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最初の犠牲者

「シュンッ」

向かってくる兵の間を逆からすり抜けるように別の光の鳥が飛んできて、黒人形と衝突した。兵二人が振り返るとそこには、黒人形を仕留めて檻へ閉じ込めているユハの姿があった。

黒人形は、何度も光の檻に体をぶつけ、抜け出そうと試みるも、檻はびくともしなかった。兵の二人は、後ろを振り返り3人の加勢に入った。相手の黒人形一人を食い止めておけるのは3人がやっとのようで、互いの力が拮抗したままその場は膠着していた。兵の一人が、サッと後ろから不意を突き、手刀で貫くことで、黒人形を無力化することができた。3先ほどの3人はへなへなと地に崩れ落ちた。体力的にも精神的にも死を覚悟するほどの限界を迎えていたらしい。

ジャニーの仕留めた黒人形をニラードが檻の中へ入れ、ヲサイヤは先ほどの遺体の傍に寄り茫然としていた。この訳も分からない相手の最初の犠牲者の亡骸を抱えると、一行は城へ戻っていった。

翌日、既に彼の埋葬が厳かに行われ、黒人形の存在が国中に知れ渡ることとなった。国民のパニックは相当なもので、城に押し掛け、詳細を聞き出そうとするものもいれば、多くの国民は白魔法教会に集まって祈りをささげていた。城門では国民の対応にジャニーが追われ、城内では尖塔の改修工事が速やかに行われていた。4体の黒人形はヲサイヤの監視の元、城内の地下深くの空間に檻ごと閉じ込められている。

「その人形とやらはこれからどうするのだ」

王室にて、ガンセンと執事が話している。

「既に、彼らはこちらで始末した、と国民には知らせております」

「そうだな、彼らに心配をかけすぎることはよくない。まず必要なのは安心感だ。国の気運が安定している間に何か手を打たなければなるまい」

「彼ら人形に比して、我らの国力は脆弱すぎます」

「話によると、人形一体に対し、こちらの兵五人が関の山らしいな」

「さようでございます。というわけで、このようにしてはいかがでしょう。我らの兵の訓練に、彼らを使います」

「相手に、ということか。危険すぎではないのか。またすぐ死人が出てしまっては、国に顔向けできないだろう」

「勿論、最善は尽くします。危険を感じたら我々白魔法使いが手を出します。しかしそれまでは彼ら5人で戦っていただき、次第に4人、3人でも対応できるような力を身に付けさせます」

「任せてもよいのか」

「この件につきましては、ヲサイヤ殿に任せましょう。元兵という事もあり、訓練は彼の方が得意でしょうから」


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