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事務子とカルテ開示

事務方からみたカルテ開示についてです。

病院ごとに細かいところは違うと思いますので、経験談からお話させていただきます。

「カルテ開示」と聞くと訴訟をイメージされる方が多いと思います。

実際には訴訟以外で開示請求される方がほとんどです。


今回は、カルテ開示についてお話します。


カルテ開示とは、患者さんからの求めに応じて診療録の開示を行う事です。

診療録には、主に医師が記入する患者さんの病状についてや検査のデータ等が収められています。

開示する場合は、厚労省が作成した「診療情報の提供等に関する指針」というガイドラインに添って行う病院が多いと思います。


開示する人はもちろん患者さん本人です。(一部例外もあります)

たとえ家族であっても本人の同意が無ければ開示することはできません。

本人が亡くなった場合でも、開示を拒否していた場合は第三者へ開示することはできません。


また、場合によっては病院が拒否できる場合もあるようです。(私は経験ありませんが)


開示を希望される理由としては、労災の申請・障害年金を申請する為に自身のこれまでの病状を知りたい・裁判で使いたい(交通事故や対人トラブル)がほとんどです。



以前ニュースでカルテ開示の費用が高いと報道された事があります。

カルテ開示は自費の扱いになるので病院ごとに自由に料金設定ができます。

多くの病院は良識的な範囲の費用だと思います。

内訳は事務手数料・コピー代・検査のデータ代(CD-ROMやフィルム等)になります。

事務手数料は大体5千円~でしょうか。

患者さん側からしてみれば高いと感じるかもしれません。

しかし、用意する為にはかなり時間と手間がかかっています


・開示請求時に流れの説明

・書面で同意をとる

・カルテを全てコピーする

・ページ数を数える

・漏れがないか2人以上でチェックする

・表紙を作る

・請求書を作成する

・医師へカルテと相違ない事を確認してもらいサインをもらう


ざっと思い浮かぶだけでこれだけの工程があります。

通常の業務をしながらできるものではないため、人手を取られるか業務終了後に作成しています。

人件費として患者さんへ請求するのは妥当だと思います。


個人的には数回しか診察していない人と、何年も通院している患者さんの事務手数料が同じなのは双方にとって不平等かなと思う部分はあります。


また、開示することで読んだ患者さんがショックを受けてしまい治療に影響を及ぼす可能性もありますので(思っていたよりも病状が厳しかった等)その辺りは十分に説明し、患者さんに読んでも大丈夫か判断して頂きます。



カルテ開示は請求することが大変そう、よっぽどの理由がないとできないと思われる方も多いかもしれません。

しかし、必要だと感じたら気軽に相談してもいいと私は思います。

私的な経験談になりますが、今までの職場では請求があっても、患者さんとの治療関係が壊れたことはありません。

現在通院中の方が請求すること自体少ないです。

多くは以前通っていた方が何らかの目的で請求することがほとんどです。

ざっくりとしたお話になりましたが、気になる方は是非厚労省のガイドラインをお読み下さい。

かなり詳しく説明されています。


次回は11/6投稿予定です。

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