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ホーリーエリクサー

 俺は更に武器の製造を続けた。

 B級~A級ランクの武器を作り続け、かなりの数になった。


 ステュクスにはアイテムの管理をしてもらい、騎士団への請求書など作って貰った。


「兄さんは、こんなに多くの武器を作れるのですね」

「がんばったよ。これを売れば良い金になる。しかも材料も使っていないから、ほとんど利益だし」


「そうですね、費用が掛かっていないので凄い事になりそうです」



 それから三日後。

 俺はガルガンチュア騎士団に予定通りアイテムを売却した。



 ・A級ロングソード

 ・A級ショートソード

 ・A級アースソード

 ・A級ドラゴンバスター

 ・A級オークアックス


 ・A級ヘルム

 ・A級アーマー

 ・A級ガントレット

 ・A級クリープ

 ・A級シールド



 今回はA級ランクのアイテムを合計百点キッチリ売った。結果、350万ベルという一般人の年収に相当する額を受け取った。



「ありがとう、カロン。君の仕事は素晴らしかった」

「これで帝国の為にもなるなら」

「ああ、これだけA級ランクの武具が豊富なら戦に備えられる」



 いつも戦は起きている。

 帝国中のあっちこっちで。

 とはいえ、今の帝国は領土拡大の為じゃない。守るために必死なんだ。


 ――でも。


 俺は正直、戦争なんでどうでも良かった。俺にとっては義理の妹・ステュクスこそが全てなのだから。



 * * *



 俺はひっそり帝国意外との国とも取引を開始した。どちらが滅ぼうと関係ない。俺が欲しいのは万能ポーションの情報と在り処だ。


 様々な国と秘密裏に取引をはじめ、俺は気づけば大国の王子や、島国の大王、蛮族、豪族、海賊や山賊、部族の英雄など様々な国や地域と取引をはじめていた。


 知らぬうちに俺のA級ランクの武器は世界に広がった。


 もちろん、海外に供給する場合は魔術刻印を“偽造”して売った。俺の海外での名前は“死の商人(プルート)”と呼ばれるようになった。



 SSS級の死の商人として名を馳せるようになっていた。



 ――ある日。


 いつも通り、帝国領・特別行政区ハデスにある裏取引場へ向かった俺。この場所は、特区ではあるものの、ほとんどブラックマーケットに染まっていた。つまり、闇取引が横行していたのだ。

 俺としては都合の良すぎる場所だった。

 そんな場所で俺は剣闘士(奴隷といえば奴隷だが)の売買をしている少女と出会った。


「……プルート様、いらしたのですね」

「グルーミー、待っていたぞ。今日こそ万能ポーションの情報はないか?」

「ええ、ついにどんな病でも回復するという『ホーリーエリクサー』の存在を確認しました」


「おぉ! それはどこで手に入る?」

「ある辺境の地に住む錬金術師しか作れないアイテムらしいです」

「そうか。その情報を得られただけでも、今まで活動した意味があった。グルーミー、妹の為について来て欲しい」

「もちろんです。プルート様は偉大な剣闘士でもありますから」



 俺はグルーミーと出会う前に闘技場で、何人もの剣闘士と戦った。世界から集めた最強と名高い剣闘士・グラディエーターと戦い、俺は自身の製造した『聖剣』と『魔剣』を振るって勝利を収めた。


 結果、俺はグルーミーに認められて、こうして懇意にしてもらっていた。



「俺は剣闘士ではないよ。ただ、妹の為に……」

「それは毎日聞いていますよ。それより、辺境の地・ミクトランへ向かいますか」

「そこに錬金術師が?」


「はい。世界一の偉大な錬金術師です。名をシバルバーといいます」

「変わった名だな」

「噂によれば、かつては帝国の皇帝陛下に仕えていたのだとか」

「マジか。じゃあ、かなり有能だったんじゃ」

「さあ、そこまでは。シバルバーの詳細は一切不明なんです」



 なるほど、それで万能薬の噂も都市伝説みたいなレベルだったんだ。なぜ、姿を消したのか……気になるな。


 俺とグルーミーは、特区ハデスを旅立ち――辺境の地を目指した。



 ◆



 ――その後の話を少しだけ。


 俺は錬金術師・シバルバーをついに探し出し、万能の『ホーリーエリクサー』を作ってもらった。代償にSSS級のアイテムを作らされたけど、それがエリクサーを作る為に必要だったからだ。


 俺はホーリーエリクサーを持ち帰り、ステュクスに飲ませた。


 ステュクスはついに外を自由に歩けるようになったんだ。



「やっと一緒に外の世界を歩けるな」

「ありがとう、兄さん」



 この笑顔の為にがんばってきた。

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