63話 今年こそあるはずの模擬宇宙戦な件
目指せ!100話までに、一万pv以上&100pt以上!
☆
俺はアカリを俺の寮に入れて、教室に向かった。
教室は、一年生の時の教室と同じ部屋である。
前世の日本では教室に合わせて生徒が移動する形なのだが、ラザフォード学園では9年間同じ教室に通う。
ついでに、担任も9年間同じ。
何でかって?
知らん。
「………エルン、久しぶりだな………」
後ろから声がした。
その声の主はニックだった。
「久しぶり。メガネ変えた?」
フレームの色が前と違う気がする。
前はブラックだったのだが、今のは少し、青が入っているような……。
「……ああ、気づいたか。パーリェンの魔石で稼いだ金で、メガネを新調したんだ………」
親から貰った金ではなく自分で稼いだ金で何かを買うのは、金持ちボンボンにとっては本当にいい経験だよ。
金のありがたみが少々わかるからな。
「パーリェンでどんな魔物を狩ったんだ?」
「……鹿型274匹、狼型35匹、ドラゴン1匹だったかな……」
ドラゴンを狩ったのか。
ニックの班の他のメンバーはストックと、ラースとかいう俺レベルのモブだったか?
どうやってドラゴンを狩ったんだ?
ストックが剣で斬ったのか?
「すごいな」
「………どっかの誰かの巨大な魔石に比べたら、大したことない……」
うん。
比べなくていいよ。
プレデテーラ・ウォーエルは別格だし、最終的に倒したのは俺じゃなきてヴァントだし。
俺が誇る事はできない。
「他の班はどうだったんだ?」
「……女子の班は怪我人が多かったらしい……」
だろうな。
女子の連中は、基本的に魔法主体の攻撃をする。
剣を使いこなせる令嬢は超少ない。
そうだなあ。
この学年では、ラザフォード王国の親衛隊長の次女のマーサくらいじゃないか?
マーサ=フォン=ワルサーは「メモメモ」にも登場したキャラである。
そして唯一、修学旅行中に死亡する生徒である。
レンツ王国がラザフォード王国に宣戦布告した後、学園生たちは人質にとられる。
何とかバレない脱出しようと試みるのだが、途中で兵士に確実にバレる。
兵士が追ってきている中、彼女は自らが殿になり、殺される。
何とか死亡させないようにしようとしたこともあったが、何故か確実に死ぬ。
追っ手の兵士を皆殺しにしたとしても、階段で転けて頭を強打して死ぬ。
文字通り、救いようがないキャラである。
おっと。
話がズレたな。
パーリェンの話に戻ろうか。
班分けは男女別で分けられているので、ある恐ろしいことが起こる。
多くの女子の班には、前衛がいないのである。
パーリェンに行く途中にストックに剣を教えてもらった女子もいたが、そんな付け焼き刃が実戦で通用するはずがない。
大量の怪我人が出るのは当たり前のことである。
「なるほどねえ。でも、治癒魔法で元通りになるから安心だよね」
「……費用はバカ高いがな……」
そうなんだよな。
治癒魔法は病気や臓器の欠損は治せないが、四肢が千切れるくらいならいくらでも治せる。
治療費は、そこそこな怪我が金貨一枚くらい。
腕1本あたり星金貨5枚くらい。
結構金がかかるだろう?
おっ。
教室についたな。
「エルン男爵。こんにちは」
「こんにちは」
さて、問題です。
俺は教室に入って、誰に挨拶されたでしょうか。
答えは………担任でした!
態度変わりすぎだろ。
猫撫で声だし。
俺が男爵になると、これかよ。
まだ俺の学年の女子の方が、よくわかってると思う。
アイツらは俺を冷遇していたという意識があるため、アイツら自ら声をかけない。
つまり、媚びを売れないのである。
それに比べて、担任にはその意識がないのだろう。
自然と冷遇していたって訳だ。
だから、何の抵抗もなく俺に声をかけれるのだろうよ。
☆
授業間の休み時間、エリカとアイリスが俺のところにやってきた。
コイツら、仲いいよな。
ずっと一緒にいない?
「やあ、エルン。いや、ウッドペッカー男爵だったかな?」
「男爵、おはようございます」
「よお。今まで通り、エルンでいいよ」
「わかった。エルン、今年こそ模擬宇宙戦が行われるな!」
そんなんあったわ。
「ああ、そういえばそうだったな。昨年は、どっかの誰かさんのせいでできなかったからな」
俺が目線をアイリスに向けると、アイリスは目を逸らした。
「おーい。アイリス?聞いてるか?」
「き、聞いてますよ。はいはい、あの時は私が悪うございました」
「エルン。アイリスをいじめてやるな。模擬宇宙戦ができる。それでいいじゃないか」
流石に、そんなに簡単にあの戦いのことを割り切る事はできない。
俺はあの戦いで、大量に人を殺したからな。
「エルンは例の船で出場するのか?」
どうしようか。
ラムラダで出るか?
それでもいいのだが………。
「いや、領内の駆逐艦を一隻借りるよ」
魔導船で出た方がいいよな。
あの戦いでラムラダの力を見てしまった今となっては、反則な気がするんだよな。
レールガンとミサイルを使わなかったとしても、機動力は魔導船とは桁違いだからな。
ガン逃げすれば、ファイヤーボールなんて絶対に当たらないし。
「あのー。エルンさん。少なくとも、殺傷沙汰はしないでくださいね?」
こいつは、俺を何だと思ってんの?
「あー。そこで模擬宇宙戦の話をしていらっしゃる、エルン男爵」
担任が近寄ってきた。
何の用だ?
「男爵は模擬宇宙戦には出てはいけないことになりましたよ?」
「は?」
春風型ミサイル艇の図(対空兵装を除く)を作りました。
https://drive.google.com/file/d/1Lr1C4h9iuasrITASSNLxjr7ouTklryso/view?usp=drivesdk
モデルは島風です。




