1話 プロローグ
時間の感覚が少し空いてたり、場面が変わったら、☆をつけています。
☆
よお。
俺は、ただの大学生を中退したバカだ。
俺はいま、クッソ難しい乙女ゲーをしている。
その名は「メモリアル・メモリー」。
剣と魔法のファンタジー世界の学園で、攻略対象を落とすゲームである。
この乙女ゲーが難しい理由を幾つか紹介する。
1点目、登場人物が多すぎる。
ネームドだけで1000人以上。
異常だろう?
………。
ああ、そうか。
普通の乙女ゲープレイヤーにはこの難しさがわからないか。
2点目、セリフの選択肢が存在しない。
3点目、この乙女ゲーはVRゲーである。
4点目、1キャラ1キャラにそれ用のAIが積んである。
他にも、いろいろ難しい点はあるが、この4点を合わせるとどうなる?
頭の回転が速い人ならすぐ察するだろう。
VR上で、AIが積んであるキャラを相手にマイクを介した会話によって懐柔を図るため、キャラの名前を間違えたら一気に好感度が下がり(登場キャラは1000人以上!)、会話の内容は毎回変わり、そのせいで毎ゲーム毎ゲームストーリーが違うためやり直すのはリスキー。
さらに、現代のVRは、ラノベに出てくるような「脳に干渉して五感を再現!」みたいな素晴らしいものではない。
結果、周りの人間が「メモメモ」プレイヤーを見たら、自分の部屋で何かを振り回し、空中に向かって告白し、机に向かって大声で「偉大なる氷の大精霊よ!我が敵を凍らせたまえ!アブソリュートゼロ!」とか叫ぶバケモノのように見えてしまう。
プレイするのが恥のようなゲームである。
さて、なぜ俺がこんなクソゲーをプレイしているか気になった人もいるだろう。
え?
気にならないって?
気になれよ。
理由は簡単。
母親が、「メモメモ」作者の大ファンで、攻略特典が欲しいと半ニートの俺に土下座したからである。
クリアしたら五十万円くれるというのだから、やるしかなかった。
結果、俺の家は2階から詠唱が聞こえたり、告白が聞こえるモンスターハウスになってしまった。
☆
ゴトッ!
俺は何かに足を取られ、転けてしまい、何かの角に頭をぶつけて大出血。
頭の中に響いた音的に、多分頭蓋骨が逝った。
どんどん意識が遠ざかる。
もう少しだったのに。
後少しで王子と婚約出来たのに。
こんなところで…………。
読んでくれてありがとうございます。面白いと感じてくださった方は、評価、ブックマークをしてもらえると嬉しいです。




