第6章 1mと紅蓮の指輪②
一瞬で俺は解放された。
が、胸倉を捕まれた際に体が宙に浮いていたので、俺は墜落する羽目になった。
「命拾いしたな」
俺の胸倉を掴んでいた男がそんな捨て台詞を吐き、二歩下がった。
代わりに(?)、俺は救ってくれた女性が前に出てきた。
「「「「「「「「「「「「「「「「「ひっ、姫ッ!」」」」」」」」」」」」」」」」」
鎧の人達の声を無視し、女性、いや、姫は、道に座ったままの俺に手を伸ばした。
「とりあえず、話は立ってからじゃないですか?」
「……」
俺は何となく恥ずかしかったので、無言でその手を取った。
久々に感じた、人の手の温もり。
「え……」
その時、姫が何かを呟いた。
「……貴方、なら、……」
「……え?」
さっきから一向に話が見えてこない。
「……いつでも良いです。覚悟が決まったら、コレを持って城まで来て下さい」
その言葉と共に差し出された物は、この国の国章が刻まれた紙片。
十七歳の男の手の平と同じ位の大きさ、つまり、俺の手の平と同じ位の大きさの紙片。
この辺りに長く住んでいる人間なら誰でも知っている。
これが城への入城許可証だと言う事を。
「貴方には貴方の生活があるのでしょう」
姫は俺にだけ聞こえる声でそう言った。
「それを壊す覚悟があるなら、私を助けに来て下さい」
姫はその言葉の終わりと同時に、鎧の人達の所へ戻った。
そいつらが『何をコソコソ話していた?』とでも言いたげな顔で睨んできた。
俺はそれを適当にかわし、集団から離れた。
その後すぐに集団は移動し、俺の視界の外に消えた。
「『私を助けに来て』か」
俺は呟いた。