キャラクター解説とあとがき
○キャラクター解説
【ガンボ】
本作の主人公。
良く言えば気は優しくて力持ち、悪く言うとヘタレです。
いきなり失恋という展開は前作の「エルフの国の~」と同じですが、今回はより詳細に失恋するシーンが描かれています。
木に登っただけで勇者なので勇者(笑)感の強い彼ですが、作中でそれを最も気にしているのが彼自身です。
実はちゃんと村のために勇者のお仕事をしているのですが、彼はあまり利口ではないのでそれに気づくことはありません。
本作ではガンボのそういうところを書いてみたかったせいか、ヒロインとの距離感を詰めるシーンが少なかった気がします。
そこは少し反省です。
【ガジベ】
幼馴染。
優秀で人望も厚くイケメンの彼の作中での役割は、ガンボとの比較です。
同年代の出来るヤツである彼の存在はガンボのコンプレックスとなっています。
いちおうガジベには、ガンボは木登りで勝っているのですが、もしも勝てていなかったら少しひねくれていたかもしれません。
ガンボから幼馴染の少女を寝取りますが、もともとガンボに勝ち目などありませんので彼は一切悪くありません。
今でもガンボとも普通に仲良しです。
【ジャック】
A級冒険者。
ガンボとの比較②
彼の役割はガンボの決して超えられない壁です。
この世界にはS級とかSS級はないので、A級は凄まじく強いのです。
ドラゴンとかタイマンで倒します。
里一番になったガンボの身体能力と精神力ですが、ジャックはそれを軽く凌駕します。
里におけるガンボの貢献度をキチンと理解しているのですが、それを教えてあげません。
本人で気がついた方がいいと思っての親心なのですが、ガンボは最後まで気がついていません。
これからもずっと気づかない可能性が高いです。
【サユリ】
薬師のババア。
ガンボとの比較③
色々とバックグラウンドのある謎のババアです。
本作は三人称視点で書かれているにも関わらず、地の文でも「ババア」と表記されているところがポイントです。
彼女の役割はガンボが体力では超えられない壁です。
別に超える必要がないことに気がつければ良いのですが、なかなかガンボは気づけません。
でもババアが死ぬまでに気がつけると思います。
ガンボがババアよりも長生き出来ればですが……
【ミリア】
妹ヒロイン。
妹属性ですが、彼女が「ガンボお兄ちゃん」と呼ぶことはありません。
もしもあのまま「ガンボお兄ちゃん」になっていたら、エンディングが変わっていたでしょう。
ちなみに彼女もガンボとの比較の役割があります。
物語序盤で自分がリナリアに認めてもらいたいから『神の木』に登ったのに対し、ミリアは里の人のために薬師の弟子になった、という場面です。
ここでもガンボの器の小っちゃさが現れています。
【リナリア】
幼馴染②
彼女は本作中のメイン人物と唯一、ガンボと比較されないポジションにあります。
でも美人はイケメンになびくものなのです。
もともと同年代で一番もてるので、ガンボの他にも色々な人から好意をもたれていて、それにちゃんと気がついています。
なのでガンボの好意もその他大勢と同じように気づきながら処理しています。
○あとがき
相も変わらず耳かきの話を書き続けて8作目です。
今回は世界観とか設定を重視して書いてみました。
そのおかげで恋愛要素は薄めになってしまいました。
作中ではガンボは最後まで気がつきませんでしたが、彼は彼なりに村に貢献しています。
森の奥深くにあるド田舎の里がガンボのお陰で
薬の原料を自給できる
↓
外貨の獲得手段を得る
↓
商隊の数が増える
↓
風車が出来る
(小麦粉の大量生産が可能になる)
↓
里でもパンが食べられるようになる
という流れです。
せっかくだから農業の話も入れれば良かったかな? という気もします。
書き終えて気がついたのですが、こういう文化形態の里なら麦ではなく芋が主食のはずですので……
毎回色々と目先を変えて書いていますので、感想やレビュー、ポイント評価などで、批評していただけると嬉しいです。
ご愛読ありがとうございました。