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最終話 勇者、世界を救う

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盗賊「勇者が国境線の封印を解きやがった!」


商人「国境線の封印?なんだそりゃ」


賢者「私も知らないですね、騎士さんご存知ですか?」


騎士「いや、聞いたことがない」


盗賊「先代勇者が残した遺産ですよ!」


盗賊「魔王の領域と私たちの国の境界線に施された魔法です!」


盗賊「この魔法があったからこそ、力の弱い魔物しか」


盗賊「私たちの国に侵入できなかったんじゃないですか!」


賢者「なにそれ怖い」


騎士「えー・・・そんなこと言われても知らないものは知らないよ」


商人「これは、あれだな盗賊ちゃん優秀すぎて」


商人「国が一切把握していない情報を拾ってきちゃった感じだな」


賢者「ちなみに、勇者はなんでその封印を解いちゃったんですか?」


盗賊「それは、その封印が両方向に作用するからです」


騎士「なるほど、こちらからも力を持ったものは魔王城に近づけないわけか」


商人「どう思う賢者」


賢者「我々すら知らない情報ですから、勇者も知らないで封印を破ったと考えるのが妥当でしょう」


騎士「故意ではないと?」


盗賊「勇者様がそんなことするはずありません!」


商人「どうだかね」


盗賊「きっ!」ギロッ


商人「ひぃ!」


騎士「封印が解かれたとしたら、強い魔物がこっち側に進撃してくる可能性があるな」


賢者「とりあえず、軍に援軍を要請して陣を築きましょう」


商人「んー・・・ちょっとそれじゃ、遅すぎるかな」


騎士「ん?なんだこの音は」


盗賊「あれ!巨大な魔物です!サイクロプスです!」


騎士「こっちに向かってきているな」


賢者「サイクロプスだけではありませんね」


賢者「数はそれほど多くありませんがゴーレムも複数体見えます・・・」


騎士「じ、実は私には国に残してきた妻と娘が・・・」


賢者「知ってます」


騎士「そうか・・・」


商人「騎士さんの冗談、初めて聞きましたよ」


騎士「なに、みんなをリラックスさせようと思ってな」


盗賊「じ、実は私にも国に残してきた父が・・・」


商人「投獄されてる犯罪者の父ちゃんな」


盗賊「ご存知でしたか」


商人「そりゃもちろん」


商人「・・・状況は絶望的だなあ」


盗賊「私、あんな巨大な魔物と戦うの初めてですよ」


賢者「私だってそうですよ・・・」


騎士「だが、私たちの後ろには数多の国民の命がある」


騎士「騎士として退くわけにはいかない」


賢者「・・・やるしかありませんね」


商人「覚悟は決まってますよ」


商人「・・・」


商人「盗賊ちゃんは、逃げてもいいんだぜ?」


盗賊「私より弱いくせに何言ってるんですか!?」


商人「うっ・・・」


賢者「ほらほら、みなさんそのへんにしときましょう」


賢者「遊んでる場合じゃないですよ」


賢者「早く戦闘準備を整えてください」


賢者「気を抜いて勝てる相手ではありません」


商人「気を入れても勝てる保証はないけどな」


騎士「まったく、勇者一行には本当に苦労をさせられる」


商人「なあに、騎士さん」


商人「王国民の平和のためですよ」


盗賊「ふふっ・・・」


商人「ん?」


賢者「どうしました?盗賊さん?」


盗賊「いえ///」


盗賊「なんだか、商人さんの口ぶりが」


盗賊「まるで」


盗賊「私たちも、勇者パーティーの一員みたいだなって///」


騎士「みんな来たぞ!構えろ!」


商人「へいへい!」


賢者「お任せくださいっ!」


盗賊「はいっ!///」


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数々の魔物を屠り

王都随一と言われる剣術道場の師範代

戦士


その弛まぬ信仰心から齢二十歳にして聖人に認定された

うら若き乙女

僧侶


王立魔術学院の最年少学位授与記録をもつ

若き天才

魔法使い


剣技右に並ぶものなし

若くして大魔導士と考古学博士の称号を得

あらゆる女性を魅了する端正な顔を持ちながら

侯爵家娘への揺るがぬ愛を誓った愛妻家

情に厚く、驕るところのない品性高潔な奴隷商人


勇者


若く逞しき彼らは、王国付き神官の受けた女神様からの信託により

わずか4名での魔王討伐を運命づけられ、王都を旅立ったことは。

皆が知るところにあるだろう。

だがしかし、彼らの華々しい冒険譚に潜む黒き影。

勇者パーティーを陰ながら支え続けた、もう一つのパーティーがあったことは。

あまり知られていない。

その名も


王国勇者課勇者補助係



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「た、大変です!」


「はいはい、勇者は次に何をやらかしましたか?」


「も、もう、勘弁してほしいんだが」


「ごたごた言わない!盗賊さん報告をお願い」


盗賊「勇者が!魔王と和解しやがった!」


勇者の旅が終わろうとも


彼ら王国勇者課勇者補助係の戦いは終わらない。


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「おい!魔族の言語わかるやつ直ぐに連れてこい!」


「和平条約結んだとして、魔族が条約を遵守する担保なんてあるんですか!?信頼性皆無ですよ!」


「そんなのいいから!まずは、要領を洗え!これ私たちの仕事に含まれるのか!?」


「ゆ、勇者様!もう勘弁してくださいっ!」



彼らの業務は就業時間内には終わらない。


だけども、おわり。


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