロン姿の赤毛の女の子。名前はレミ。俺もまだ若いが彼女はさらに若い。

見た目は16とかそんなもんだろ。普通にJK。

本当に色々あって今は住み込みでこの…工場…会社…一応俺が代表の会社で家事全般をして貰ってる。

別にやましい気持ちはない。


彼女は非常に良く働いてくれる。頭が上がらないよ本当に


「ししょーー! おっはようございまーーーーすっ!!!!」


「姉ちゃん朝から叫ないでよ…それに仕事の時間は8時半からだって何度…」


元気有り余る感じの短めの髪型の金髪少女。


「おはようね2人とも。キリエはいつにも増して調子よさそうだね」


さっき上から聞こえてきた盛大なモーニングコールの正体は言わずもがな、このキリエの仕業だ。見た目どうりの女の子って感じの元気を分けてもらいたいくらいの子だ。


「ヨナもおはような。あと何度も言うけど始業時間に朝ごはん食べるつもりかな ?」


「いや…そういうことじゃ…」


こっちは弟のヨナ。朝はめっぽう弱い。背は姉のキリエよりは高く俺もいつ抜かされるかって感じ。歳はキリエが18、ヨナが17だ。

18歳が少女かと問われれば悩むが、キリエはの場合体格が年下のレミと同じくらいかつ、見た目と行動に元気さが有り余っていて若く見える…言い方を変えれば幼く見えるからかなぁ


一方ヨナは長身だがあんまり積極的には口を開かず、どちらかと言えば人より動物と戯れている方が楽しそうな表情になる。そんな子だ。


「ししょー、今日はお出かけだったよね!」


「そうだね、今日はゴウさんの所に寄って切子の買取と試験材も受け取って、村長さんの所に行って仕事を貰ってくる。その間僕はここ離れることになるけど…」


食卓を囲みながら今日の打ち合わせと言うか予定の確認を進める。


「分かってる。残り30本の軸の加工は僕がやっておきます」


「お、じゃあ頼むね」


ヨナがパンを食べながらボソッと呟く。こういう会話にも慣れてきて、なんでか聞き逃さなくなったな。慣れ…という物なのか。


「んで、ゴウさんにはいつもお世話になってるからね。なんか差し入れと言うか、何か持っていきたいんだけど」


「それなら良ければお酒とかどうですか? 父から送られてきたんですけど…私お酒飲まないし、ゴウさんなら喜んで貰えると思います」


レミが食器棚の近くから大きな酒瓶を持ってくる。確かにゴウさん酒好きだから喜んでくれるとは思うけど…


「そういう事なら受け取るけど…本当に良かったの?」


「マワルさんが飲んでくださるのなら、それはそれで面白そうなので良いですよ? ちなみに父のお酒はどれもキツいと聞きますが」


…飲めなくはないけどそんなに強くないから止めておこう。酔って何しでかすか…自分が怖いからなぁ…


「それから、何か足りなくなった物とかは無いかな? 出かけるついでに買ってこようと思うけど」


「そう言えばさP種用の超硬チップってあと1ダースしかないよね? 今回の村長さんのお仕事って大っきいって言ってたけど足りる?」


「キリエの言う通りチップなぁ。ミカさんに複製を頼んでるけど消費に供給が追いついてない。まぁ今に始まったことじゃないが…事業拡大するにはチップの安定供給が必要だよなぁ」


「ですね。ミカさんへの複製費用で加工コストが跳ね上がってるのが現状ですからね。お客さんを増やすには跳ね上がっている原因の大部分のチップの安定供給をどうにかしてコストを下げるしかないですね」


その通りだ。前の会社では1時間5000円程度の価格だった。しかしここでは1時間10万円近い事になってる。これでも僕たちの利益はそれ程でもない。

ほとんどがチップの複製を任せているミカさんに支払う事に消える。


だから今のお客さんは大金を動かせる村長さんとか、名の知れた商会さんとかが主流。ぶっちゃけ公共事業だ。


それだけじゃ将来が不安で、もっと幅広いお客さんを持ちたい訳だが…どうしてもアホみたいな加工費になってしまって上手くいかない。


何とかしないとな…この会社のためにも…何よりこの子達のためにも。


何百年も続くような大企業にする予定は無いし、この子らが将来どうしてるかなんて分からない。もうここにはいないかもしれない。だけど俺がいる間は安泰…そんな場所にしたいってのが今の望み。


もちろん、いずれは僕達と同じことが出来るライバルが出てくる。でも、そんな時に「ここでしか出来ない事」が残っているような少し鼻が高い会社であれば良いとは思ってる。


「どうされましたか?」


食事の手が止まっていた僕を心配してか、じっとレミが見つめてた。


「…10年、20、30年後はさ、この会社と君たちがどうなってるかなぁと思って」


「どうなってるって…」


不思議そうな顔でキリエが首を傾げた。


「私達はずっと師匠の弟子だし、もっとおっきくなった工場で働いてるだけだよ?」


「コクリ」


「君ら…なぁ。もっとこう…あるだろ? 自立するとか結婚するとか、いっそ独立するとかさ」


そうだ。君らはここの社員ではあるが、奴隷じゃない。君らの人生の選択肢がここしかない…なんて事にはしたくない。

ここがいいならずっと居ればいいし、嫌になったら飛び出していけばいい。

”色々あった”君ら姉弟だからこそ、そういう認識でいて欲しいと思ったんだが…


「私達は…お邪魔でしたか…グス…」


「え?」


「そりゃレミさんと2人のラブラブに私達は邪魔ですけど…私達は…キリエは…」


「はぃ? とょっとまてキリエ」


「そ、そっそ…そうですよ! いつ私がマワルさんと…い…ぃい…いちゃいゃちゃなんてっ!」


顔真っ赤なレミさんかわゆい

…じゃなくて


「あのな、キリエ、ヨナ。僕は決して君らを邪魔なんて思ってないぞ? ただ選択肢を広げておけって言いたかったんだよ。僕が君らを救ったからってここに囚われることは無い。大事なのは君らの人生だ。好きなことやって生きてけってこと」


「ししょー…」


「師匠…僕らはここ以外の居場所を知らない。頼る人も居ない。だけど師匠の言うこともわかる。…無理だと思うけど一応…考えてはおく。だからその間は多少のイチャつきは我慢する」


「おい小僧」
















俺がこの異世界に来て1年。長くもあり短くもあったここまでの道のりだったが、道のりはまだまだ長い。


何で呼ばれたかも、この世界ですべき事もよくわかってない。


俺に勇者の力みたいな大層な物は無かった。魔法もない。

あるのは持ち合わせた旋盤の知識と技術。


そしてたった一つのノートパソコン。


これを与えてくれたのが神様だと言うのなら、やるべき使命はただ1つなのだろう



「俺は異世界で旋盤して生きていく」










「はい、では今日も一日」


【不安全行動に注意して、無理なく怪我なく安全第一に務めましょう!】



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― 新着の感想 ―
[良い点] 旋盤が出だしで出てきてびっくりしました。ただの冒険ではなく、技術を基にした異世界ライフは大好きなので楽しみにしています。
2020/02/02 22:39 退会済み
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