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その2 勇者、奴隷商人となる

------


盗賊「勇者が関所を、突破しやがった!」


騎士「盗賊さん、言葉遣い」


盗賊「またやっちゃった・・・」アセアセ


商人「勇者の野郎、王都を出て初めの関所でいきなり問題起こしてんのか」


賢者「初っ端から、ぶっ飛んでますねえ」


騎士「盗賊さん、詳細をお願い」


盗賊「はい!」


------


盗賊「関所での聞き込みによると」


盗賊「勇者一行は、関所を通る際に子供を二人連れていたそうです」


盗賊「ただ、勇者一行の持っている手形は勇者一行4名のみに有効ですので」


盗賊「その子供二人は関所を通せない」


盗賊「関所側は、その旨、勇者様に説明したそうです」


盗賊「その際、勇者様と関所の役人と激しい口論になり」


盗賊「結果的に、追跡したら殺すと捨て台詞を吐き」


盗賊「魔法で門を破って、関所を超えちゃったそうです」


騎士「こ、言葉遣い荒いね・・・勇者くん」


賢者「勇者一行にも、何かドラマが起こっているんでしょうねえ」


商人「『孤児を親戚の元へ送り届ける!』とかかな?」


商人「青臭い勇者のやりそうなことだな」


商人「というか・・・関所破りとか、ガチ犯罪者じゃん」


騎士「ちょっと、胃が痛くなってきた・・・」


賢者「まあ、勇者一行に起こっている感動物語は置いといて」


賢者「関所は、この事件どう処理してるんですかね」


盗賊「あ、それも聞いてきました」


商人「お、やるじゃん」


盗賊「でへへ」デヘヘ


盗賊「関所では、勇者一行の悪評を広めたら国に消されるんじゃないかって」


盗賊「事実の隠蔽に動いているようです」


盗賊「ただ、関所超えの列に並んでいた一般国民等、目撃者が複数おり」


盗賊「なおかつ、関所の施設に大きな被害が出ているため」


盗賊「隠ぺい工作は難航しているようですね」


騎士「とりあえず、隠ぺい工作は止めてもらおうか」


賢者「そうですね、私たちにバレてる時点でもう手遅れです」


商人「さて、どう処理しようか」


賢者「うーん、子供二人の手形を特例扱いで作っちゃいましょうか」


騎士「まあ、可能だが、子供の身元がわからんことにはな・・・」


商人「子供の身元ねえ・・・」


盗賊「あ、わかります」


商人「は?」


盗賊「え?」


賢者「子供の身元わかるんですか?」


盗賊「勇者一行に起こったことも、念のために調べておいたので」


商人「前回の失敗から学びすぎだろ・・・」


賢者「有能ですね・・・」


騎士「それで、何処の子なの」


盗賊「両親は既に他界。関所近くの町で、兄弟二人で暮らしていたそうです」


賢者「子供二人で・・・?嫌な予感がしますね」


商人「それ、生活費はどうしてたんだ・・・」


盗賊「えっと、スリ、置き引き、万引き、その他もろもろです」


盗賊「何度か捕まって、鞭打ち等の刑罰も経験していたそうです」


騎士「」


賢者「」


商人「はい!アウト―っ!!」


盗賊「?」


賢者「子供とは言え、刑罰を経験しているなら前科者です・・・」


賢者「特例でも、手形を発行するわけにはいきませんよね・・・騎士さん?」


騎士「も、もちろん」


騎士「図らずとも商人くんの目測どおりだねえ・・・」


騎士「おそらく、見るに見かねた勇者一行が親戚のもとにでも連れて行こうと」


賢者「してたんでしょうねえ」


盗賊「どうします・・・?」


賢者「どうしましょう・・・」


騎士「どうしよう・・・」


商人「関所を通った人間は、勇者一行の4人だけでした」ボソッ


盗賊「?」


賢者「!」


騎士「おいおい、何を・・・」


商人「ですから、勇者一行の連れていた子供二人は人間ではないってことですよ」


騎士「いや、言っている意味がわからんぞ」


賢者「・・・なるほど」


盗賊「どういうことですか?」


賢者「・・・」


賢者「世の中には、私たちと同じ体格、同じ目の色、同じ言葉を話したとしても」


賢者「人間としての権利を与えられていない、はく奪された方たちがいます」


騎士「・・・奴隷か」


商人「そのとおり」


商人「勇者一行は、関所近くの町で身寄りのない子供二人を入手」


商人「盗みで生計を立ててた子供だ、身元保証人なんているわけがない」


商人「なので、入手経路に違法性は一切ないです」


商人「至って合法的に奴隷二人を仕入れた勇者一行は」


商人「他国にて売却するべく、関所を通過」


商人「こういうことなら、子供二人は勇者の所有物扱い」


商人「モノに手形を発行する必要はないですよね」


賢者「この場合、勇者一行に奴隷売買免許を発行すれば・・・問題はなさそうですね」


盗賊「うげ」


騎士「いやいやいや!まずいって!」


騎士「その場合、勇者一行が奴隷商人になっちゃうよ!」


騎士「それはまずい!対外的に非常にまずい!」


商人「あくまで、書類上の手続きですよ」


賢者「そうですね・・・関所には緘口令をひいて」


賢者「今回の隠蔽工作の件をチラつかせれば、快く飲んでくれるでしょう」


騎士「いや・・・まずいって・・・」


騎士「勇者は王国の道徳的模範でなくちゃ・・・」


盗賊(これ、騎士さんが勇者様の名誉を守る最後の砦だ・・・)


商人「その模範生が、関所破りですよ」


商人「騎士さんも正直、勇者一行に対して、ちょっと腹が立ってるでしょう?」


賢者「犯罪者を引き連れての関所破り・・・」


賢者「しかも勇者なら、今後も似たようなことをやるでしょうねえ・・・」


騎士「」


騎士「うぅ・・・胃が・・・」キリキリ


盗賊(頑張って・・・っ!騎士さん!)


商人「いやいや、書類上の話ですよ」


賢者「そうそう、書類上でちょっと勇者の肩書に奴隷商人の項を増やすだけです」


商人「ちょっとした復讐ですよ・・・」


賢者「そう・・・それも、表ざたには決してならない・・・」


騎士「・・・承認」


盗賊(堕ちちゃった・・・)


商人「よし!じゃあ、書類を作成しようか!」


賢者「お任せください!」


騎士「うぅ・・・」


盗賊(大丈夫かな・・・このパーティー)


------


商人「ほらほら、騎士さん、ちょっと飲みすぎですよ?」


騎士「だいたいっ!お前らがなあっ!」


賢者「もう、終わった話ですよ騎士さん」


騎士「いやっ!終わってないっ!終わってないねっ!」


盗賊「騎士さん!お水持ってきました!」


騎士「盗賊ちゃんは優しいなあ」


盗賊「いえいえ///」


騎士「それに比べてお前らときたらっ!」


商人「へーへー」


賢者「今夜は長くなりそうですね・・・」


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