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20.もふもふが増えました!



 私は、今日もリアム先生が来るということで予習をしていた。

 テラスでお茶を飲みながらだが……

 机にお茶の入ったカップを置いた。

 



 水面が揺れた気がしたが見間違えだろうと思った。

 だが、それは見間違えなどではなかった。

 次の瞬間水面は激しく揺れ、同時に狼の遠吠えのような音が聞こえてきた。

 それも屋敷の入り口からだ。


 私はすぐさま入り口まで転移した。

 そこにはリルを数倍大きくした魔物が二匹いた。

 よく見ると二匹の内、一匹は一回り小さいがそれでも私よりはるかに大きかった。



 『『グググルオオオォォォーーーー』』



 私に向かって二匹とも、威嚇してきた。

 (……リルにそっくり………ん? もしかして……)



 「あの、もしかしてリルのご両親ですか?」



 リルのように言葉が通じるかわからなかったが、とりあえず話しかけてみた。

 すると二匹は吠えるのをやめ、私の言葉を理解したかのように頷いた。


 「では、屋敷の庭に案内しますのでそこで少しお待ちください。今リルを連れてくるので」



 私は彼らを庭に案内した後、転移でリルのいるところに移動した。

 リルはちょうどお昼寝をしていた。


 「リル、リル起きて!」


 『……ん~そんなに慌ててどうしたの? ティナ』


 「リル! リルのご両親が来たのよ!」


 『……え? 聞き間違い?』


 「違うわ、とりあえず行くわよ」



 リルは寝ぼけていたが、両親が来たことを伝えるとすぐに目を見開き信じられないという顔をしていた。

 私はリルを連れて転移を使い、両親のもとに着いた。



 リルは両親の傍に駆け寄り、話していた。

 私は邪魔しては悪いなと思い、元いたテラスに戻った。

 



 しばらくするとリルとその両親たちが来た。


 『ティナ、父さんと母さんに会わせてくれてありがとう!どうやら僕の匂いを追ってきたらしいんだ』


 「そうだったのね、でも私は何もしていないわ」


 『でさ、ティナにお願いがあるんだけど……』


 「なにかしら? 私にできることだったらいいわよ」


 『ぼ、僕ねティナといたいの。だ、だからねこれからもこの屋敷に住まわせてほしいんだ。でね、できればでいいんだけど、父さんと母さんも一緒に……って思って………』


 リルはかなり遠慮したような態度でお願いしてきた。

 それを聞いて私の答えはすぐに決まった。


 「それは、も……「もちろんいいぞ!」……お父様!?」


 お父様は私たちの会話を聞いていたらしく、私の言葉を遮りながらテラスの扉を開けてに入ってきた。

 ……しかも勢いよく。

 お父様はそのことに気づいたらしく、軽く咳払いした。



 「……ということでお父様の許可ももらったことですし、もちろんここに住んでいいです! よろしくお願いします!」




 我が家に正式に住むことになったリル達。

 この日の夜は、リルとその両親への歓迎会を開いた。


 「ねえリル。あなたの両親の名前は何というのかしら?」


 『父さんがラルフ、母さんがリリーだよ』


 「そうですか、ラルフ、リリー改めてようこそ! フォルク公爵家へ!」


 『『ワォォン!!』』



 ラルフとリリーは嬉しそうに返事をした。

 その場にいた人たちは、つられて皆笑顔になった。

 その日、フォルク公爵家は夜遅い時間になっても賑やかだった。









 私は今日息抜きに、久しぶりに依頼を受けることにした。

 内容はもちろん魔物討伐だった。

 いつもはリルを連れて行くのだが、ラルフとリリーも行きたいと言っていたので順番に回すことにした。

 さすがにフェンリルを三匹連れて街中を歩くのは、目立つ上に周りからも危険視される恐れがあったためだ。

 なにせ、フェンリルは魔物の中でも最強クラスの部類に入るのだから。



 今日の順番は、ラルフだった。

 ラルフは私に背中に乗れと言ったので転移を使用せずに乗って移動している。

 走って移動しているので風がとても心地がいい。

 しかも毛がふわふわすぎる。

 これはお昼寝するときに包まれてみたい感覚だった。

 


 そんなことを考えている内に目的地に着いた。

 すぐに魔物を討伐してしまい、少し休憩を挟んだ。

 そこで冒険者らしき人たちが近づいてきて話しかけてきた。


 「あの、蒼銀の聖女ですよね? よければ私たちのパーティーに入りませんか?」


 「……すみませんが、お断りします」



 最近二つ名が広まったせいか、よく勧誘されるのだ。

 私は一人でするほうが楽なので全て断っている。

 悪い気もするが、パーティーに入って素顔が見られる可能性があったので仕方ない。



 その日は、久しぶりに依頼を受けて体を動かしたせいかぐっすりと眠れた。

 やはり私は体を動かすほうが好きだ。

 これからは勉強で疲れたときの息抜きにはちょうどいいのかもしれない。


 

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