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番外編:01/本編30話―将来のこと―のメインの話になるはずだったもの。お蔵入り再編集※キームン寄り




本編30話―将来のこと―のメインの話になるはずだったものです。

書いていた段階でルートが決まりそうな勢いになってしまったのでお蔵入りになったものを再編集しました。キームンよりと言うかメインの話。 短いです。

これはIF設定になるのか……?







 うつらうつらと微睡の中で内容を覚えていない夢なのに楽しかったという気持ちだけが思い出されて、ふふっと笑いが零れました。


「ルゥ様? 起きていらっしゃるのですか」

 私の小さな声を拾ったキィが心配そうな顔で覗き込み、あのすらっとした手を私の額に当てます。

 キィの手は少しヒンヤリして気持ちいい。


「熱は……まだ下がりませんか」

「ごめんなさい」

「謝る必要はありませんよ」

 少し泣きそうなキィはベッドの側の椅子に座り、額に落ちていた前髪をそっと左右にどかして濡れたタオルを乗せてくれます。


 昨日の魔術修行の時。

 自身の魔力の制御が甘いまま発動しようとして、魔力を解放できずに自分の中に逆流してしまった結果の産物。

 この熱は魔術では癒せないので風邪の時と同じ対処しか出来ません。

 魔力を吸い出せばいいのかと思いましたが、仮にできたとしても今度は相手が同じ症状になってしまうらしいです。

 薬はなく、冷やして熱を取りつつ眠るのが適切な処置なのです。

 

 寝ていないのかいつもより顔色の悪いキィ。

 気分がというより精神的に自分を追いつめている感じがして心配です。

 


「不甲斐ないです。ルゥ様の魔力暴走を抑えられなかったなんて」

「キィのせいじゃ、ないです。私が悪いのです」


 そう、キィのせいじゃない。私が焦っていたから起きた事故。

 早く強くなりたくて自分の力を過信して。

 あの時キィが対処してくれなかったらもっと酷いことになっていた。


 それなのに寝込んだ状態の私を見て、キィはどうしてか自分の責任と項垂れてしまっているのです。

 どうにか誤解を解きたいのに。


「ルゥ様、聞いてもよろしいですか」

「はい」

「何を焦っておいでですか?」

「……キィ?」

「普段の貴女ならあんな無茶はしないでしょう」

「それは……」


 私は自分のしたいことが分からなくなている。

 この世界で何がしたいのか、何ができるのか……。

 わたしの将来の夢ってなんだろう。

 キィに相談しても嫌がられないかな。


「キィ……聞いても良い?」

「ルゥ様? 」

 珍しくキョトンとした表情のキィに思わず笑みが零れます。

「キィの夢って何ですか?」

「夢、ですか? ……そうですね、ルゥ様と共にいることですかね」

「それは夢じゃないような……じゃあ、したいことはないですか?」

「ルゥ様とデートでしょうか」

「そんな事ですか?」

「私にとってはそんな事ではないのですよ」

「そうですか?」

「そうなのです」


 ふんわりと笑うキィに何かはぐらかされた気がします。むー


「それで、何を悩んでおいでなのですか?」

「分かりますか?」

「えぇ、集中力がありませんでしたから。でも、気付いていながら対処が遅れたのは私の失態ですね」

「だから!キィのせいじゃないのです!! あっ」

「ルゥ!」


 慌てて起き上がったせいでくらっと来てしまい、横に倒れそうになるのをキィに支えてもらいました。

 またまた失敗です。

 おそるおそる見上げればちょっとお怒りモードのキィ。


「……ごめんなさい」

「まったく、これだから目が離せない」


 キィが怒ってる。

 キィをそうさせてしまった自分の不甲斐なさに目の奥が熱くなってきます。

 ここで泣いたらキィはまた自分を責めてしまう。

 そう思っても勝手に涙が出そうになって……。


 ぽんと頭に暖かい手が置かれます。

 ビックリして涙が引っ込んで、目をパチパチしながら上を見上げれば苦笑いのキィ。


「すみません、怒っている訳ではないのです。またルゥを守れないのかと自己嫌悪してました」

「キィはいつも守ってくれていますよ?」

「えー、あー。すみません、ちょっと待ってくださいね」

 そう言うと片手で顔を覆って、あーとかマズイとか耐えろとか? なんでしょう? ……あれ、ちょっと耳が朱い?


「キィ、あの…」

「えーとですね。ルゥが何を悩んでいるのか分かりませんが、ゆっくりと答えを出せばいいと思いますよ」

 時間はたくさんあります。とニッコリ微笑むキィ。


「それに」と言い、両手を私の頬に添えて額にキスを落としてあのふんわり笑顔。


「ルゥはルゥです。他人と比べても仕方ないですよ」


 キィの行動にビックリしてでも、その言葉が嬉しくて。


 顔が熱いのはきっと熱のせいで。


 だから「ありがとう」と微笑みを返します。

 うん、私は私。


「悩みます。考えます。だからキィ、迷ったら相談に乗ってくれますか?」

「喜んで。でもまずはお休みください、皆様心配しておられますので」

「はい」


 明日はきっと元気になりますから、

 おやすみなさい、キィ。





読んでいただきありがとうございます!

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