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「神速の指先」を聞き間違いで授かった僕が実は最強だった件  作者: ギア丸


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第42話:キレイ卿の里帰り。実家は『宇宙一汚いゴミ屋敷』だった

 「……そ、そんな。私の、私の高潔なるルーツが、これほどまでに不浄だったなんて……ッ!」

 キレイ卿が、泡を吹いてその場に崩れ落ちた。

 彼の案内で辿り着いた実家――レボ・キレイ家の屋敷は、もはや建物の形を成していなかった。窓からは千年前の生ゴミが溢れ出し、屋根の上には「新種の文明」を築きつつある謎のカビが繁茂している。

「キレイ卿、これ……ゴミ屋敷っていうレベルじゃないぞ。地層だ。歴史が積み重なって化石化してやがる」

「ヴォルガッシュ様。鑑定したところ、この屋敷の入り口にある『詰まり』は、三世代前の当主が溜め込んだ、脱ぎっぱなしの靴下の山です。もはや一つの魔力回路を形成しており、外部からの物理攻撃を無効化しています」

 アイリスが冷静に(鼻を完全にクリップで塞ぎながら)告げる。

「お兄様! あの山、動いてますわ! ゴミの山が、私たちを外敵と見なして威嚇していますわ!」

「師匠……! お願いです、今の私の除菌ポッド(零号機)では火力が足りません! その指で、その不名誉な指で……私の忌まわしき過去(ゴミの隙間)を一掃してください!!」

 キレイ卿が涙ながらに縋り付く。俺は溜息をつき、白い手袋(オリハルコン製)をはめた。

「……よし、わかった。家族の恥を掻き出すのは、レガシー家の得意分野だ」

 俺は山のように積み上がった「古代のジャンク品」と「洗濯物の化石」の前に立ち、右指を垂直に構えた。

「スキル発動――『超高速・大掃除スクラップ・アンド・ピッキング』!!」

 ズババババババババババババッ!!!!!

 俺の指先が、ゴミとゴミのわずかな隙間に超高速で侵入する。

 それは破壊ではない。山を支えている「核(一番下にあった賞味期限切れの缶詰)」だけをピンポイントで引き抜き、全体の構造を崩壊させる、究極の収拾技術。

「さらに、ゴミの神々にひれ伏せ! 『全自動・土下座』――超高圧・圧縮梱包プレス・ダウン!!」

 俺が地面に向けて土下座の圧力を放つと、溢れ出していたゴミが一箇所に猛烈な勢いで吸い寄せられ、指先の攪拌によって「サイコロ状の綺麗なブロック」へと圧縮されていく。

 ズドォォォォォォォンッ!!!!!

 数分後。

 そこには、鏡のように磨き上げられた平地と、整然と積み上げられた「ゴミの立方体」の山だけが残っていた。

「……おお……。屋敷があった場所から、天然芝が生えてきました……。これが、師匠の指先がもたらす『真の更地』……!」

「あはは! ヴォルガッシュ、すごいよ! ゴミがなくなったら、床から昔のミレーヌ家の家宝(スケスケの羽衣)が出てきたよ! さっそく着替えてくるね!」

「着替えるっていうか、それ結局脱いでるのと変わらないだろ!」

「主よ……このゴミの立方体、噛みごたえがあって美味そうではないか」

 ポチが不穏なことを言い出し、ハルパスが「不衛生です!」と全力で除菌スプレーを浴びせる。

 こうして、キレイ卿のルーツを巡る「不浄な戦い」は、ヴォルガッシュの指先によって(土地ごと)浄化された。

 しかし、ゴミのブロックの中から「レガシー家の家紋が入った、妙に古臭い鼻かみ器」が見つかったことで、物語は再び意外な方向へと動き出すのであった。

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