渓谷の大橋
ルミスは色欲の魔王と名前がついています。
それは種族から由来してるため察してください。
そろそろ夜明けが近い。
少しずつ木々の間から光が差し込み始めたみんなを起こさなければ、
『おーーきーーーろー!!!』
デルが嫌がらせの如く叫んでみたり、耳元でわちゃわちゃしてる
ポム、ベリー、トルンの3人は各々目を覚まし始めて
『ふぁー。ん?あ?んおはよ』
ポムが口元に落ち葉をくっつけた寝起きの顔でこちらをみる
『ああ、おはよう本当に1回も起きないのな、勇者様は油断しすぎじゃないか?』
『まあまあ、昨日は色々あったし疲れたんだろう朝から説教とはお優しい、デルおはよう』
『ん。優しい狼、おはよう』
トルン、ベリーは身支度を整えながら話に加わる
『優しくねぇし!ベリーも起きなかっただろ!?』
『ん?私は食料提供者、働いた。』
ぐぬぬぬ、、デルの表情はなんとも言えない
『確かにな、俺たちは結局守ってもらったんだこれくらいしないと釣り合わないだろう』
トルンは笑いながら答えた
悔しそうな顔になる、デルはすぐに表情に出るあたりも憎めない
4人は各々身支度を済ませ、焚き木を消した。出発だ
『さて、ベリーさんよ!次の街までどのくらいだ?』
『森を抜けると渓谷がある、そこから見える距離、夜には着く』
『よーし!しゅっぱーつ!!僕についてきて!』
ポムは元気よく先頭を歩き3人はついていく
目指すは『中立魔都市:ルミス』
ルミスは7人いる魔王軍”色欲”の2つ名の付いた悪魔の街で色欲というだけあって
ありとあらゆる色事で栄えた歴史を持つ
悪魔の街だと感じるが中立とつくだけあってこの世界にいる全種族が暮らす多種族圏となっている
この街にはルールがあった
そのルールを守れないものは”掟違反”となり街への出入りはもちろん、そこで積み上げた実績、名誉、名声、富を
全て失う。
と言いつつも、それさえ守っていればとても住みやすく色々な意味で運命の人と出会える街としても
人気な街でもあった。
歩いて2刻ほどだろうか森を抜けて開けた渓谷へ出る
ベリーが指をさす
『ルミスまでの要所。ルルカ渓谷ここを越えれば夜には着く』
遠くにだが壁に覆われた大きな都市も見える
ルルカ渓谷は辺境からルミスまでに必ず通らなければならいほどの割れ目の続く大渓谷
その昔、勇者の放った剣の余波で削れ崩れ出来たとか
それが本当ならとんでもない威力だ
そのせいで物資や人々も含め限られた街道でしか辺境へはいけず、デル達がいた村を辺境と言わしめている
『遠くに街が見えるが、本当にこれ夜には着くんだろうか』
トルンは心配になる
『うん、何事もなければ』
ベリーの返しに、不安が過ぎる
『にしてもよ、すごい崖だな底には川が流れてる、、流れが急な上にその辺、切り立ってて落ちたら高さでペしゃんこか岩で南無さんだ。』
『僕も流石にここから落ちたら助かるのは無理かもテヘヘ』
なぜ照れた。デル、トルンは突っ込んだ。
それをベリーは不思議そうに見つめる
『仲良し。貴方たちはなんで、旅をしているの?』
ここでも、デル、トルンが今更!と突っ込む
『本当に表情豊か』
ポムがベリーの前でぴょんぴょんする
『はい!はい!僕はね!勇者になりたいんだ!!それで、デルとトルンはパーティーのメンバーなの。勇者はね、この世界を悪の手から救うんだ!すごいでしょ?えっへん』
一瞬、ベリーが、え?という表情をしたのをデルは見逃さなかったこればっかりは感覚だがそんな気がした
『勇者てなりたくてなれるものでした?確か本には加護が与えられて導かれるものだった気が』
『え!?そうなの?』
ポムが不安そうにキョロキョロとする、それを見兼ねたトルンが腕組みする
『それは諸説言われてるうちの1つなような、結局勇者も魔王もどうやってなるか分かってはいないらしい、ただ、これは有名な逸話があって。
魔王様の有名なセリフあるんだよ。”魔王は個にあらず、全なる魔の者”』
『どういう意味だそれは?』
『魔王は特定の者を魔王と呼ぶのではなく、全ての者が魔王』
ベリーは答えた
『ベリーが言うようにその解釈も間違ってないというか、それが一般的な意見だね
ただ矛盾してて、結局魔王様は1人なわけだしそれが全員というのがなんともね。それにもっとわからないのは勇者の方さ、突然現れて消える、謎が多すぎる』
『勇者はきっと恥ずかしがり屋なんだよ!!世界を救ってけどチヤホヤされるのが恥ずかしくて隠れちゃったんだよ!でもね!僕はチヤホヤされるの嬉しいから隠れないけどね!えっへん』
こんな時も自分ワールド全開のポムを見て3人は笑ってしまった
『さて、あの街に行くにはこの渓谷を渡らないといけないんだがどうしたら』
デルの方をちょんちょんする
ベリーは街と逆方向に指さす。
先には大きな橋がかかっている
『あれが、ルルカ渓谷名物”風切りの大橋” 時々すごい突風が吹くから気をつけて渡る』
そこには人が両手を広げて5人分くらいの横幅で木造りの立派な橋がかかっている
『これが噂の大橋か、危険ではあるけど何人か手をしっかり繋いで渡れば飛ばされないて聞いた事あるな』
トルンは昔、旅の冒険者から酒場で聞いた事を思い出した
『わーすごい大きな橋!みんなでお手手繋いで渡れば安心だ!!行こーー!』
ポムはベリー、トルンの手をとり駆けてく、取り残されたデルもなんとかトルンの腕を掴み
橋まで向かう
ルルカ渓谷の掛かる橋は何種類かあります。
その中でも一番大きな橋が”風切りの大橋”
由来は突風もあるのですが、かつて勇者の技でできた渓谷のため
技の名前だったりします。




