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41.作る以前に考えるところからでした





 魔道具を作るというのは、どういった効果を求めて作るのかによって難易度が変わってくる。

 一度作られた魔道具(もの)には、説明書のようなものが存在する。

 最初に作った人が説明書(それ)を書くことが多い。

 主に、どんな魔法を組み合わせたりするのかなど詳しい説明や情報がのっており、それを参考にして自身で作ることができる。



 お父様の持っている転移の魔道具なんかは比較的簡単に作れる。

 転移魔法という一種類の魔法を道具に封じ込めるだけでできるのだから。




 そんなことを思いながら私はペンを持ち、紙と睨み合いをしている。

 というのも、帝国の魔道具を作った精霊王(本人)は説明書を書いていないどころか作り方を覚えていなかったのである。

 ため息をつきたいところだがまだ始めてすらいないので、完成した時にでも取っておくことにした。



 細かいことは後で考えるとして、まずは強すぎる太陽の日差しを抑えるため光魔法を。

 マルクス王国に環境を似せるのならば、この乾燥しきった空気も直すので、湿気や雨も必要となる。それには水魔法を。

 ここは海が近くにないため、風が吹きずらい。なので風魔法を。



 大体必要になるであろう魔法を紙に書き、どのような効果をもたらすのかまで記す。

 そこからどの魔法を組み合わせて自分が求める効果を出すのか、そしてその魔法を組み合わせると起こる不都合な点もまとめる。

 不都合な点がわからないときなどは実際に試すだけだ。

 そう思っていたところで、エミリーが私に声をかけた。



 「ティナ様、夕食を持ってまいりました」


 「もうそんな時間? 悪いけど今は──────」


 「忙しいんですよね。そう言うと思っていましたので、作業しながらでも食べられるものを用意いたしました」




 さすがはエミリーだ。よくわかっている。

 用意してくれたのはサンドイッチだった。

 少し行儀が悪いが、左手にサンドイッチ、右手にペンを持って作業を続ける。




 **********



 俺は少し用があって精霊界へと戻っていた。

 急に風の上位精霊(シルフィード)に呼び出されたため、出かけると一言伝え忘れた。

 泊っている部屋に転移すると、明かりがまだついていたが、ティナは机に突っ伏して寝息を立てている。


 「これは……」



 机にある紙には、魔道具のことで何度も書き直したあとがあり、効果などとても細かく書かれている。

 これを一目見ただけでも頑張っていた姿が思い浮かぶ。

 

 俺は気持ちよさそうに寝ているティナを抱き上げてベットに運んだ。

 そして彼女のこめかみにキスをし、明かりを消す。


 「おやすみ……」





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