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事務子とコロナ②

今回は緊急事態宣言中から年明けまでを振り返ってみたいと思います。


緊急事態宣言が初めて発令され、多くのお店が閉まり、リモートワークへの切り替えをする会社が増えていましたが、医療機関は関係ありません。患者さんの為に私たちは仕事をしなければなりません。

スタッフが感染しない為にどうするべきか。

おそらく、職種問わず全ての医療従事者が初めての事だったと思います。

私の職場では全員で何度も話し合いをし、試しに事務スタッフを半分に分けて隔日出勤をしてみることにしました。

1日おきに休みではありますが患者さんが減るわけでもなく、仕事量はかなり増えた上に感染症対策にも気を付けながらの仕事です。休む暇はなくとても疲れました。

患者さん全員に渡航歴や体調確認をしていますが、嫌な顔をされたり、私たちがウイルスを運んでいると言ってくる患者さんもおり精神的にダメージを受ける日々でした。

緊急事態宣言中であるにもかかわらず、県外へ行く方、行ってきたと事後報告してくる方、こちらが感染症対策について一生懸命説明しても理解する気のない方が一定数いました。

熱などの風邪症状があっても、黙って定期の受診へ来て診察で判明するケースや、こちらが風邪症状あるか尋ねるまで黙っている方もいました。

患者さん1人の身勝手な行動が何百人もの患者さんに影響を及ぼす(一定期間診察ができなくなる)ことを理解していない・する気がない方がいて、どうしたらスタッフ・患者さんを守れるのか。緊張の日々が続きました。



4月の下旬頃、全ての診療科で電話再診が特例で認められました。ただしコロナの可能性があり、受診しない方が良いと判断された場合です。

この時限的な措置には賛成ですが、対面で診察した場合に比べて最大で診察料が半分まで減ることには違和感を感じました。

電話再診は患者さん側からすれば、わざわざ行かなくても電話で診察して処方がもらえて楽だしやすくなるとメリットに感じるかもしれません。

しかし、診察は話のみを聞いているだけではないのです。患者さんの顔色・におい・歩き方・雰囲気・服装などあらゆるものを観察しています。

見るという視覚からの情報で患者さんが語らない、気づかない事にも気づき治療に繋がることも多々あります。

声のみというのは重大なことを見過ごす可能性がかなり高くなります。

リスクが高いのに診察料が下がるのはこの非常時に医療機関を潰そうとしていると思えないような措置でした。

ただでさえコロナで人件費・消耗品の費用がいつもよりかかる中、緊急以外の手術や入院が出来ず減収になり経営が成り立たない所が大幅に増える中、診療費を下げるような措置をとるのはどうなのでしょうか?

おそらく、コロナが落ち着いたら潰れる病院が増え、地域に病院が無くなるところが増えるのではないかと思っています。


緊急事態宣言が明けても感染者は減らず宣言が繰り返される中、GOTOの影響もあり、徐々に感染症対策に対する意識が低くなり、県外の移動をする患者さんが増え、風邪症状があっても「コロナじゃない」と言い張り無理矢理院内に入ろうとする方が出るなど、スタッフの努力ではどうにもならない部分が増えてきました。

最初の頃はこちらの話も真面目に聞いていた患者さんも、宣言が開けると注意すると嫌な顔をされたり、開き直ってこちらに協力してくださらない事例が出てきました。

正直なところ、協力してくださらない患者さんの診察は断りたいです。二度と来てほしくないです。真面目に対策して来て下さる患者さんと同じ対応しなければならないのが非常に腹立たしいです。

しかし応召義務がある為、今回の件はどこまで拒否できるのか探りながらやっています。

裁判沙汰になることまで想定して対応しなければなりません。

私は事務員で医師や看護師のように直接患者さんに処置等をする仕事をしていませんが、医師や看護師の仕事をこれ以上増やさないように、受付の段階で患者さんに感染症対策などの注意をしたり、診察をなるべく短く濃くやってもらうため必要な書類や道具を事前に揃えたりといつも以上に気を張って患者さんと接しています。それはいつもの業務以上に疲れます。

一事務員がこれだ疲れるのですからコロナ患者さんを対応している医師や看護師の方々想像以上に大変だと思いますし感謝しています。

早く収束するように今一度、一人一人の行動を見直すべきではないでしょうか?


コロナはいつまで続くのでしょうか?

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